またきっと聞けると信じて。いま聞いてほしい槇原敬之のアルバム名曲 (1)
人生には葛藤がつきもの。失敗もするし、悩みもします。無限の音の組み合わせから作品を作り続けなければならないミュージシャン、槇原敬之さんもなおさらだったでしょう。
今回も、これまでの曲たちは聞けなくなっていくと思います。でも、自分の人生を支えたり後押ししてくれた曲たちには、これからもたくさんの人に聞いてほしい。
なので、個人的なレコメンドを、主にアルバム収録曲から紹介したいと思います。
「太陽」(太陽)
1回目の復帰後、最初のアルバムがこれでした。タイアップ曲はひとつもなし。表題曲がこの「太陽」です。
本人の真意はわからないけど、罪を犯してつらかったとき、利害関係とか下心とかなしに支えてくれた人たちに向けた曲なのだと思います。世間の声を雨雲として、ファンや理解者を太陽として、暖かく照らしてくれる存在に気づけた、という感じかな。受け取り方はいくつかありそうだけど。
雨にさらされた自分を僕らと複数形にしてるのは、同じような人たちに向けてるのかな。不安があっても必ず太陽がさす、という自分で発した思いを、もう一度振り返って見てほしいです。
「君の後ろ姿」(Personal soundtracks)
復帰から数年はマッキーらしい曲も少なかったけど、久しぶりに出てきた片思いを歌った曲でした。
君は僕を友達だと思ってるけど、僕は片思いしてる。後ろ姿を見送り続けてるときだけ君に恋してる僕でいられる。でも、君は決して振り返らない、つまり全く気づいてはくれない。
かといって、告白することで関係が崩れたり、傷つけてしまうことが怖いから、想像の君にさえ好きだと言えないまま。どこまで臆病なのかとw
ただ、これこそが片思いの真骨頂だと思うんです。思うだけなら自由だし、誰もが同じように思ったことがあること。見送るときだけの絶対に伝わらないことをわかった上での、でもどこかで振り返ってほしいと思い続けている、優しくて切ない曲でした。
「林檎の花」(Heart to Heart)
こちらは郵便局とのタイアップになってた曲です。
片思い中の君は、想い人が別の誰かを好きなことを知ってて、彼女が彼といられるようにいろいろやってる。でもそれが、カメラ越しに君を見ている僕にはわかってて、君がどれだけ彼女が好きかも知ってるよ、という歌。
こういう人、いますよね、お前絶対あいつ好きだろ、見てりゃわかる、いやいやそんなことないっていうやつw
これまたとてもやるせない曲なんですが、片思い中の君のほっぺを林檎の花にたとえて、誰かを思う気持ちが、いつか愛が実るよ、という優しい応援歌になってます。
情景が浮かびそうなピアノの曲調も相まって、とても美しい曲です。
「In love again?」(不安の中に手を突っ込んで)
今世紀最大の片思いソングと勝手に盛り上がった曲です。大人の片思いなんてあるわけ…あるわーってw
仕事の同僚とかですかね、いろいろ付き合ったり飲んだりしてるうちにふと、この人といると満たされるなあってことに気づいた。でもあらためて鏡を見ると老けた自分。この年になって?と半ば自嘲気味だけど、気持ちに気づいてしまう。
とはいえ、告白なんてして引かれたり、傷つけたりするのはつらいから、君にも、誰にも伝えることはないけど片思いしてるって歌です。
これ聞いたとき、自分も30歳半ばだったので、すごく共感できました。すでに結婚もしてたけど、独身ならこんなだろうなと。学生時代みたいに余裕があればいいけど、仕事となるとその後の付き合いも難しいですし。
でも、この曲はそういう思いの人を少し後押しすることにもなれると思うんです。別に年齢とかないよ、人を好きになるのは素敵だよ、って。
時々、気になる人とかできると、なんだか聞きたくなったりします。もちろん、不倫なんてしませんがww