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【探究授業】第1回 「生成AI×デザイン」 前編 


なぜ探究授業で生成AI?
始まりのエピソード


2、3ヶ月前。僕は高校生向けの探究授業をどうしようかと、ずっと頭の中で考えていました。普通科の高校生たちに、どんなテーマが響くのか?僕自身のスキルや経験を活かして、何ができるんだろう?そんな問いがぐるぐるしていたんです。  
僕がこれまでやってきたことと言えば、プロダクトデザインアイデアを形にして、新しいモノを作るプロセスです。これを高校生たちに伝えたい、彼らの創造力を引き出したいと強く思っていました。でも、どこかで「それだけでは足りない」「普通科の生徒にいきなり専門的なデザインを教えても、難しすぎるんじゃないか」という不安もあったんです。

そんな時、8月末に参加した生成AI合宿。これが、僕の視点を大きく変える出来事でした。3日間、AIの可能性を目の当たりにして、頭の中でぼんやりしていたアイデアが、一気にクリアになっていったんです。「これだ!」と感じました。AIは高校生たちのクリエイティブの手助けをしてくれるツールだと気づきました。アイデアを出すのが苦手な子でも、AIが背中を押してくれる。デザインの経験がない子でも、AIが一緒に考えてくれます。一般的に大学から学ぶような製品デザインや商品企画のプロセスを、生成AIが活用出来ることによって、年齢関係なく実践しながら学べるようになったんです。

https://peatix.com/event/4094074


この体験があったからこそ、「生成AIを使った探究授業」というテーマに決めました。「高校生にクリエイティブの楽しさを伝える「AIを使って、自分の中にある可能性を引き出す」——そんな授業にしようと思ったのです。ここから、探究授業の内容が少しずつ形になっていきました。

では、具体的にどんな授業をしたのか。その内容をこれからお伝えします。

授業のプランと実行

「デザインって、実はみんなの身近にあるんだよ!」——そんな言葉から始まった今回の探究授業。「クリラボ探究授業 No.1」では、生成AIとデザインがテーマ。生徒たちが自分の中にある“違和感”をもとに、新しいものを作り出す体験をしてもらいたいと考えています。

まず、講師タケボンの紹介をさせて頂きました。もともとアミューズメント業界で働き、そこからヘルスケアのプロダクトデザインへとキャリアを展開してきたプロダクトデザイナー。現在は日本特殊陶業で新規事業のUXデザインやマーケティング活動も手がけています。「デザインはこれからの時代、特に若い世代にとって重要な力になる」という熱い思いを持って、8月に参加した生成AI合宿でその可能性を実感しました。


1. 授業の始まりと目標

授業タイトルは、「クリラボ探究授業 No.1 〜天使と悪魔がゲスト!?違和感ワークショップ〜」。この授業の目指すところは、みんなが感じる「違和感」をクリエイティブに変換し、それをAIの助けを借りて、もっと楽しく、もっと自由に表現すること。

みんな、日常で『ん?』って思うことあるよね?それが違和感なんだよ。それこそが新しいデザインのヒントになるんだよ!

——こうして授業をスタートさせました。


この違和感をベースにして、AIを使って何かを作り出すワークショップです。生成AIって難しい?そんなことはありません!ChatGPTの「天使と悪魔の会議」というツールを使えば、簡単に楽しいアイデアが出てくるんです。

■天使と悪魔Chatbotの使い方

例えば、
「バランスボールについて現状の課題と解決アイデアを出してください…」みたいなことをプロントとしてインプットすると、天使さんはポジティブなアイデアを言ってくれるし、悪魔さんはネガティブよりのアイデアを言ってくれて、ファシリテーターは2人の意見を集約してサマリーだしてくれるんですよ。

2. 授業進行

授業はこう進みました

13:20〜13:40 自己紹介と「違和感」の話  
 自己紹介。「デザインって、どこにでもあるし、みんなが持っている力なんだ!」という言葉に生徒たちも興味津々。次に「違和感」をテーマに、日常でみんなが感じる「なんだか変だな」と思うことに目を向けました。

13:40〜13:50 違和感の発表  
 みんなで「自分が感じた違和感」を発表し合いました。他の人の意見を聞くことで、自分の考えに新たな視点が加わり、アイデアが広がっていくのを感じました。

13:50〜14:20 天使悪魔会議でアイデアを引き出す  
 次は、実際に生成AI「ChatGPT」を使ってみる時間です。「天使と悪魔の会議」というツールを使い、AIが天使役と悪魔役に分かれてアドバイスをくれました。みんながアイデアに迷ったとき、AIが新しい視点を提供してくれるんです。これには生徒たちも「おお!」と驚きつつも楽しそうに取り組んでいました。

14:20〜15:00 振り返りオリエンテーション
生成AIの可能性について話をしました。タケボンが過去7年前に富士ゼロックスのオープンイノベーションプロジェクトで提案したロボットがすでに実現できるところまできていること。生成AI合宿に参加して、元々予定していなかったプログラムを急遽入れた事。学生こそAIネイティブとなり、これからみんながデザイナーになれるようになることなどを真剣に話しました。皆んなまだ不安が拭いきれない部分もあるけど、目を輝かせてくれていたと思う。

そして自分が務める会社にみんなで乗り込んで、プレゼンピッチをする企画を検討していることも告知。次世代を担う若い人たちに是非最前線の現場を肌で感じて欲しいし、クリエイティブだと元々思っていない高校生でも、クリエイティブなものが作れるんだ!というメッセージを伝えたい。という話をしました。みんな真剣に聞いてくれていたと思います。


3. 実行後の感想

授業を終えた後、感じたのは、生徒たちがAIを使いながらどんどんクリエイティブになっていく様子でした。最初はみんな少し戸惑っていたけど、AIと対話することでどんどん自分の素朴な疑問やちょっとしたアイデアを点資産と悪魔さんに聞いてみてツッコミを入れてみたりしているのを見て、驚きました。彼らの創造力が目に見えて広がっていくのが面白かったし、僕自身もすごくワクワクしました。

みんなも「AIってこんなことができるんだ!」と楽しんでくれたようで、デザインとAIの可能性に触れたことで、新しい何かを発見したようです。

次回は、半年間のプログラムについて紹介します。AIを活用して、どのようにデザインが進化していくのか、ぜひ楽しみにしていてください!

■ワークショップ概要資料

https://gamma.app/docs/No1-qu4wpsjs42wt25y

後編につづく


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