集合的無知
非常に有名な話ですが、改めて主体性を考える上で、少し紹介したい話があります。
仕掛け人が、てんかんの発作に見舞われたフリをし、同席する被験者がどのように対応するかを検証する実験があります。
てんかんの発作は、命の危険もありますから、早急に救急車を手配する必要があります。
被験者が1人のときは8割以上が通報するのに対し、被験者が5人以上のときには3割しか通報しないそうです。
人が多くなれば、より動けそうなものですし、成果も出せそうなものですが、実際はそうではないようです。
この話からわかるように、私たちは誰か他にメンバーがいれば「きっと誰かがやるだろう」と本能的に考え、行動しないことがわかります。
これは私たちの仕事でも同じです。
このことを、心理学の用語で「集合的無知」といいます。
本来、人数が増え、パフォーマンスが増えるべきなのに、パフォーマンスは落ちる。
おそらく、大企業の多くがこの悩みを抱えているでしょう。
最近、私たちの会社でもこうした様子は先日のメールでお伝えしたように、残念ながら散見されます。
改めて、それぞれがハンドルを自ら握って運転しているということを忘れないでください。
もしあなたがやるべき仕事に気が付かなかったり、サボっていたら、その仕事は誰かがカバーしているのです。
同じ給料で、その人は余計に仕事をしているのです。
もし自分だったら、納得できますか?
私たちの一挙手一投足は、私たちのサービスを形づくっているのだから。
それぞれの運転の仕方次第で、簡単にクレームに発展したり、売上を逃すリスクもあります。
大事になったときにハッとするようでは遅いのです。
あなたは、ハンドルを握って運転していますか?
誰かの運転にあいのりしてる「ダサい仕事」をしている人はいませんか?
あらためて、私たち一人ひとりの振る舞いや発言、行動の1つ1つを見直してみましょう。
そして、全員が「ハンドルを握るドライバーだ」という圧倒的な当事者意識を持って、仕事に取り組んでくれることを期待しています。