「スニーカーをデザインする」ってどういうこと?アシックスに直接聞いてきた|前編
こんにちは。スニーカー城壁から失礼します。TAKEスカイウォーカーです。
みなさん、スニーカー鑑賞していますか?
スニーカーの楽しみ方は多様にあるわけですが、この「鑑賞」はメジャーな楽しみ方のひとつかと思います。
スニーカーを「鑑賞」していると、いろいろなことを思い出します。
新発売情報に食いついていたこと、店舗で実物を見てさらに高まったこと、初めて履いた時のこと等・・・
そして、そのスニーカーのどんなポイントに惹かれたのかを再認識して気持ち良くなれたりしますよね(きっつー
例えばこれ、
このスニーカーについては語るところが多すぎるので、今回はひとつだけ上げさせていただくと、ここ。
アシックスの代名詞であるこのストライプをデザインとして入れながら、シューレースで締め上げることでアッパーの横ブレを抑える、なんて聞いたことがあります。こういう「機構」みたいなものが個人的には大好物なわけです。
「くぅぅぅこのデザインカッコイイZE!」と、なってしまうわけですが、ココでふと思うわけです。
こういうデザインを考えているであろう、デザイナー(?)の人ってどうやってスニーカーを作っているんだろうか、と・・・・気になりませんか?
と、いうことで直接聞いてきました←
|アシックス神戸本社に突撃訪問
ありがたいことに今回、直接アシックススポーツスタイルのプロダクトに関わるデザイナーの方からお話を聞く機会をいただきました!!
自分が一番驚いています。
さぁ、やってきました。
ドキドキで受け付けを済ませ、案内された部屋がやばい。
もう一回言いますね。
ドキドキで受け付けを済ませ、案内された部屋がやばい。
物書きとして「やばい」を多用するのは非常にオワッてますが、ここは許して。
ここは「アーカイブ」と呼ばれる部屋であり、株式会社アシックスの前身である鬼塚株式会社時代からの現在に至るまでの同社のプロダクトの歴史がギュっと詰まった関係者専用のエリア。
半世紀以上にわたって最前線でスポーツシーンを支えてきたアシックスの宝、レガシーが鎮座する、私に言わせれば「神殿」なのです。
???「TAKEさん?こんにちは。」
TAKE「あ!上田さん、こんにちは!今日はどうぞよろしくお願いします!」
上田さんは本日インタビューを快く受けてくれたアシックスのデザイナーである。
上田氏「今日は一緒に取り組んでいる仲間も連れてきました!」
紹介しよう!!!!!
もうここまで読んでご理解いただけたと思いますが、ガチのみなさんです。日々我々が楽しんでいるアシックスのスニーカーの誕生に関わるキーマンの皆さんに、小生がアレコレ聞く企画だぞー!
最後まで楽しんでくれい!
|「デザインする」とは???
TAKE「皆さん、一発目から直球ストレートで伺います。スニーカーを『デザインする』ってどういうことですか?」
河野氏「めっちゃストレート(笑)」
上田氏「うーん、クリエイティブなインスピレーションと設計の調和という二つの側面により成り立つものが"デザイン"だと考えています。」
TAKE「ほー!スニーカーにおけるインスピ―レーションについては耳なじみがありますね。しかし、”設計”という側面についてはあまり聞く機会がありません。詳しく教えてください!」
上田氏「そうですね。スニーカーのデザインというと色や素材の組み合わせをイメージされることもありますが、それはデザイン過程のほんの一部なんです。スニーカーに乗せるインスピレーションをお客さんにも感じていただくにはどのような構造がいいのか、履いた時、どのような体験を提供するのかなど、あくまでインダストリアルな目線での設計も重要なんですよね。」
TAKE「え!スニーカーのデザインって消費者行動のことまで念頭に置かれるんですか?これは意外です。」
上田氏「スニーカーをデザインすることにおいては切り離すべきではない視点ですね。特にアシックスというスポーツブランドから出る”スニーカー”ならではの、技術やストーリーがありますから、そうしたものをしっかりとプロダクトに構築、反映していくんですね。僕がよく言うんですけど、アートクリエイションではないんだよ、と。」
TAKE「いやぁ、刺さります。アートクリエイションのようなイメージを私自身持っていました。アシックスのスニーカーのデザインって”フリーハンドで描く”というよりも、”発想や要素を組み上げていくこと”と言えそうですね。」
|デザイナーに必要なことって何なんだろう?
TAKE「スニーカーをデザインするにあたり、個人的な嗜好って組み込む余地あったりするんですかね?つまり、好きなもの自由に作れるもんですか?(ゲスい目」
河野氏「めちゃめちゃ作れますよ!!!」
TAKE「え!!!マッ!!!!」
河野氏「というのは冗談ですが(笑) でも、半分正解で半分不正解です。僕らはあくまでアシックスのインハウスのデザイナーになります。なので、個人創作を求められているわけではないんですよね。ただ、アシックスというフィルターを通しながら”こういうの作るべきです”ってことが提案できることは求められていると思いますよ。」
TAKE「なるほど。たしかにそうでないと本当に革新的なものは生み出せないですよね。」
河野氏「アシックスのデザイナーチームは日本だけじゃなくて、世界各地にあるんですが、お互い刺激し合いながらプロダクトを生み出しています。特に海外メンバーが”日本”をインスピレーション元として提案する場合なんかは本当にユニークなものが多いです。実際に発売されているモデルもあるんですよ。」
TAKE「こういうフィーチャーの仕方、個人的に大好きなんですよねぇ。海外メンバーの方、かなり鋭い視点をお持ちですね(笑)」
上田氏「海外にいるからこそ、日本の特異な点を見つけれるのかもしれないですね。そうして国内外のアイデアを企画にして、プロダクトへと昇華させていってるわけです。」
河野氏「スポーツスタイルだけでもワンシーズンで300くらい?企画というのは進めています。」
TAKE「さ、300!?」
上田氏「ちょうど、今朝も竹井と『GEL-QUAMTUM(ゲル・クォンタム)』についての話をしていたところです。竹井、ちょっとGEL-QUAMTUMについてTAKEさんに話してよ。」
TAKE「よろしくお願いいたします!」
|GEL-QUAMTUMをデザインする竹井氏
TAKE「GEL-QUANTUMってちょっと前までコアパフォーマンスのシューズとして展開されてる記憶でした。現在はスポーツスタイルのスニーカーとして展開されてるんですよね!(得意げ)」
竹井氏「おっしゃる通り、GEL-QUANTUMは現代のコアパフォーマンス由来のスニーカーです。定期的にデザインや構造をアップデートしているモデルです。」
TAKE「復刻モデルなどが注目されることの多いスポーツスタイルにおいても異色の存在ですね。GEL-QUAMTUMのデザインにおいて、ほかのモデルとの違いはありますか?」
竹井氏「他のスポーツスタイルのモデルのデザイン過程よりも、コアパフォーマンスのデザイン過程に似ていると言えるかもしれません。”より良いモノづくり”をしていくことが求められているので、前作を超えていくために、日々闘っている感じですね。」
TAKE「なるほど。GEL-QUANTUMの新作を作るとなるとほぼゼロから組み上げていくことになるわけですもんね。」
竹井氏「そうなんです。表には出ませんが、デザインを企画する段階では様々なものをインスピレーション候補として考えます。先ほども話に上がりましたが、見た目の雰囲気や印象だけを引用するのではなく、構造的特徴や、スニーカーとしての体験にどのように活かしていくかを考えながら設計をしていくんです。」
(おおお、、、マジで専門的な話だ・・・)
|デザイン原画登場にオタク発狂
上田氏「これ見てもらった方が早いんじゃないかな?」
竹井氏「あ、上田さん!一部本当に公開できないのありますコレ(笑)」
TAKE「わかりました!一部加工して記事に載せますね(笑)!」
TAKE「・・・これ、よく見たらデジタルの絵じゃないですよね?(震え)」
竹井氏「そうですね、これは僕がペンで手書きしています。」
TAKE「すごすぎる!!!そしてマジでかっこいい。それにしても、本当にいろんなインスピレーション元がありますね。(皆さんにも見せたいけど、見せれない!ゴメンな!)」
竹井氏「お!コレいいかも!と思ったら、それについて勉強しますし、時には博物館などに足を運んで研究することもあります。そのうえで、しっかりデザインとして活かしていくんですよね。もうそれを何個も何個もやっていきます!」
TAKE「お話を聞いていると、なんだか建築家や脚本家の取り組みに似たようなものを感じますね。最初に上田さんがおっしゃっていた”設計”という意味がよくわかります。」
上田氏「繰り返しになりますが、GEL-QUANTUMには特に毎度 ”改善=アップデート” が求められています。またスポーツスタイルのスニーカーとして皆さんに注目してもらうには”カッコイイ”ことも重要です。構造的な新しさを更新しながら、カッコイイGEL-QUANTUMに仕上げていきます。」
TAKE「お話を伺ってGEL-QUANTUMを見る目が変わりました。新作にはどんなインスピレーションがあるのか、どんなアップデートが施されたのか、ワクワクして店頭で確認したいです!」
竹井氏「期待に応えられるようにがんばります!」
|お楽しみはこれからだ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
改めで実際にアシックスのスニーカーのデザインに関わられているお三方にお話を伺っている事実に自分自身、驚きながらも貴重なお話を伺いました。
しかし、まだまだお聞きしたいことはたくさんあります!!!けど、一つの記事にまとめるにはボリュームが多すぎる!
とうことで、後編はー?
こんな感じでお届けします。
追記 2022/04/26
後編が公開されました!
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