旅中国編!54カ所目は広島県三次市!

旅中国編!54カ所目は広島県三次市!

11月25日〜28日まで滞在していました。
三次市は広島県の北部に位置し、県内で2番目に大きな面積を誇る地域。中心地の三次地区は歴史的な街並みが広がっており、妖怪博物館「もののけミュージアム」という観光スポットもある。他にも「三次人形」などの伝統工芸も残っている。中心街には国道が通っているため大きなスーパーや飲食店が多くあるが、一歩外にでると田畑広がる地域や山間部の地域がある。

そんな中、甲奴町で小川モータースという自動車の整備や燃料の販売を行う会社を経営されている小川さんにお話をお聞きした。
小川さんは曾祖父から続く事業を継がれた。
そんなある時大きな事故が起きる。
会社で管理していたガソリンが地中に漏れてしまったのだ。それで多くの地域の方々に迷惑をかけてしまったそう。そんな事故があったが、それでも地域の人たちに支えられて乗り越えられた。

小川さんは
「地域の方に対して申し訳ないという気持ちが感謝の気持ちに変わり、そしてそんな事故があったが再開させたい」
そう思うようになったと言っていた。

そんな時の小川さんはこう思ったそう。
「今までの日本人は何かあるとその事を思い返しながら生きていくので、つつましく生きなくてはならなかった。だが、パラダイムシフトが起きてきた今、これまでのようにつつましく生きるのではなく、支えてくれた地域に「恩返し」がしたい」
と言っていた。

どう恩返ししていくのかについて、まずは
「自分が悲壮な顔をしてやっていると、見ている人も悲壮な顔になってしまう。だから、笑顔でやる。そうすれば地域も笑顔になる。笑顔をつくる。」
と言っていた。

そして、その後は
「子供たちに恩を返す。
子供を応援するだけではなくて、ビジョンをつくる。
今もここで住ませてもらっていて、この町で生活するのが好き。そのためにはいろんな人の役割分担が必要。三次という船をその時々に合わせて漕いでいくのだ。
これをやっていくのにはビジョンが必要で、その役割のある人とみんなでビジョンを考えていこうと思っている。」
と言っていた。

小川さんは常に「恩返し」ということを考えているのだ。
自分を支えてくれたこの地域にどうやって恩返しするのか。小川さんはその一つとして「子供に恩返しをする」ということを言っている。
実際、小川さんは地元の中学校で生徒相手に話をすることがある。
その時にはこうやって話すそう。
「この地域は見える景色は変わっていない。そこで人は生きてきた。その中には代々住む人や外から来た人がいる。だから、そんな中で自分が1つのピースになって主体的に動いて欲しい。そのピースが協調性を持ってどんな絵を作っていくか。これを考えてほしい。」

昔からその地域には多くの人が住んできた。そこには歴史がある。
だから、今この地域に住む子供たちがこの町で生きていく上で自分がどんな存在になれるか、それによってどんな町を作っていくか。そして、そのために自分にどんなことができるかを考えてほしい。
ということが、小川さんの言葉には込められているのかもしれない。

私は、なぜ子供たちにこう伝えるのかお聞きした。

小川さんは、
「こうしていくと子供たちに戻ってきてもらえる場に、住み続けてもらえる場所になるかなと思って。」
と言っていた。

子供の時に少しでも自分の今住んでいる地域の未来やビジョンを考え地域に愛着を持つことで、将来大きくなった時にここにいたい、ここで住みたいと思うようになるのかもしれない。

中学校で話すときもただ話すだけではなく、そばによって話すという。
こうやってできるだけ子供たちの側で、そして同じ目線で話しをするのだ。

こうやりながら、子供たちと共に未来を作っていこうと考えているのだ。そして、そこには「恩返し」があるのだろう。

もちろん、当時支えてくださった地域の人たちへの感謝の気持ちを忘れることはないだろう。だからこそ、小川さんを支えてくれた地域の人たちが生き続けたこの地域を残していくために、次世代のことを常に考え大切にしているのかもしれない。
その人たちの思いがたくさん詰まったこの故郷を大切に。
そして、いつまでも残していくために。

これこそが小川さんの「恩返し」なのだ。