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JC論:JC満喫編:スピーチ、対話を満喫

私は妻とよく青年会議所の話をします。私の妻は話を聞くのがとても上手で、話しているととても楽しくなりますし、妻の話もよく聞くことができます。なぜ話を聞くのが上手なのかと尋ねると、「職業がら予断を持たずに話を聞く訓練をしているから」という答えが返ってきました。

私の妻は麻酔科医です。麻酔科医は一般の人には良く知られていない仕事ですが、手術という命に関わる医療行為において、単に麻酔をかけるだけでなく、手術が無事に遂行されるために患者の全身管理を行う仕事だそうです。ほんの150年前まで外科手術は命を落とす可能性が高いものでした。手術中には人はちょっとしたことで命を落としてしまいますから、麻酔科医は患者さんの現状をありのまま把握し、様々な情報を統合して、その場にあった判断をしていく必要があります。このため、患者さんの話を予断を持たずにありのまま話を聞き、そののちに判断する必要があるというのです。

人は話を聞くときに、つい色々なことを考えてしまいます。この話はどういう展開なのか、とか、どんな意味なのか、とか、ちょっと違うな、とかいろいろな考えが頭に浮かびます。そのうち、ああこの話か、と聞くのを止めてしまったり、時には自分の考えと違うので腹が立ってきたりします。このような状態になると、話よりも自分の頭に浮かんだ心の声を聞いているというような状態になります。そうなると、相手の話を楽しく聞いたり、話を聞いて有用な情報を得たりすることができなくなります。時には、余計なことを言って喧嘩になったりするかもしれません。

スピーチを聞くときでも、対話するときも、話を聞くときに、まずは話について自分の頭に浮かんだ考えをいったん置いておいて、話を聞くという姿勢が重要です。自分の頭に浮かんだ考えを置いておくことで、話の内容をしっかり受け止めることができますし、自分の心の中に浮かぶ「さざ波」も回避することができ、結果的に平穏に、楽しく過ごすことができます。

ただ、自分の頭に浮かんだ考えをいったん置いておくということはちょっとした訓練が必要です。良い方法は、しっかりメモを取るということです。メモを取るという作業に集中することで、話をメモ以外のことを考えずに済みます。メモを取るような状況でないときは、何かを思ったら「まあいいか」と思うようにしましょう。重要なことなら後で思い出せるでしょうし、忘れるようなことなら忘れて良いのです。

この訓練を積むと、話を聞くのも、話すのも上手になります。思った以上に人生が楽になるし、男でも女でもモテます。ぜひJCで話を聞く機会を満喫してください。

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