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2020年元旦 台北

2020年の元旦は台北で過ごしました。台湾は旧正月が主流なので三が日も休みなのは元旦だけで1月2日からは平日ということになっており、日本のような祝祭感はあまり感じられません。いつもより静かだな、という感じです。

私が台北に初めて来たのは記憶が正しければ11歳、1991年のことです。台北の最初のイメージは夕方ついたせいもあり、「暗い」というものでした。どこもかしこも薄汚れた感じで建物の照明は暗く、子供心に「なにかとんでもないところに来てしまったな」というぼんやりとした恐怖心を覚えた記憶があります。

それから約30年の間、多いときは年に数回、少なくとも2年に1回は台湾に訪れています。来る度に、台湾社会が進化し、変わっていく様を感じることが。社会の変化というものは、ずっと住んでいる人には感じにくいものですが、たまに来る人にははっきり感じられるものなのかもしれません。

島国で大した資源もなく、人口密度はそこそこ高く、地政学的に大国のはざまにいる、そんな日本とよく似た環境におかれている台湾ですが、日本よりも明らかに変化に対して社会が積極的な感があります。そんな台湾に来ると、日本はどうあるべきかというのを考えさせられます。

例えば、今回来て感じたのは「学習塾の看板減ったな」ということでした。10年ぐらい前の台北といえば、町中のいたるところに学習塾の看板が掲げられていました。大学やら英会話や日本語会話のスクールやらの看板も多く、教育に対する「熱」のようなものを強く感じました。

しかし、元旦で少し物静かな台北の街を走っていると、教育系の看板が減っているように感じられます。代わりに健康系の看板がちらほら。そういえば、この国も少子高齢化が進んでいるんだっけ。そう思って調べてみると、2017年の台湾の出生率は1.13%。日本は1.43%であることを考えるとなかなかの状況です。しかも2000年以来1.4%を上回ったことはありません。そりゃ教育系は衰退するよな。という感じです。

一緒にいた台湾人に、なんでこんなに低いの?と聞いてみると答えは「若者の給料が低すぎる」ということでした。これも調べてみると、30歳から34歳の平均給与は13万円ほどしかないそうです(日本では33万円)。平均だから多くの人はそれ以下しかもらっていないということなのでしょうし、日本とほとんど物価が変わらない上に家賃も単身でも4~5万は最低するとのことですから、これは確かにキツイですね。

さて、このような状況から台湾はどう動こうとしているのか、興味がわいてきた2020年の元旦でした。

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