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JC論:「JCしかやる人がいない」は本当か?
継続事業の議論でよく出てくるのが、「青年会議所しかやる人がいないから、やるべきだ」というものです。そのような事業は、一見社会の役に立っていて、でも行政や他の団体がやってくれることも期待できそうにないので、そんなものかな?と思う可能性がありますが、実はこれはActive Citizen Frameworkのような青年会議所での事業構築のやり方を知らない人が陥る罠です。
なぜやる人がいないのか?
そもそもなぜ「他にやる人がいない」のでしょうか?それは「皆がやりたがらないから」ではありません。この社会では「皆がやりたがらない」ようなことであってでも、それが必要であればちゃんと仕事として成り立って、誰かかやっています。もちろん新しく出てきた問題や新技術などはいきなりやる人は少ないかもしれません、しかし何年たっても「皆がやりたがらない」のは、必要がないからに他なりません。
こういうと、いやいや、困っている人がいる、あるべき姿でない、不当だ等々の理由で必要なんだ、という人がいます。それはおそらく正しくて、問題は確かに存在しているのでしょう。でも、問題の解決が必要であるということと、問題の解決策が妥当というのは全然違う話です。誰もやりたがらないということは、その手法は問題の解決策として妥当ではないということなのです。
もう一度、問題の本質に立ち戻って、その問題の原因が何で、その解決策としてもっといいものはないかを考える必要があります。
検証ができていない
なんでこんなことが起こるかと言えば、それは検証ができていないからです。その事業が本当に問題の解決に繋がっているのかを問う必要があります。ただ人が集まっただけで問題の解決に繋がっていないのであれば、その手法は妥当ではありません。もっといい方法があるはずです。
社会をより良く変えるために、最高の方法を模索し続けるのが青年会議所のあるべき姿であって、一つの手法に拘泥する姿には青年らしいさわやかさはどこにもありません。青年会議所の事業は1回1回が挑戦であり、挑戦には失敗もつきものです。しかし、失敗があるからこそ、次の成功があるのです。自分が汗水たらしてやったことが失敗であったと認めるのはつらいかもしれませんが、失敗したことをまるで成功したことのように検証するのは詐欺であって絶対にやってはならないことです。幕を引くのは、やった人の責任であって、次の人に任せるのは卑怯であると心得てください。
事業構築の面白さを知らない
もう一つの問題は事業構築の面白さを知らない人が少なからずいるということです。青年会議所の使命は「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」であり、「より良い変化をもたらす力」の典型例は事業を構築する力です。誰もが共感する問題に対し、その原因を追究し、原因に対して的確な解決策を構築し、実行し、その価値を検証するプロセスこそが青年会議所の事業の醍醐味なのです。
背景に共感できず、目的もわからないけれど、とりあえず頑張ってやりました、参加者にすごく感謝されました、「来年もまたやってね(ただし無料でねww)」と言われました、という事業ばかりやってたら、必ずメンバーが疲弊し、LOMが衰退します。それは事業構築をやらずに、単に手法ばかり追い求めているからです。
ぜひ毎年毎年問題を認識し、原因を見つけ、そのベストの解決策を実施してください。やり続けて良いのは、事業構築であって、特定の事業ではないのです。多くの人を巻き込み、みんながやりたくなる事業ができた時にこそ、本当のヒーロは生まれるのです。