色んな絵

JC論:3分間スピーチ

LOMの例会や委員会で、よく3分間スピーチってありますよね。JCはダンスクラブのテーブルスピーチが発祥ですから、3分間スピーチはまさに伝統的なものだと思います。どうやればうまく3分間スピーチができるのでしょうか?

何のためにやるの?

例会などの3分間スピーチの目的、それは、ずばり「あなたをみんなに知ってもらうこと」です。自己紹介といっても過言ではありません。でも単なるあなたのバックグラウンドを説明する自己紹介ではありません。「あなたともっと話したくなる」ための自己紹介です。スピーチの成果をどう測るかといえば、「スピーチの話題が懇親会などで出てくるかどうか」かです。うまくなくてかまいません。あなたと話すときのネタをみんなに提供すればそれでOKです。

なぜこれが目的かといえば、テーブルスピーチによってお互いに話題のできた若者がつながって行動したのがJCだからです。よい3分間スピーチにはJCを活性化させる力があるのです。

誰でもわかる構成

3分間スピーチはとても短いので構成を考えなければあっという間に終わってしまいます。でも難しい構成は必要ありません。たったこれだけです。

①いいたいこと
②自分の話
③学んだこと

これを順番に話せばOKです。なお、何とかさんありがとうとかをいう、いわゆるプロトコルスピーチは3分間スピーチでは不要です。「ありがとう」が言いたいことならいいですがそうでもないのに、単にありがとうをいうことで時間が無くなり、伝えたいことも伝わらなくなります。

言いたいことがない

言いたいことがあるという場合は、大丈夫です。ただし、言いたいことは一個だけ、10秒で言えるぐらいの内容に絞りましょう。

言いたいことがない場合、テーマが決まっている場合と、決まってない場合で多少違います。テーマが決まっている場合には、そのテーマについて最初に思いつく言葉を言いたいことにしましょう。できるだけ簡単な方がいいです、感情めいたものでも構いません。例えば、災害についてであれば、防災が大事とか、みんなで助け合おうとか、そういう「小学生並みの感想」で構いません。いや、むしろそういう感想のほうが共感が得られます。

テーマが決まってない場合は、「みんなが知っているであろうニュース」について言いたいことを見つけましょう。例えば、昨今はやっている「新型ウイルス」なら「感染予防をしよう」みたいなことです。

いいエピソードが見つからない

言いたいことが見つかったら、エピソードを考えましょう。これは、家庭のことか、社業のことか、趣味のことがいいでしょう。防災なら、「会社で防災訓練した」とか「家で持ち出し袋を買った」みたいなので構いません。

話の種類としては成功談か、失敗談か、ヒヤリハットか、感動談か、友情談か、がいいでしょう。あなたの家庭や会社や趣味にこのどれかはありませんでしたか?感染予防呼びかけでインフルエンザが減ったみたいな成功談はありませんか?非常持ち出し袋が要るといわれて買ってきたら、家にあるものばかりだった、みたいな失敗談は?釣りに行ったら水位が増していて危険を感じた、ということは?感染予防にマスクを買いに行ったら売り切れだったが、友達が分けてくれた、というような友情談は?

エピソードが見つかったら肉付けしましょう。家庭だったら、奥さんが心配性だとか、会社だったら会議が多いから感染しやすいとか、趣味だったら各地に釣りに行くのが好きで月に何回も行くとか、とにかく情景が聞いてる人に浮かぶのがいいですね。ここで自分の人となりを知ってもらうのです。普段何をしているのか、何が好きなのか、どんな長所があるのか、どんな短所があるのか、とにかく自分のことを話してください。

学びが特にない

エピソードが決まったら学びを考えましょう。こういう教訓が得られたとか、こうしようと思うとか、そういう今後に繋がる話です。ポイントは、成功談なら応用できることを、失敗談は怪我の功名を、ヒヤリハットは教訓を、感動談や友情談は自分がされる側からする側になることを、話すことです。

例えば、インフルエンザが減ったという成功談なら、健康への意識を高めたいとか。非常持ち出し袋がダブった話なら、無駄に買ったけど家庭内で防災の話し合いができてよかったとか。友達にしてもらったら今度は自分ができるように普段から予備を持っておくとか。そういう話です。

重要なことは、今後私はこうしていきますという姿勢です。

話し方は会話で育てる

「スピーチは相手のしゃべらない会話」といいます。会話ならアガらずにできるのに、なぜスピーチはできないのか、それは相手が話さないからです。なぜ飛ぶのか、それは相手が合いの手を入れてくれないから。だとすると、スピーチの練習は会話形式で初めて、だんだん合いの手をなくしていくことです。そのためには同じようにスピーチをしなければいけない相手と、ペアになって練習するのが一番です。まあ要は漫才ですね。

たとえば、上記の構成だと
①いいたいこと
・最近なんかありました?
→最近ニュースで災害の話が盛んに流れていますよね。私も災害に備えて普段から色々準備するのがとても大事だと思ってます。
②自分の話
・そうだね。それで何かしたの?
→家族でこういう災害起きたらどうしようかって話して、近くの避難所はどこだとか、災害時にどうやって連絡とるとか、いろいろ話し合ったんです。
・おお、いいじゃない。それで何か起きたの?
→はじめはよかったんですが、うちの奥さん結構心配性で、こういう時にあれなかったらどうしようとか、これが必要では?とかいうから、もうめんどくさくなっちゃったんです。
・へーそれでどうしたの?
→面倒だから全部入りの非常持ち出し袋買ってきたんです。これなら何があっても大丈夫でしょって、一番大きいやつを。
・買っちゃったんだ、大きいやつを
→それで買ってきて中身開けてみたら、ほとんど家に既にあるものばっかりで、奥さんに無駄なもの買ってきて!って怒られてしまったんです。
③学び
・そりゃまた大変だったね
→まあ怒られたのは残念だったけど、防災について色々話し合えたのはとてもよかったなと思っています。これからも時々防災について話をして日ごろからの防災意識を高めておかなきゃな、って思ってます。
・それはすごくいいことだね。で、その防災袋どうなったの?
→ちなみにその防災袋は、3歳と5歳の子供たちのごっこ遊びの材料になってます。まあ、子供たちにも防災意識ができていいかな、と。

なんか英会話のテキストみたいですが、まあこんな感じで、まずは合いの手を入れてもらって、少しづつ合いの手を抜いてもらえばいいのです。で、本番では合いの手があると思って話す。これでアガったり飛んだりすることもなくなります。


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