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JC論:良い会議・良いJC:読みやすい議案

日本JC本会では年間1000本以上の議案があります。これに役員だけで意見をつけることは難しいので、財政審査会議で財政面を審議し、規則審査会議で規則面を審査し、役員の負担を減らしています。それでも、月に70本とか80本とか議案が上がってくると、読みにくい議案は困りものです。

2019年度に大幅に議案フォーマットを変更したのも、この点にポイントがあります。IT機器の発達とITリテラシーの浸透により、議案が肥大化し、非常に見づらくなっていました。そこで、より見やすく、わかりやすい議案を目指してフォーマットを変更しました。結果、書くのも見るのも楽になりました。議案フォーマットは固定せず毎年より良くなるように見直した方が良いと思います。

さて、ここでは、見やすい議案を描くコツについて説明します。

コツ1:5W1Hを意識し本文を重視する

まず議案の勝負は本文であり、本文を読んだだけで事業内容が全てわかる必要があります。

そのために、なぜ(背景)、何を(目的)、誰が(実施主体・パートナー)、いつ(開催日程)、どこで(実施場所)、どのように(事業概要)するのかが、一目でわかるようにする必要があります。このため、大抵の議案フォーマットではこの6つが順番に並んでいます。この順番できちんと書いていくことが重要です。よく、開催日程が5月から8月といったように曖昧に書かれている場合がありますが、混乱の元です。ちゃんといつ、何をするのかがわかるように書きましょう。

「どのように(事業内容)」のところは、往々にして「書きすぎる」傾向があります。大切なことは、どうすれば目的が達成できるのか、を記載することです。

例えば、まちづくり議案で観光夜市の議案があるとします。(日程とパートナーと場所は省略します)
[背景]外国人観光客が夜間楽しめないというアンケート結果があり、行政・企業にナイトエコノミーを推進してもらう必要がある。
[目的]外国人観光客が夜間に気軽に楽しめ、お金を落としてもらえる仕組みを作り、行政や企業に取り入れてもらう。
[事業内容]①観光夜市の社会実験を行い、②結果を行政や地域の企業にフィードバックする。

ここで事業内容には、①の方では、事前準備、夜市の規模、出店の概要、集客方法、集金方法、外国人向けの配慮、リスク対策、②の方ではフィードバックの取り方、パートナーとの連携方法、結果報告会、などが目的達成に重要なのでこの点を重点的に記載します。目的達成にあまり関係のないアトラクションや各種セレモニーに多くの記載を割いてはいけません。この項目だけあれば最低限できる、という優先順位付けが重要です。

コツ2:資料は作りすぎない

もともと1980年代まで、JCの議案は手書きでした。細かい資料などついてはいませんでした。近年ITが進歩することによって近年資料が爆増し、作成者を疲弊させています。これによって、事業の質がかえって下がり、すでに資料が存在する例年踏襲の事業が増えている一因になっています。

必要な資料とはなんでしょうか?まず審議対象資料で必要なものは予算がかかる、外部に出す、ものです。例えば以下のようなものです。
1、予算がつくビジュアル(ポスター、映像(絵コンテ)、看板など)
2、外部発信物(依頼文、お礼状、プレスリリース、アンケートなど)
3、公式文章(決議文、規則変更など)

次に参考資料ですが、大きく分けて3種類あります。
1、エビデンス資料(統計資料、政府資料など)
2、本文の補足資料(講師プロフィール、シナリオなど)
3、運営の補助資料(運営マニュアル、詳細スケジュール、PPTなど)

このうち、エビデンス資料は一度見れば十分なので出来るだけ1まとめにしましょう。去年付いていたからという理由でつけるものではありません。
本文の補足資料は本来は本文に書くべきことで、かつ、本文に書いていたら読みにくくなるものに限りましょう。二、三行の内容なら本文に書けば良いのです。
運営の補助資料は必要な時までにできていればいいものです。マニュアル類なら中途半端に書くよりも、フォーマットを作り込んで、作成期限を明記しましょう。報告議案の時は最終版をつけましょう。

コツ3:リスト形式と表形式を活用する

これは全般に言えることですが、議案は小説ではありません。文章でダラダラ書いても、リスト形式(箇条書き)と表形式で書いた方がずっと読みやすくなります。ポイントは、目的やパートナーや講演内容といった複数並列であるものはリスト形式で書く、スケジュールなどの時系列があるものや、役割などの同質のものが並ぶものは表形式で書くなど、整理をすることです。表形式にすることで、考え忘れを防ぐという効果もあります。

コピペをやめて簡潔さを保つこと

出来るだけ無駄なことは書かない、というのは非常に重要なことです。これを阻害しているのが過去の議案のコピペです。例年通り(?)に大量に議案を書こうとするから疲弊するのです。本当は継続事業なら、実施することによって無駄な記載というのは見えてくるはずなので、どんどんスリム化されてもおかしくありません。それなのに、「去年これだけ書いていたのだから、今年は去年の知見も入れてもっと書くべきだ」とか思ってしまうのでおかしくなるのです。意見をする人も簡潔になるように意見をしましょう。

次は

議案の意見の仕方(原則)

目次はイントロダクションにあります。

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