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JC論:価値観の違いを成長の機会とするには
価値観が合わない人との付き合い方では、なぜ価値観の違う人と付き合うことが重要なのかを解説しました。青年会議所では目的はその年度で替わりますから、価値観が違っても目的のために価値観の違いを我慢して行動する、ということでは目的は達成できても、成長にはつながりません。
では、どうすれば価値観の違いから成長することができるのでしょうか。
1、自分の価値観を知り、価値観の違いを見つける
まず、価値観が全く同じ人は存在しない、という前提に立ちましょう。JCメンバーは多様な背景を持っています。価値観が全く同じなはずはありません。
そして、自分の価値観を知りましょう、自分が何を重要と考え、何を重要と考えていないのかについて考えてみましょう。自分の価値観を意識しなければ、相手の価値観との違いを見出すことができず、ただ不快に感じるだけです。そして、その不快感は相手も感じています。
例えばよくある価値観の違いに「体育会系気質と、非体育会系気質」というものがあります。上下関係や根性、体力といったことを重要と考える価値観と、重要と考えない価値観の違いです。体育会系気質の人は、非体育会系気質の人の行動に不快感を感じますし、逆もまた感じています。しかし、明らかなハラスメントを除けば、この不快感は行動そのものが悪いというより、価値観の違いに由来することが多いのです。ここで、相手の行動に対する不快感を単なる悪行ととらえると、単なる衝突で終わってしまい、学ぶことがありません。
まず、自分がどのような価値観を持つかを意識し、相手の行動から価値観の違いを発見することが重要です。
2、違いの原因を理解する
ではなぜ価値観が異なるのでしょうか?それは、自分と相手の背景の違いにあります。例えば、体育会系気質を持つ人は、運動系の部活の経験があったり、建設業や製造業などの業種の方かもしれません。このような経験や業種を持つ人がなぜ体育会系気質を持つかといえば、チームワークや上下関係や規律が成果に大きく関係するからです。逆に体育会系気質を持たない人は、前記の事項があまり成果に関係のない背景を持つ場合が多いでしょう。
相手が自分と価値観が違う背景を理解すれば、どこがその価値観にとって重要で、どこが重要でないのか、ということを理解することができます。意見のぶつかり合いを乗り越える上で、自分にとって重要なことと、相手にとって重要なことを理解することは欠かせません。
3、信頼関係を築く
価値観は内側からしか変わらず、外側から変えられるものではありません。しかし、価値観が違っても信頼関係を築くことはできます。そして、信頼関係こそが価値観の違いを乗り越える方法なのです。信頼関係があるからこそ、お互いが現状を正しく認識し、価値観の違いを超えて、最も良い選択肢を選ぶことができます。
信頼関係はどうやって築けばよいのでしょうか?青年会議所の活動は信頼関係を築く訓練のようなものです。信頼関係を築くためには様々な方法がありますが、基本は3つです。
1、コミュニケーションを増やす
2、約束を守る
3、貢献する
この3つを行うことで信頼関係を築くことができます。後ろに行くほど、信頼関係を得ることができます。
なぜ高々1年ぐらいしか一緒に活動しない青年会議所で深い信頼関係が築かれるかといえば、青年会議所の活動は短期間でこの3つを行うからです。青年会議所の活動には、会議や懇親会などのコミュニケーションの機会があり、事業などで約束を交わしたり、お互いに貢献し合う機会があります。
できることからで構いません。価値観の違いを乗り越え、物事を変えていける人間になるために、青年会議所で経験を積み、成長してください。