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分類不足の日本料理

ある香港人が「日本料理はバリエーションが少ない」と言っていた。

「寿司とてんぷらとすき焼きかしゃぶしゃぶ、懐石料理ぐらいしかないし、地方に行ってもあまり変わらない」という。確かに香港に行くと、ありとあらゆる料理が食べられる。何しろ中華料理は種類が多い。いわゆる8大料理に加えて、いろいろなバリエーションがある。日本だと地方料理は「B級グルメ」感がどうしてもあるが、中華料理はそれぞれに高級な料理がある。

いや、日本にだって様々な料理がある。でも単品が並んでいるだけで、何とか料理という形にちゃんと分類されていないのだ。Wikipediaの日本料理の項などもうひどすぎて読む気にすらならない。和食検定、というのもあるらしいが、分類についてはほとんど触れられていない。どっちかといえば精神論が先だ。

分類されてないから、多種多様な味や料理があるにもかかわらず日本料理はバリエーションが少ないとみなされてしまうのである。これは特に地方としては困ったもので、高い料金を取ろうとすると、どうしても寿司か天ぷらか…のようなことになってしまう。堂々と高い金額をとるためには、やはり分類が必要なのだと思う。

讃岐うどんという一品料理では高々数百円しか取れない。讃岐料理として一定のフォーマットを確立すれば1万円、2万円という値段が取れるのである。そして讃岐料理として看板を掲げて外国人にもわかりやすくする。てっぱいとか、マンバのけんちゃんとか、イイダコの煮つけとかカンカン寿司とかオリーブ牛を出す、もちろん締めは讃岐うどん。

そんな総菜みたいなものに高いお金を出す奴はいないと思うかもしれないが、我々が外国に行って高いお金を出して食べている代物も大抵は地元の家庭料理だったりするわけで、遠慮する必要はない。要は環境と器と盛り付け方の問題である。

あと重要なのは味付けである。味の濃い薄い、辛い辛くない、脂っこい脂っこくない、酸っぱい酸っぱくない、こういう特徴を出していくとカテゴライズができやすくなる。というか中華料理は料理の品名というより味でカテゴライズされている。

また、これは1店舗2店舗やっただけではだめで、やはり○○料理を掲げる店が一定数あるから価値が出るのだと思う。変に利権化せずにゆるーく○○料理を掲げる店、できないかなぁ。

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