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JC論:中長期ビジョン作成でやるべきこと

中長期ビジョンの作成にあたって、中長期ビジョン作成のポイントを押さえたうえで、最低限以下の項目を行っておく必要があります。

0、使われ方を考える
ビジョンは作っただけでは紙切れ以下です。まず始めににどう使われるかを考えて作る必要があります。LOMの指針となるだけでなく、拡大やパートナーシップなど、誰がどういう形で使うのか、使う人目線で考える事から始めましょう。

1、基本テーマを決める
地域のニーズの調査を行い、基本的なテーマを5つほど出しましょう。テーマの議論が長引くといつまでたっても決まらないので、なるべく早くテーマ決めを行いテーマごとの議論を深めた方が有効です。

ただし、あまり抽象的すぎるテーマや具体的すぎるテーマは好ましくありません。経済の活性化というだけではあまりに抽象的すぎますが、「新幹線を誘致する」というのは具体的すぎです。もっと地域のニーズに近い「広域の交流人口を増やす」とか「産業の誘致」というテーマを設定するべきです。新幹線だけが、交流人口の増加や産業誘致につながるわけではありません。できるだけ面白い運動ができるように、ここにチャレンジすると面白いという分野を設定しましょう。

これはチームで集まってブレインストーミングをすることが有効です。ある程度それぞれで地域の問題を調べたうえで集まって、KJ法などを使ってアイデアを集約していきましょう。思い込みでモノを言わないように「ファクトフルネス」は読んでおきましょう。「イシューから始めよ」などを読んでロジカルシンキングに多少理解があると進みやすくなります。また、ファシリテーターについては奈良県の資料がよくまとまっています。

2、調査を行う
テーマが決まったら、担当を分けて調査を行いましょう。1人ですべての分野に精通するのは難しいので、担当を分けて専門家を育てましょう。重要なのは本を読むのではなく、人を探すことです。本を探し始めるときりがありませんし、玉石混交がはなはだしいものです。

その分野に詳しい大学教授や行政担当者、シンクタンクなど、その分野に詳しい人をネット等を使ってリストアップして、人に聞きに行きましょう。本はその人に紹介してもらったものだけ読めば十分です。

人に聞きに行ったら、必ず報告書を作りましょう。報告書は長い必要はありません。せいぜい5行程度で構いませんが、①もっとも主張していること②関係者の名前③書籍や論文のタイトル、を書いておきましょう。

3、文章にまとめる
文章にまとめる上で重要なのはまずキーワードをそろえることです。初めから文章を書き始めると、長く冗長なものになりがちです。キーワード出しを行って、絞り込んでいく作業を行いましょう。

絞り込みに当たっては、何の益になるかを考えると整理がしやすくなります。
・公益(広く一般)
・メンバー益
・JC益(組織益)
・つながり益(JCに限らずつながりができるという益)
・パートナー益(パートナーにとって益がある)
キーワードと益を表にして、2~3以上○が付くものを選びましょう。大した益にならないことは考えるだけ時間の無駄です。

キーワードをできる限り少なく絞り込んでから、文章を作りましょう。「企画力」や「言葉ダイエット」などを読んでおくといいでしょう。別にレベルが高い文章を書く必要はありません。できるだけ人の心を動かせるように、簡潔に書けば十分です。

4、アドバイスを受ける
一通りできたらアドバイザーに持って行って意見をもらいましょう。できれば、1~3をできるだけ早く回して、アドバイザーから意見をもらったらもう一度1~3を回せるぐらいのタイミングで持って行くのが良いと思います。

アドバイスは一度議事録に起こしてから議論しましょう。アドバイザーによって当然言うことは変わってくるので、ある程度並べて議論しましょう。

5、コンセンサスを作る
ある程度出来上がったら、全員の同意、コンセンサスを作りましょう。理事会構成メンバーなどに草案を送り、一人ひとり電話して説明しましょう。こういうことは正解がないので会議で議論するものではありません。事前に意見をもらって個別につぶしていきましょう。ご意見最もというものは直してしまうか、直しづらいときにだけ会議で意見してもらいましょう。

ビジョンはコンセンサスが大事です。強烈に反対する人が一人でもいたら、その項目は外した方がいいかもしれません。でもそうなる前に説明を尽くしておくべきです。

6、綺麗にまとめる
ビジョンは使われなければ意味がありません。そして使われるビジョンを作るためには、見た目のきれいさはとても重要です。ここは予算をかけるべきところです。

その他

中長期ビジョン作成のポイント

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