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2024年古宇利島豊年祭の記録映像を制作しました

素晴らしい自然環境や独自の文化など、観光のイメージで日本に留まらず世界中の方に求心力のある沖縄。訪れる観光客のみなさんが求める非日常は、この土地に生まれ、育ったみなさんがつくられている日常に支えられています。

沖縄はむかし、「字」(あざ)の単位が行政区として用いられ、現在の市町村名に続く「区」は、この字の単位がそのまま使われています。

いま観光の文脈で大きな注目を集める古宇利島も、字の単位で暮らしと文化が保たれてきたローカルのひとつ。古宇利大橋がかかるまでは離島であった「字古宇利」。本来的にこの島に古くからある文化を伝えていく、そのことを観光コンテンツとしても機能させていく想いを共にし、さまざまな取り組みをご一緒させていただいています。


地域とともに生きていく方にとってのプライド、豊年祭

字には現在も続く地域を保っていくための様々な行事があります。古宇利島では、年に10を超える神事や字単位での地区清掃など、字の単位でどのような取り組みをあるかを知ることは、現在の観光の動線ではなかなかふれることのない沖縄のローカルを知る機会だなと感じています。

そんな様々な行事のなかでも、特に関わるひとが多く、プライドとして保たれている行事が豊年祭です。豊年祭はいまでは古くからの共同体を維持することが難しい地域では開催自体が中止されてしまう、隔年開催になってしまうなども起きていますが、それでも多くの字では毎年、それは、そこに暮らすかたが、わたしたちの暮らし、文化を守り継承していく願いの具体として引き継がれています。

2024年の字古宇利の豊年祭は、演目と呼ばれるプログラムの数はぜんぶで24。このプログラムを披露するために、約2ヶ月、仕事帰り古宇利公民館に集まり、練習の時間がありました。きっと昔はこの時間自体が字に暮らすかたの相互理解を深める場所だったんだろうなと想像し、豊年祭を毎年行うこと自体が、字を保つ大切な機能を持っていたのだと想像します。

そんな豊年祭の動画を、古宇利島の文化を保つため映像として残したいというご相談いただき、映像の撮影と編集、およびみなさんが見れる状態にするお手伝いをさせていただきました。


撮影とみなさんに見てもらうための工夫

豊年祭は夕方、公民館で集まり、背後に神社などでいうところのご神体がある、その手前で営み自体が奉納となるように設置された「神アサギ」と呼ばれる舞台がメインの会場になります。

舞台となる神アサギ
空に少し虹がのぞいていたんですね
公民館にみんなで集合し、「道ジュネー」でまたみんなで歩いて向かう


固定カメラを3台、撮影チームとして3人をアサインし、総撮影時間は80時間ほどとなりました。

豊年祭は多くの地域で「長者の行列」とよばれるプログラムからスタート
大人も子どもたちも大活躍するのが古宇利島の豊年祭

無事すべてのプログラムが終了したところから、わたしたちの本番がはじまります。膨大な量の撮影データをプログラムごとにフォルダ分けを行いはじまる編集作業。80時間を超えるデータを最適な部分で切り出し、編集したスタッフには頭が上がりません。ありがとう。

見ていただく際のチャネル共通に使えるアイキャッチをつくり、編集が終わった映像のテイストを崩さないようにデザインも行なっていきます。

共通イメージは夕日をバックにした道ジュネのデザインを採用

地道な編集作業を重ね、80時間以上の動画を2時間30分に編集し、完成。動画はみなさんに見ていただけるように、DVDへの焼き込みとYoutubeへのアップを行いました。

DVDは古宇利に暮らすみなさんを中心に手にとっていただくとのこと、Youtubeの映像はみなさんに見ていただけますのでぜひご覧いただけますとうれしいです。


古宇利はじめ、字のみなさんからお任せいただくお仕事はすべてのプロセスで、わたしたちにとって、古くから脈々と受け継がれてきた文化の一部を見させていただくプロセスとしてその場に身を置き、作業をさせてもらっています。

回数を、時間を重ねるごと、もっとできることが増える予感もしっかりとあります。大きな波紋とするためにも、いま目のまえで起きていることを受けとめながら、できることに集中し、それはきっと、これまで沖縄を支えてこられた先達のみなさんがきっとそうしてこられたように、粛々と、その瞬間にできることの目一杯を重ねていきたいと思います。


2024年度 古宇利島豊年祭 映像制作

制作 今帰仁村古宇利島
撮影編集 やんばるDesign Studio COuSA






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