プラスチックは英雄だった!?
お昼時に、ピーナッツ(コメダに出るような個包装のやつ)をつまんだ…。
ポリポリポリ…。
一瞬、感触が『ガリッ!』になった。
完全個包装のお菓子の袋に異物でも入っていたのかな?
どうせ毒物でもあるまい、と飲み込んだ。
何か口の中に違和感…。
鏡を見て驚いた。
小学生の頃に治療した虫歯の詰め物が無い!
いや、その跡が黒い!!
さらに、歯が一部欠けてる!!!
『な? なに?』
洗面台に急行して口を大きく開けてみても、もう一度歯磨きしてみても、現実は変わらなかった…。 もうこうなったら仕方ない、近所の歯医者に行くしかない…。
40年ぶりの歯医者に
「あー、取れてますね。 C1ですかね…。」
「ちょっと削りますよ…、痛かったら手を上げてください。」
キュイーン、キュイーン
「はい、嚙んでみて、歯ぎしりしてみて。」
近所の歯医者だったが、空いていたこともあり、予約の電話を入れてから30分もしないうちに全ては終了した。
「もうこれで大丈夫です。 何を食べても結構ですよ」
『これでお終いですか?』
「はは、詰め物なんかいずれ取れるものですから。」
40年も同じ詰め物だったことが奇跡だったのだろう、まさか歯の欠片と共に胃袋に落とされて役目を終えるとは…。
プラスチックすごいぜ!
帰宅して調べてみたら、CR(コンポジットレジン)というヤツが目に留まった。 初期の虫歯で通院が不要なのだから、きっとそうなのだろう。
で、材料が「複合プラスチック」だってぇ!
SDGs界隈では、悪者扱いされている「プラスチック」が、歯の治療では英雄だったなんて!
実は、プラスチックの歴史のなかで、「象牙の代替品として生まれた」という側面がある。 あの時、象を守るためのプラスチックが、今や自然を壊している…。 とも言われるが、私は今日からプラスチックの弁護人になる。 なにせ、私はプラスチックに健康を守ってもらったのだから…。
「プラスチックが悪いんじゃなくて、人間が悪いんじゃないか!」
ただ、このCRは強度には難があるそうだ。
まぁプラスチックだもんな。
こいつは40年も持つことはないみたいだ…。
まぁ、自分の体の方が40年も持たないだろうが…。