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いまさら聞けない時計のこと|Vol.4 振動数
どうもこんにちは
この「いまさら聞けない時計のこと」シリーズをマガジンにしました
良かったら読んでみてください。
※この記事は時計を知っている人向けの記事ではありません
みなさんは「振動数」という言葉をご存じだろうか?
この機械式時計で振動数の数字が高いと、時計の精度が高いと言われていますが、実際はどうなのか簡単にご説明いたします。
何が振動してるの?
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機械式時計の内部にあるテンプというパーツが動いてる数の事です。
テンプとは、調速器と言われる機構のパーツの一つで、ゼンマイが巻き上がった後に、解ける速度を一定に保つパーツの事で、まさに時計の心臓と言っていいパーツです。
この「テンプ」が1時間や1秒間に動いた数を「振動数」と言います。この振動数が高いほど、時計の精度(時刻が狂いにくい)がよくなります。
1時間の振動数が28800だった場合、これを1秒間あたりに換算すると8振動になります。毎時でいう場合や、毎秒でいう場合があります。振動数を測る測定器等は毎時の数値で表示されます。
ロービート?ハイビート?
時計メーカー各社が様々なムーブメントを作ったりしていますが、大きく分けると以下の数値の物が多く、それぞれのメリット・デメリットがあったりします。
毎時18,000振動(毎秒 5振動):ロービート
ETA社というムーブメントメーカーが作っているムーブメントや、アンティークのムーブメントにも多い振動数。大型のアンクルと大型のガンギ車でしっかりと作動を制御するので安定性に優れ、機械に大きな負荷を与えないのが特徴です。
毎時21,600振動(毎秒 6振動):ロービート
オーデマピゲやパテックフィリップ等の世界三大時計ブランド等の時計がこの振動数の事が多いです。精度を向上させる事により、ロービートでも精度が高く、摩耗が少ないムーブメントを作り上げています。
毎時25,200振動(毎秒 7振動):ロービート
オメガのコーアクシャルという機構を取り入れてるムーブメントの振動数がこの25200振動です。28800振動まで出せるポテンシャルはあるが、内部の摩耗を少なくする為、あえて振動数を落としてるとかいないとか・・・
毎時28,800振動(毎秒 8振動):ハイビート
現在、機械式時計の自動巻きタイプの基本となる振動数がこの28800振動です。ロレックスの時計の振動数もだいたいこの振動数になっています。
毎時36,000振動(毎秒 10振動):ハイビート
ゼニスの傑作ハイビートムーブメント「エルプリメロ」がこの振動数です。過去にはロレックスのデイトナ等にも搭載されていました。非常に制度の高いムーブメントです。
基本的には28800振動以上からがハイビートと言われます。手巻き式時計は、18000・21600振動の物が多いです。
ロービートは、振動数が少ない事によって、パーツの摩耗が少なく耐久性が高く、故障しにくいムーブメントです。振動数が低いので、調整が難しいのが最大のデメリットです。
ハイビートは、振動数が多いので、部品の摩耗が早く、メンテナンスの回数が増えてしまうのですが、現在では対策もされており故障の頻度は減っています。振動数が高いので精度が良い。
ちなみにクォーツ時計はどれぐらいの振動数があるのかというと「毎秒32,768振動で機械式時計の6500倍」の精度を出します。
クォーツ式の精度の高さはバケモノクラスですね。
振動数は時計のスペック表等にも記載している事が多いので、時計を選ぶ基準の1つにしても良いかもしれませんね。
ではでは。