首山新婦 しゅざんしんぷ

この公案は、一僧の「如何なるか是れ仏」と問うのに対し、首山省念が「新婦驢に騎れば阿家牽く」と答えたもの。新婦は嫁、阿家は姑。嫁が驢馬に乗り、姑が手綱をひくのはあべこべであるが、その無心の境地を看取しなければならない。新婦と阿家とが一如であって、その相好の上に光明を放っている。この二者が一体になっているところ、どちらが嫁で、どちらが姑であるか、少しも見分けがつかないところに生仏一如の姿があらわれている。これを客観的に見ずに自己にこの面目をあらわすのが、この公案の眼目である。(『禅学大辞典』より)

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