『仮面ライダークウガ』第3話感想
第3話 東京 (その1)
九郎ヶ岳の遺跡を作った人たちが独自の文明というか文化を長野で築いていたという設定、諏訪神社をめぐるアレコレを想像しちゃう(週刊少年ジャンプ連載中『逃げ上手の若君』を読みながら)
ぼんやりとした、揺らめく炎の中、響く声。
「見ててください!オレの!変身!」
長野県警警察病院。午前9時過ぎ。ということは、第1号を倒して割と早めに運ばれてきたのだな。
病室のベッドで目覚める一条刑事。腕時計で時刻を確かめ起き上がろうとするが、体の痛みに顔が歪む。良かった、一条刑事も人の子だった!
上半身を起こし、あたりを見回す。ワイシャツのボタンが全開で、体に巻かれた包帯が見える。あばら骨にヒビは間違いなく入ってるだろうな。
一条刑事は横の机の上に1枚のメモを見つけ、手に取って読む。メモは五代雄介が書いたもので、五代雄介の声と文面の映像とで内容が分かる。
字が可愛い。書き方も可愛い。笑顔から何から、全部可愛いとか、五代雄介、恐ろしい子……!
メモを読み終わり、炎の中でクウガに変身する五代雄介の姿を思い返しながら、一条刑事は厳しい顔つきで、五代のメモをギュッと握った。カッコいい……(←語彙崩壊)。
OP。第3話から、登場人物が増えて、役者さんの名前もたくさん出てくるけど、役名があるのはごくわずか。相変わらず潔い。
東京駅。
新幹線からホームに降り立つ桜子さんと五代雄介。たった一日なのに、色々ありすぎて、東京の空気が懐かしい五代。五代がこれからの予定を桜子さんに尋ねると、「とりあえずいったん帰りたい」と、桜子さんは歩きだしてしまう。
ベルトの古代文字について調べてほしかったのにと言う五代に、「ごめん、勘弁して」の言葉を残して先に行く桜子さん。五代も受け入れ、桜子さんを追ってホームを離れるのだった。
桜子さんの昨日からの出来事を振り返ると、東京から長野に急いでやってきて、共同研究者が大勢亡くなったことを知らされ、エグイ動画見せられて、謎の生命体に襲われて、友人が謎の姿に変身して、喫茶店で徹夜して、友人が行方不明になって、急きょホテルを探して、お通夜に行って、友人が行方不明になって、東京にお昼前につく時間の新幹線に乗って帰ってきた(つまり朝が早い?)……そりゃあ早く帰って休みたい。お疲れ様です。
東京・渋谷。桜子さんと五代が東京に着いた頃。
かの有名なスクランブル交差点を歩く、金髪の若い(?)男。東京都とはいえ、まだ時節柄寒かろうに、むき出しの腕には何かの爬虫類を思わせるタトゥー。ギョロギョロと目玉だけを動かし、周囲をうかがっては、まるでトカゲのように舌を出し、不敵な笑みを浮かべて交差点を渡り切る。
白いスカーフを首に巻いて、裸に三角柄のベストとか、服装がロックというか奇抜。その奇抜な衣装で最後のロングカットをスタイリッシュにこなした役者さんは素晴らしい。
長野県警本部。午後1時少し前。
エレベーターから降りてくる一条刑事。第3号による教会前での事件現場にいた年配刑事と顔を合わせる。そのまま移動しながら、その後の捜査の話。一条刑事の提案で第3号の事件現場に警察犬を連れて行ったが、怯えまくって年配刑事のコートを台無しにしたと、ズタボロになったコートを見せながら話す。
彼はそのまま愚痴るように、宇宙人なのか何なのか、少なくともこの世のものじゃないと言って歩み去っていく。深刻な顔をして、何かを考えている一条刑事。カッケェ(何度目)。
同じころ。東京・新宿。
いかつい男が、町中をしかめっ面で眺めまわしている。視線の先では、電車や自動車が様々な音を鳴らしながら行き交っている。苛立たし気に(普通の人間ではないこと、また彼の気分を強調するように照らされる赤のライト!怖い!)腕を掻くが、掻かれた左腕にはタトゥーがある。
いくら新宿とはいえ、そこまでではないだろとツッコみたくなるほどクラクションやら何やら車が出す騒音が響き(おそらく彼にとってはそれくらいうるさい)、彼のイライラもそれにつ入れてヒートアップし、ついには叫び出してしまう。
彼の仮の姿の衣装に、上半身裸でチェーンにサスペンダーを思いついた人は、天才でしょ。
さらに同じころ。豊島区・わかば保育園。
園庭に入って、「お前ら元気だったかー!」と五代雄介が声をかけると、わらわらとちびっ子たちが寄ってくる。子供たちの後を追って、保育士たちも集まってくる。その中の一人が、五代雄介に「お兄ちゃん」と声をかける。挨拶をかわす二人。
五代の妹、みのりちゃんの初登場シーン。初々しい!実に初々しい!カワイイ!
保育園内の教室。
ちびっ子もその担当の先生たちも集まって椅子に座っている。その前で、五代がおもちゃを3つ見つくろって、ジャグリングを披露する。沸き起こる拍手。横で兄の様子を笑顔で見つめるみのりちゃん。カワイイ。さすが五代雄介の妹。
こちらも同じころ。長野県警・鑑識課。
第1号の分析結果についての説明を受ける一条刑事。初めてのことなので、体組織やクモの糸の詳細な分析結果はまだ出ていないが、血液成分については結果が出ていると告げ、第1号の血液成分の分析結果を見やすくした円グラフをパソコンのモニターに出す。そして、きわめて近い血液の円グラフを出す。
画面を一時停止してみると、受付日とか報告日のデータもあって、第1号は割と木っ端みじんだったはずなのにどうやって血液取ったんだとか、血液が採取された日がもしかして第1号の命日かとか、余計な妄想がはかどる。
「確かによく似てる」と納得し、クモの血かと尋ねる一条刑事。しかし説明をしている鑑識課の男性は、淡々とクモに赤血球はないと否定する。彼はゆっくりと一条刑事を振り返り、しかしやはり淡々と告げる。
「これは、人間の血です。」
その言葉に身じろぎし、一条刑事は静かに、もう一度モニターに視線を送る。一条刑事本人は、そんなに大きな動きはしてないんだけど、この時のBGMの効果で彼の中での衝撃が伝わってくるし、ホラーサスペンス感を盛り上げるのに一役買っている。
と、緊張感が高まったところで、その2に続きます。
初出:2021年7月7日 2024年5月2日加筆修正
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