『仮面ライダークウガ』第6話感想
第6話 青龍 (その4)
杉並区。
未確認生命体第6号が、一人の警察官ののどを締め上げている。地面にたたきつけると、うつぶせになった警察官の背中を力いっぱい踏みつける。苦しみと痛みに警察官が身をそらせて叫び、だらりとまた臥せってしまう。他にもスーツ姿の男性が何人か倒れ伏して身動きしない。
少し離れた場所に停めた覆面パトカーの陰では、一条刑事が高性能ライフルを構える。狙いを定めてタイミングを計っていると、胸ポケットに入れた携帯電話が鳴る。チラリとそちらに視線をやる一条刑事。本当に彼は、拳銃とかショットガンとかライフルとか似合うねえ。
携帯電話の音に振り向く第6号。目をスコープに戻し、もう一度狙いを定める一条刑事。すると、第6号が「撃ってみろ」とでもいうように、両腕を広げてゆっくりと向かってくる。本当にコイツは、しぐさの一つ一つがアメリカンというかバタ臭い(←めっちゃ死語)。
もちろん、2連発でお見舞いしてあげる一条刑事。
受け止めて無敵っぷりを誇示するのかと思いきや、まるでウルトラマンか仮面ライダーのごときポーズで高くジャンプする第6号。
ひとっとびで一条刑事が盾にしていた覆面パトカーの屋根に飛び乗ると、至近距離で発砲しようと身構えた一条刑事の銃の筒先を手で薙ぎ払い、そのすきをついて拳銃を発砲した警察官を蹴り倒し、そのまま踏みつける。
倒された一条刑事が体を起こし、もう一度ライフルを構えようとする。
第6号が片手でライフルの筒先を、もう一方の手で一条刑事ののどをつかむや、そのまま覆面パトカーの後部の窓ガラスにたたきつける!粉々に砕けるガラス!痛みにうめき声をあげる一条刑事!地面に落ちるライフル!
肩を押さえてもがき苦しみながら、一条刑事が仰向けに地面に転がる。
第6号は覆面パトカーの車体の下のヘリをつかむと、ゆっくりと持ち上げる。車体もそれに合わせてゆっくりと斜めになると、倒れたままの一条刑事に迫ってくる。
倒れた姿勢のまま、車の下敷きにならないように一条刑事は必死に体を動かす。やがて完全に片側を第6号に持ち上げられた覆面パトカーは、裏返って一条刑事の上に覆いかぶさってくる。
響く一条刑事の叫び声!ずっと鳴ってる携帯電話の呼び出し音!確かに出てる場合じゃないね!
城南大学・考古学研究室。
ラジオからはニュースが流れ続ける。唇をかみながら、桜子さんは電話を切り、じっとニュースに耳を澄ませる。
すると、第6号が代々木7丁目付近を逃走中という新情報が入ってくる。
それを聞き、確認するように逃走中の場所を口にすると、桜子さんは勢い良く立ち上がり、研究室を駆け出していく。
つけっぱなしのパソコンのモニターには、解読された古代文字の文章が表示されている。
外に出て、大学の構内に停めてある自分のスクーターに駆け寄る桜子さん。ヘルメットをかぶり、鍵を差し込む。エンジンをかけると、颯爽と駆け出していく。平成ライダーには、乗り物を操る女性キャラもたくさん出るな、そういえば。令和ライダーも受け継いでほしい。
代々木付近。
地面に放り投げられる警察官(仮にその1とする)。建物の上には、腕組みをして態度デカい第6号が何か言っている。地上では、二人の警察官(その2・その3)が第6号に向けて発砲し、別のもう一人の警察官(その4)が倒れたまま動かない警察官その1に声をかける。
第6号が警察官その2に向かって飛び降りた勢いで蹴りを食らわせる。吹っ飛ぶ警察官その2。着地した第6号は警察官その3の拳銃を掴んで地面に転がす。そして、警察官その4へと近寄り、腕を取って立たせると、警察官1から引きはがすように放り投げる。
その第6号の背後に向けて、立ち上がった警察官その2が銃弾を何発かお見舞いするがもちろん効果はない。振り返った第6号は、何発も撃ち込まれる銃弾を気にすることなく警察官その2に歩み寄ると、その顔をわしづかみにして持ち上げる。
なんと、第6号が飛び蹴り食らわせてからここまでがワンカット!皆さんお疲れ様です!素晴らしいアクションです!
グググ、と力を込めた後、警察官その2をクルリとぶん投げる第6号。警察官その2は地面にたたきつけられ、もがくのも一瞬、気絶したのか動かなくなる。
第6号が振り向き、銃を構えていた警察官二人(あいにく、どっちがその3でどっちがその4なのか分からない……)を立て続けに襲撃。
一人は裏拳を食らってあえなく撃沈。残った一人も発砲するが、第6号はズンズン近づいてきて銃を片手でつかみ、そのまま地面に転がす。
仰向けになった警察官は、それでも逃げることはせず、せまりくる第6号に向けて拳銃を構える。
道路を疾走する一台のバイク。
第6号が寝転ばした警察官ののどを片手で締め上げながら持ち上げ、もう一方の手で顔をわしづかみにする。
駆け付けたバイクに気づき、第6号は警察官を離して放り出す。
何と、そのまま第6号に突っ込んでくるバイク!それはもちろん、我らが五代雄介操るトライチェイサーだ!
激突寸前、第6号が一歩後ずさったものの、トライチェイサーを片手で止める。五代はエンジンをふかすが、第6号はびくともしない。余裕をぶちかますように小首を傾げながら五代に何かを話しかける第6号。本当に仕草がいちいちバタ臭いw
五代はなおもエンジンをふかしてトライチェイサーを動かそうと、つまり第6号をブッ飛ばそうとするが、第6号の手を動かすことさえできない。タイヤからはアスファルトとの摩擦熱で煙が上がり、排気筒からも排気ガスが大量に吐き出される。
すると、第6号が不意にジャンプする。押さえるものがなくなったトライチェイサーが前進するのに合わせ、第6号が五代に蹴りを食らわせる。構える間もなかった五代はそのまま後ろに吹っ飛ばされ、仰向けに倒れる。ああ、乗り手のいなくなったトライチェイサーよ、どこへ行く……(多分すぐそこに倒れてる)。
慌てて体を起こす五代。そのまま襲ってくると思われた第6号は、再び宙に飛び上がると、五代が見ている前で姿を消してしまう。第6号を探しに駆け出す五代。
走って噴水のある広場まで第6号を探しに来た五代。辺りを見回す五代に、またしても上から第6号が跳び蹴りをくらわし、また別の高い所へと着地する。上から見下ろしてくる第6号を見ながら立ち上がり、五代がクウガに変身する。
第6号が襲ってくるが、変身は発動されたので、五代の体がパーツごとに変化する。その色は赤ではなく青。
どう見たって「ha!」と小馬鹿にしているような第6号。自分の腕を見て「いきなり青か!」と五代がつぶやく。
青色だと力自体は弱いことを知っている第6号は、ためらうことなく青いクウガに襲いかかり、蹴り転がす。
クウガが第6号の腹を蹴り飛ばす。第6号が広場の階段の上まで飛びすさったすきに、クウガは立ち上がって身構える。互いに距離を取ったまま、攻撃のタイミングを計る。
時ににらみ合い、攻撃を仕掛け、立ち位置が入れ替わってはまた再びにらみ合い、場所を変えては肉弾戦をし……を繰り返すクウガと第6号。しかしパワーの差が出始め、徐々にクウガが押され気味になる。
なす術がなく、珍しく「分からない……どうすればいいんだ⁉」と追い詰められる五代。
さて、青いクウガはどうなってしまうのか?桜子さんは間に合うのか?そして一条刑事は無事なのか?など気になることは盛りだくさんのところでその5に続きます。
初出:2021年8月7日 2024年5月2日加筆修正
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