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『仮面ライダークウガ』第3話感想

第3話 東京 (その4)

 東京・文京区内。午後5時過ぎ。
 どこかの地下通路に集まってきた男3人、女1人。男3人は、先に東京各所に現れていた中々なファッションセンスの彼らである。
 彼らと彼女は近づくと、それぞれの手の中にあるものを見せ合う。一枚の赤いバラの花びら。お互いを見つめあう4人。流れる不穏な空気。

 そこへ、大きなバイクに二人乗りしたヤンチャな青年たちがやってくる。普段は彼ら二人のたまり場なのか、4人にイチャモンを付ける。振り返る4人。見るからにヤバそうなのだが、イチャモンを付けたほうの青年が、勢いのまま突っかかっていく。ダメだって、逃げてぇぇぇ!と心で叫ぶ私。

 なんと命知らずなことに、青年が4人組の中の女に目を向け、ショートパンツから伸びた生足を素手でペチンとたたく。その様子を、止めるでもなくニヤニヤとバイクに乗ったまま見ている、もう一人のヤンチャ青年。
 ウン、お前らやっぱりやられてしまえ。

 女の足にある、ヒョウの形のタトゥーをペチペチしながら、気安く話しかける青年。じろっと見る女。
 女が腰を落とし、青年に膝蹴りをぶちかます。青年は勢いよく飛んでいき、通路の天井にぶち当たって、そのまま地面に落ちる。くたっと横を向いた顔はきれいだったが、目は見開かれ、一言も発さずピクリとも動かない。青年役の俳優さんの死体っぷりに感動する。

 何もなかったかのように、無感動に立っている4人組。バイクに乗った青年は、叫びながら元来た道をバイクで戻っていく。女性が変身し、バイクの後を追っていく。お手並み拝見と言わんばかりに見送る男たち。

 長野。バラのタトゥーの女にお仕置きされてる第3号。彼女が変身を解くと、第3号はぐったりしたように押し付けられた柱の根元にうずくまる。
 彼を見下ろし、何かを告げ、「トーキョー」と言いながら、バラのタトゥーの女が赤いバラの花びらを渡す。恐る恐る受け取る第3号。

 さらに彼女が何事か告げると、思わずといった風情で立ち上がり、何かを言う第3号。言葉は分かんないけど、叱りつけるバラのタトゥーの女。第3号に何かを説明している。何を言ったんだよ、第3号。

 何事とか何かって、もどかしい……やはり解説ブログかディアゴスティーニかBlu-rayBOX(以下略)。

 バラのタトゥーの女が第3号に話している間、一条刑事が物陰から狙いを定める。いざ、撃つぞという瞬間、携帯の着信音が!ハッとそちらに目をやる一条刑事。銃を取り出す前に電源切っとけ!(このころにマナーモードが存在したかどうか、覚えていない)

 着信音に、そろって振り向くバラのタトゥーの女と第3号。何とも言えない色のライティングで、人間じゃない感が倍増。怖い。一条刑事に第3号が駆け寄る。
 一条刑事は立ち上がり、第3号に銃を向ける。その手を第3号が掴む。そのまま発砲する一条刑事。なんて度胸!

 ここで、わざわざ拳銃だけのアップを入れるセンスよ……。銃口から立ち上る煙、排出される薬きょう、カッコいいですね!

 銃弾は第3号の顔をかすめ、その頬に傷をつける。しかし、その傷は一瞬で消えてしまう。
 第3号は掴んでいた手で一条刑事の拳銃を持っている方の腕をねじり、もう一方の手で、一条刑事の首を絞めつける。苦しむ一条刑事。

 すると、バラのタトゥーの女が歩み寄ってきて、第3号を制止するように声をかける。不満げに、乱暴に一条刑事を突き放す第3号。
 一条刑事はそのままの勢いで後ろにあったコンクリート製と思われる壁か柱に背中からぶつかり、痛みのあまり叫ぶと、そのまま地面に倒れ伏してしまう。立ち去るバラのタトゥーの女と第3号。

 苦しみながらも二人の後ろ姿を目で追いかけ、自分の命を奪わなかったことに、「何故だ?」と問いかける一条刑事。
 再び携帯が鳴る。痛みをこらえながら、電話に出る。一瞬の間があって「またお前か!」と苛立たし気に言う一条刑事。つまり、さっきも同じ相手だったのか。しかし一条刑事に「お前」と言われる人って……。

 長野県警。例の警官が、一条刑事に電話をかけてきたのだ。用件は一時間前に山梨県警のHシステムがとらえた、高速道路を東京方面に向けて移動する、妙な影について。ハッとする一条刑事。「もし東京に出たら……あいつが……!」そういって、一条刑事はよろよろと身を起こすのだった。

 一条刑事付き(よく考えたら直属の部下でも何でもなく、部署が同じだけで、彼が勝手についてきてるだけかもしれない)の一条刑事好きな警官、大事な用事で電話かけたのに怒られて可哀そう。しかし彼も、一大事なので冷静に用件だけを伝えててやっぱり警察官だなあと感心。そして電話が切れた後、しょぼんとしてるんだろうなあ、きっと。がんばれ。

 東京・文京区内。茗荷谷駅付近。夕方6時前というころ。
 五代雄介が時計をちらりと見て、駅の中へ駈け込もうとすると、大きな物音が聞こえ、思わず足を止めて振り返る。叫び声も聞こえる。そちらに向けて走り出す五代。

 路上に倒れたバイク。同じく道に倒れ、逃げる青年。さっきの二人連れの生き残りの方だ。怯える彼の視線の先には、青年を追いかけてきた変身後のヒョウのタトゥーの女、つまり未確認生命体第5号。
 第5号がじわじわと青年に迫ってくる。怖い。恐怖のあまり叫ぶ青年。それを遠くから確認する五代雄介。

 同じころの長野。市街地に戻ってきた一条刑事が、桜子さんに電話をかけて五代に連絡が付いたかどうかを尋ねる。「ダメですか」と言い、駆け出していく。

 東京。生身で助けに入る五代雄介。

 長野。「早まるなよ、五代!」と言い、走る一条刑事。

 東京・茗荷谷駅付近。生身のまま戦い続ける五代。当然相手にならず、吹っ飛ばされる。

 東京・別の場所。
 未確認生命体の情報に、現場に駆け付ける数台のパトカー。中年の一人の刑事が「確保より射殺を優先」と無線で本部からの通達を伝えている。つまり、五代ヤバい。

 東京・茗荷谷駅付近。
 余裕しゃくしゃくな第5号と、なおも生身で立ち向かい、あっさりかわされて、地面に倒れこむ五代。意を決して仰向けになると、腹というか腰に手を当てる。浮き出るベルト。ぎょっとする第5号。

 五代は立ち上がると、変身の構えをとる。ここで初めて「変身!」と叫ぶも、何かを察知した第5号が邪魔して突き飛ばす。
 しかし、もう変身モードは発動したので、襲い掛かる第5号に攻撃をし、再び立ち上がったころには完全に赤い戦士の姿に。にらみ合う第5号とクウガ。よぉしやったれ!

 と、その時!車のライトがクウガを照らし出す。鳴り響くサイレン音とともに、何台ものパトカーがやってくる。戦い続けるクウガと第5号。その周りをびっしり取り囲むパトカー。無線でも、第4号と第5号の2匹がいると連絡が飛ぶ。

 おろおろするクウガ。その間にも警官やら刑事やらがパトカーから降りてきて、そのままパトカーの陰からクウガと第5号に拳銃を向ける。
 さらにやってくるパトカー。戦う第5号とクウガ。

 先程の中年刑事が後から来たパトカーから降りてくると、先に到着していた刑事や警官たちに誰がどっちを狙うか指示を出す。「了解!」の声とともに、狙いを定める警官や刑事たち。それを見ているクウガ。どうなってしまうのか、クウガ!

第3話 完。

 ……はあ、緊張感半端ない!オンタイムで見ていたら、一週間悶え続けるしかないね!

 バラのタトゥーの女は、美女だよねえ。いいよねえ。第3号は何か、変態が増してたねえ。いいねえ。そして相変わらずドジだったねえ。愛されてるねえ。

初出:2021年7月7日 2024年5月2日加筆修正

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