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『仮面ライダークウガ』第2話感想

第2話 変身 (その3)

 さて、五代、桜子さん、一条刑事のこの段階での人物像や関係性が分かってきたところで、第2話の中盤となります。

 長野市中御所・サンマルコ教会。
 明るい日差しを浴びて、昨日の不気味さはどこへやら。しかし、開きっぱなしの車のドア、アスファルトに散乱した小物たちの映像が、昨夜に起きたことを示す。

 事件現場に到着する一条刑事。先に到着していた年配刑事に挨拶する。一条刑事は自分が呼ばれた理由を尋ねる。ここで改めて、一条刑事は捜査一課二課とかではなく、別の課(私の聴力だと警備課)に所属していると……オンタイムで見ていて、ちゃんとそこまで分かった人どれくらいいるの?私、2周目にして初めて気が付いたんですが……。

 年配の刑事が、被害者の傷の形状について話す。何かに噛まれたような小さな穴がのどに二つ付いていて、詳細は司法解剖待ちだが、それ以外に致命傷らしきものは何もないという。

 被害者の総数は昨夜だけで5人。あの女性以外に、あんな目にあった人たちがあと4人もいたのかと思うと怖いし悲しい。
 そして、こんな目にあった人がたくさんいる!いいのか、お子様向けなのに!朝の番組なのに!と驚かされる流れは、キッチリ今後も描かれる。制作サイドの肚の座り方スゴイ。

 事件現場を観察する一条刑事に、年配刑事が昨日の生き残りの可能性について尋ねる。第1号も第2号も口の形状は違うと一条刑事が答えると、今度は光に弱いかどうかを尋ねてくる。短く否定し、年配刑事に「なぜです?」と問い返す。

 すると年配刑事は信じていないと前置きして、怪物に襲われた酔っ払いがいるのだが、彼によると怪物は朝日を見て逃げたという証言を明かし、空に目をやる。同じように見上げた一条刑事が、何かに思い当たったかのように視線を下ろしてつぶやく。「まさか……第3号……?」
 驚いて振り返る年配刑事。一条刑事を見つめ、また自分も考え込むように下を向く。一条刑事も、そのままの姿勢で何かを考えたまま黙っている。

 規制線の外。野次馬に混じって事件現場をうかがう五代。視線の先には現場を捜査している一条刑事たち。
 五代がふと目を周囲に向けると、これから幼稚園に登園すると思しき女の子とその母親が別の方向から通りかかる。女の子と母親は、今朝の異変について話す。

 母子の会話から、神父様はこの二人が通りかかる時間には特別な用事がない限り教会にいること、事前に休むときには予告するきちんとした人であること、そして何より重要な、今朝はこの二人と会わなかったことが分かる。「クモに襲われていたらヤダなあ」と、ほぼ予言というべき不安を口にして、二人は遠ざかる。二人をずっと見ていて、会話をずっと聞いていた五代、何かを察したような決意したような表情になる。

 しばらくして。一通り駐車場での捜査が終わって警察が撤収したころ。
 五代がやってきて、教会の正面入り口をノックする。ドアノブに手をかけるが、鍵がかかっていて開かない。首を傾げる五代。通常、神父や牧師がいる場合は、教義上教会の鍵はかかってないはず……と浅い知識の底を探る私。

 ということで、五代は当然、教会の裏手に回る。鉄則!すると、鍵のかかってない窓がある!鉄則!王道!そして開いていたなら当然、そこから侵入する!
 てなわけで、左右の様子をうかがって窓から入る五代。窓辺に置いてある彫刻が、こうやったら不気味に見えますよって言う見本のように緑のライトで照らされてるの、ホントに怖いんですけど……!

 教会内部。ドアを開けて五代が入ってくる。
 入ってきたところは広い礼拝堂。ステンドグラスを通して様々な色の柔らかな光が礼拝堂の中に陰影を生み出し、大きな十字架が壇の上で発光しているかのごとく輝いている。

 本来は幻想的で神々しいのだが、BGMが不安感を煽るようなパイプオルガンを使った曲なので、見ている側にはホラー感しかない。
 慎重に、周囲を見回しながら礼拝堂の様子を探る五代。礼拝堂内の異様な雰囲気を表すかのように、宗教画やパイプオルガンが映るとき、カメラが細かく揺れている。ヤダ~こっちまで緊張する~!

 こっちとは違って全然平気そうな五代。五代が何かに気づいて動きを止めた瞬間、扉を細く開けて、上目遣いで礼拝堂の様子を見つめる男が!だ~か~ら~、ライティングの仕方と言い、緑色の具合と言い、絶妙に怖いんだって!!初めて見た時、本当にびっくりしてドキッとしたもん!

 若干、いやだいぶ異様な雰囲気の神父の様子に、さすがの五代も一瞬固まる。しかしすぐに気を取り直して、神父の名を口にして呼びかける。おそらく神父の名はホセと思われるが、それにしてもどこで誰に聞いて神父の名を知りえたのか。さすが1999の技を持つ男。

 名を呼ばれ、およそ神父とは思われぬ荒々しさで扉を開け、大股で歩み寄ってくるホセ神父(仮)。しかし、ステンドグラスから差し込む光にうっかり入ってしまい、明らかに慌てた様子で光の外へと後ずさり、忌々しげに窓を見る。ドジっ子め。

 神父の様子をじっと見ていた五代。やけに五代の姿だけくっきりはっきり見えるなーと思ったら、五代はステンドグラスから差す光のど真ん中にいて、前後左右天井からと、ホセ神父(仮)は、どこからも近寄れない。
 これは、五代雄介と、彼が戦う未確認生命体たちの絶対的な違いというか相容れなさとかを端的に表していて、本当にここのスタッフさんは皆さん素晴らしい。あと単純に光の中の五代雄介は美しい。

 絶対にそんなことないだろ、と視聴者全員が思ったであろう「お元気ならいいんです」という言葉をかけて、光の中から出て行く五代。分かってるのか分かってないのか、光を挟んで元来た扉に向かう。
 五代がふと振り返ると、光を挟んだ向こうの影の中で仁王立ちしているホセ神父(仮)。立ち方が怖い。そのまま祭壇脇の扉に向かう五代。

 ホセ神父(仮)が耳のピアスを弾きながら、クモ型生命体と同じ言語で呟く。その声が聞こえたのかどうか、ハッと五代が礼拝堂の中を振り返ると、ホセ神父(仮)の姿が音もなく消えていた。さすがに驚き、けげんな顔をして礼拝堂を出て行く五代雄介。

 そして、彼が出て行った扉のそば、燭台がたくさん置かれた祭壇の陰では、視聴者の予想通り、ピクリとも動かぬ、むき出しになった本物のホセ神父と思われる足が……本当にホラーの王道ですねえ(泣きながら)。

 一応、場所については本編の字幕を確認しながら書いていますが、うっかりして間違うことがないとは限らないので今のうちに謝っておきます。
 誤字・脱字もないように気を付けているつもりですが、それも今のうちに謝っておきます。そんなことがあった時は本当にごめんなさい。

 というわけで、思った通りというか何というか、これだけ長く書いておきながら、その4へ続きます。

初出:2021年7月2日 2024年5月1日加筆修正

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