『仮面ライダークウガ』第6話感想
第6話 青龍 (その3)
一条刑事と五代雄介のやせ我慢の仕方がそっくりでしたね。一条刑事が自分で似た者同士というだけのことはあります。みのりちゃんの肚の座り方も、さすが五代の妹ですね。
警視庁・未確認生命体関連事件特別合同捜査本部。午前10時ごろ。
一条刑事が監察医(つまり椿秀一)からの報告について説明している。
昨日の都内での異様に発生した墜落事故の被害者には不思議な共通点があること。墜落外傷の特徴である辺縁性出血が、現場の高さから考えると不自然なほどに鮮明に表れているが、それは落下が始まる段階で、強い外力が加わったためであること。
杉田刑事が一条刑事を見ながら言う。「ヤツらが関与しているのは間違いないな」その言葉に一条刑事はうなずく。
一条刑事が続ける。もう一つ、この墜落事故には共通点があるという。「煙と、風向きです」
キーボードを操作し、モニターに画像を出す。それは、建物の向こうにニョキッと立つ大きな煙突の写真だった。さらにモニターは切り替わり、工場のマークとバツ印が目立つざっくりした地図と、事故に関するざっくりした内容が書かれた表などになる。
工場の横には扇形の物が表示されるが、それが表に記された風向きが変わると、扇形の物は場所も形も変わって表示される。合わせてバツ印の位置も変わる。
一条刑事の説明によると、墜落事故というか未確認生命体による事件は、一定の範囲内で発生しており、しかも工場の煙が流れてくる場所は見事に除かれているという。
杉田刑事が「その条件でいくと、ある程度出る場所が特定できることになるな」と言う。さすがベテラン、話が早い。
話が早いどころか仕事も早いのが一条刑事で、すでに局地的なシミュレーションを行い(!)、なんとこの日の出現予想場所まで割り出している!モニターには、予想範囲として丸で囲まれた場所が表示される。
警備部長(かな?)が立ち上がり、出現予想範囲を固めるとことを決断し、そこにいた全員に頼むぞと呼びかけると、力強い返事が返ってくる。それで会議は終了となり、会議に参加していた刑事たちは資料を手に立ち上がり、本部を出て行く。
一条刑事も未確認生命体対策のために出発しようと歩き出した時、警備部長に呼び止められる。返事をして向き直った一条刑事に、警備部長が言う。「高性能ライフルが配備されている。持って行け」
一条刑事は力強くハイと答え、警備部長の前を去っていく。以前の回に出ていた装備が実際のものになったってことだね。
それにしても一条刑事、煙と未確認生命体の関係に気づいたのが朝7時前で、朝の7時過ぎに電話をかけたりかけられたりした後から、この会議が始まる前までにデータをまとめてシミュレーションして出現予想範囲をざっくりとはいえ割り出すとか、どこの部署に何をどうお願いしたら、そんな早業でやってもらえるんだろう(さすがに全部自分でやってないだろう、と思う)……未確認生命体たちと違う意味で怖い、怖いよ!
ポレポレ店内。
カウンター席に座った五代雄介が、青いキャップの調味料入れを手に取り、カウンターの上の赤いキャップの調味料入れと交互に見ながら「どうしてああなっちゃったんだろう……」とぼやいている。
青キャップの調味料入れをカウンターに置き、今度は赤キャップの調味料入れを手に取りながら「確かに赤のままじゃ勝てなかったけど……」と再びぼやくと、手にしていた調味料入れを元の場所に戻して、カウンターに突っ伏す。
二つの調味料入れを見つめながらため息をつく五代に、おやっさんが声をかける。「そんなに悩むな」という言葉に、五代は体を起こしておやっさんを見る。
おやっさんは両手に抱えた段ボールをカウンターに置くと、調味料入れを交互に指して言う。「こっちか、こっちか。それはその時の状況次第だ」
おやっさんの指先に目をやっていた五代が「ええ?おやっさんもしかして何のことか分かってるの?」というように、おやっさんの顔を見る。
だがしかし、おやっさんである。おやっさんは赤いキャップの調味料を手にするとソースをカレーにかけるほうが主流かもしれない、と大真面目に言う。そして青いキャップの調味料をもう一方の手に取り、続ける。でも、しょうゆにはしょうゆの良さがある、ソースにはない良さが、と。
それを聞き、五代はがっくりうなだれる。「逆だよ、おやっさん」おやっさんは苦笑いを浮かべて両腕を交差させると「そーっすか」などとおやじギャグを言う。つられて笑う五代。
五代はおやっさんに「何となく吹っ切れた」と笑顔でお礼を言う。おやっさんも笑みを浮かべてうなずくと、調味料入れをカウンターに置き、小指を立て、一瞬間をおいてから小指を折り、親指を立ててみせる。おやっさんの小ネタに噴き出す五代。笑顔可愛い。それにしても沸点低いぞ、五代。
城南大学・考古学研究室。ラジオの音声が流れる中、自分の席に座った桜子さんは、もう迷いもためらいもなく、キーボードを操作して、古代文字の解読を進める。
都内。サイレンを鳴らしながら走る覆面パトカー。運転しているのは一条刑事で、無線で他のパトカーに異状がないか確認すると、無線を切る。
ポレポレ前。
玄関周りを掃除する五代雄介。続いて駐車場の掃除に取り掛かると、トライチェイサーが無線をキャッチする。一条刑事の声が聞こえると、五代は掃除する手を止め、無線の内容に聞き入る。
一条刑事がさっきとは別のパトカーに呼びかけ、そのパトカーに乗車中の警官または刑事が応答しようとした時、驚き慌てたような声をあげる。どうしたと聞く一条刑事。大井町付近でバッタ型の未確認生命体=第6号らしき影を発見という連絡に、一条刑事が急行すると応じる。息をのむ五代。
店の方を振り返り、中にいるはずのおやっさんに向けて「ゴメン、掃除はまた今度」と謝ると、せわしなくヘルメットをかぶり、トライチェイサーにまたがり、発進する。
城南大学・考古学研究室。
ラジオではMCと女性アーティストのトークが流れる中、桜子さんが解読作業に集中している。青い色に関わる様々なキーワードを入力しては、検索結果を確認する。何回か繰り返して、ようやく青い戦士につながりそうな文章がヒットする。
その内容を確認し、桜子さんは携帯電話を手にし、どこかへ電話をかける。何回かの呼び出し音を聞き、苛立たしそうに電話を見つめる桜子さん。鳴り続ける呼び出し音。
その時、ラジオから未確認生命体に関する緊急ニュースが報じられる。ニュースの内容を聞きながら、焦った様子で「一条さん……!」とつぶやく桜子さん。
つまり、先ほどから一条刑事に電話をかけているが、取り込み中のために出られない模様。
さて、一条刑事は今、どこで何しているのか⁉というところでその4に続きます。
初出:2021年8月7日 2024年5月2日加筆修正
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