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『仮面ライダークウガ』第7話感想

第7話 傷心(その1)

 暗い部屋(後で字幕が出るけど、警視庁の一室)の中。
 瞬きせずにじっと見つめる二つの瞳。カメラはその目元を左側からアップで映したまま、ゆっくりと正面に移動する。時折明滅する光で、一条刑事の目なのだと分かる。

 視点が一条刑事の背後に切り替わる。彼の正面では、九郎ヶ岳の遺跡で第0号が暴れまわるビデオ映像が流れている。机に両肘をつき、両手を組み合わせて口元に当てて、微動だにせず見ている。

 この冒頭30秒近く、音声はビデオ映像から流れる第0号の言葉と調査員たちの悲鳴だけ、映るのはビデオ映像と一条刑事だけ。しかも一条刑事はため息一つ漏らさず動きもしない。それをカメラワークと一条刑事のキャラクターとBGMでもたせてるの、本当に何度目か分からないけど、製作サイドの肚の座り方にただただ恐れ入る。

 杉田刑事が部屋に入ってきて、また第0号の映像を見ているのかと声をかける。一条刑事は「原点に立ち返れば何かが見えるかと思って……」と答える。
 また、ということは今までにも一条刑事は何度か録画を見ているし、杉田刑事は一条刑事のその様子を何度か見かけているのだろう。ワーカホリックな若手をそれとなく気に掛けるベテラン刑事……ステキ。

 「捜査本部が組まれて3週間で7匹、そのうち俺たちがやったのはたったの1匹だ」と少し悔しさをにじませて杉田刑事が言う。そして少し穏やかというか優しさを含んだ声で「いつまでも4号におんぶにだっこじゃ、まずいよな」そう続けて、一条刑事の前にいくつもの新聞紙を並べる。

 その一面には「未確認生命体の死亡」という大見出しとともに、第4号=クウガの写真や目撃情報がそれぞれ載っている。
 とある新聞には「第13号の死亡確認」の見出しがつけてあって、第6号の後にさらに杉田刑事の言葉通り、7体出現したことがちゃんと分かるようになっている。本当に時間の使い方が上手い。
 むしろ、そのうちの1体をどうやって一条刑事や杉田刑事たちが倒したのかを知りたい。

 並べられた新聞紙に視線を落とすと、一つ舌打ちして一条刑事はビデオ映像を止める。苛立たしそうにため息をつき、視線を逸らす。そんな表情もカッコいいよ、一条刑事……。

 そこへ、場違いなくらい元気で明るく一条刑事の名前を呼びつつ、女性警察官が入ってくる。
 長野県警から届いたファックスを届けに来たという彼女は、急に叫んで一歩後じさる。何かと思えば「今日もイケてますね!ネクタイも顔も♡」と心の声をダダ洩れさせる。
 見ているこっちは首がもげるほど縦に振りながら、正面切ってなかなか言えないぞ、とも思う……強いな。

 彼女は一条刑事と話すたびにこんなことを言っているのか、杉田刑事が「またかよ」という雰囲気を出してスラックスのポケットに両手を突っ込みながら背を向けて静かに一歩離れる。杉田刑事もカッコいいよ、とその背中に心で声をかける私。

 言われた一条刑事も一度下を向き(うなずいてるわけじゃないと思うけど)、改めて女性警察官に顔を向ける。杉田刑事の様子にお構いなく、女性警察官は笑顔でファックスの束を一条刑事に手渡す。一条刑事は礼を言って受け取り、ファックスに目を通す。
 女性警察官は、そのままあっけらかんと内容について一条刑事に尋ねる。重ね重ね強い。

 彼女のグイグイっぷりを気にしていないのかどうなのか、一条刑事は教えてくれる。優しい。内容は、長野県警に依頼した第0号についての報告書だという。読み進める一条刑事。

 OP。榎田さん、初クレジット。杉田刑事、いつクレジットされるんだ?

 ポレポレ店内。朝8時30分。
 明るい日差しの中、窓辺に置かれた客用テーブルで、五代雄介が熱心に針仕事をしている。昔ながらの糸切はさみで糸を切り、それまで縫っていたものを持ち上げて仕上がりを確認すると、嬉しそうに「できた!」と叫ぶ。

 カウンターで新聞を読んでいたおやっさんが顔を向け、「何だ、それ?」と尋ねる。
 五代は「クウガのマークだよ!」とドヤァと答える。そしてドヤァと言わんばかりに、五代が縫っていたものがアップになる。黒のベストに、金色の糸でクウガの紋章を刺しゅうが施されている。上手だな。

 「くうがぁ?」とおやっさんが大きな声で聞き返す。五代は席から立ち上がると、いそいそと刺しゅうをしたベストを手におやっさんの前にやってくる。しかしさすがはおやっさんというか「くうが」と聞いて思い当たった人物について語り始める。話が一段落するまで待ってる五代がカワイイ。

 おやっさんの話が終わるとすかさず「違うよ!」と、手で自分の体をたたきながら「オレオレ、オレのこと!」と主張し、刺しゅうをおやっさんの目の前にかざす。
 「オレ?」と聞き返され、笑顔でうなずきながらさらに刺しゅうを近づける五代。「くうが?」とまた聞き返すおやっさんに、うんうんとうなずく五代。そのまま見つめあう二人。

 しばらく見つめあった後、おやっさんはくるっと顔を背けると、わざとらしく「さあ、仕事だ」と言って新聞を折り畳みながら立ち上がる。全然信じてもらえてないwww
 おやっさんの反応に不満があるものの、五代は切り替えたように「オレも桜子さんに見せに行こうっと」とベストを着ると、おやっさんの呼びかけを無視して、いそいそと店を出て行く。

 五代と入れ違いに、一人のスーツを着た男性が店に入ってくる。見たことある顔だなと思ったら、なんと、極楽とんぼの山本さんだった!初めて見た時ビックリした。後でOP見返したら、ちゃんと名前が書いてあった。

 天井に翼竜の骨格が展示されている、博物館らしき施設のフロア。
 ウロコ模様のセットアップの未確認生命体が、小型ラジオを手にしてダイヤルを回している。興味津々にのぞき込む第3号と上半身裸でチェーン付きサスペンダーでパンツを吊っている未確認生命体。
 第3号が「ラーギーオー」と言うと、セットアップの未確認生命体が「ラジオー」と訂正するように言う。

 周波数が合い、ラジオのニュースが流れてくる。女性アナウンサーが「未確認生命体は人間とは違う未知の生命体である」という警察の公式発表を読み上げている。
 セットアップの未確認生命体が、そのニュースを聞き、鼻で嗤うと「ミ、カ、ク、ニ、ン、セィ、メィ、タイ」と言って、他の二人を見る。「何のことだ」としか聞き取れない彼らの言葉で、サスペンダーの未確認生命体がセットアップの未確認生命体に言う。

 セットアップの未確認生命体、いつの間に手に入れたのか、それとも私が気が付いていなかっただけなのか、頭にゴーグルをつけている。よし、セットアップより分かりやすいので、ゴーグルに変えよう。

 セットアップ改めゴーグルをつけた未確認生命体が、第3号とサスペンダーの未確認生命体、そして自分を指しながら「オレたちのことだ」と彼らの言葉なのか舌っ足らずの日本語なのか分からない言語で言う。
 第3号はカチンと来たように息を吐き、耳のピアスを触る。サスペンダーの未確認生命体は何も言わないが、ギロリと目をむく。

 そこへ、バラのタトゥの女が、見慣れない3人を引き連れてやってくる。その4人が間近にやってきた途端に、サスペンダーの未確認生命体がバラのタトゥの女に突っかかる。新参者のうち、シースルーのシャツを着た男性姿の未確認生命体が前に出て、サスペンダーの未確認生命体の体を押し戻す。

 シースルーシャツの未確認生命体が何か言う。口調は静かだが、明らかに挑発していて、サスペンダーの未確認生命体が「何だとぉ!」としか聞こえない言葉を叫んで、シースルーシャツの未確認生命体のチョーカーを掴む。シースルーシャツの未確認生命体も負けじとサスペンダーを掴み、二人はにらみ合い引っ張りあいながら、少し離れた場所へ移動する。

 間合いを取り、にらみ合うサスペンダーの未確認生命体と、シースルーシャツの未確認生命体。互いに息遣いが荒くなり、やがてサスペンダーの未確認生命体が人間体から怪人体へと変身する。シースルーシャツの未確認生命体もまた、同じように変身する。

 2体がぶつかり合うまさにその時、バラのタトゥの女が指を鳴らす。取っ組み合い寸前の体制で2体の動きが止まる。バラのタトゥの女が何かを言いながら、一枚の紙(もしかしたら巻物?)を示す。

 その紙には、未確認生命体たちの人間体にあったタトゥと同じマークが描かれている。
 紙の向かって左側には今まで出てきた未確認生命体のもの、右側には視聴者でさえ未確認のものが描かれている。左側の一番上にはサイのマークだけがある。並び順は何かのランク付けを表しているのか、一番下がコウモリ、コウモリのすぐ上がカメレオンで、その二つの横や上には合計9個のマークがあるが、それらには線が引かれている。
 消されているのが倒された未確認生命体だとして、第3号は生きてるし、2号と4号はクウガで……あれ?数が合わないぞ?

 サスペンダー=サイ型の未確認生命体が紙を見て、何かを言う。新参者のうちの一体である金色のジャケットを着た未確認生命体が、わざわざ彼に近づいて「フン」と嘲笑う。
 サイ型の未確認生命体が素早く振り返って睨みつけるが、金ジャケットの未確認生命体は全く意に介さず、今度はバラのタトゥの女の背後に回り込むようにゆっくりと歩きながら彼女に話しかける。しかし、表情一つ変えないバラのタトゥの女。

 金ジャケットの未確認生命体は、前にも出てきた赤い装飾カバー付きのボードを手に取って、何本かの線を書き足す。それを見てバラのタトゥの女は笑みを浮かべる。
 彼女が、第6号が手首に付けて何かを数えるのに使っていた腕輪(第6号が使っていたものなのか、別ものなのかまでは分からない)を金ジャケットの未確認生命体の目の前にかざすと、彼はそれを手に取って見つめる。
 バラのタトゥの女が彼のそばまで歩み寄り、指輪についている牙のような爪のような装飾品を彼の胸元に当てる。

 情報量多いな……でも切りが悪いんだよね……。ものすごく長くなって申し訳ないのですが、その2に続きます。

初出:2021年8月19日 2024年5月2日加筆修正

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