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右半身の沈黙、心の叫び~脳出血から20年、家族と生きる軌跡~

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〜2月17日 17:00


それでも、陽はまた昇る

運命の岐路

46歳、人生の盛りにいた。
仕事は順調で、家庭も平和だった。
その日も、いつものように朝から働き、午後には重要な会議に臨んだ。
しかし、その会議中、突然、私の世界は暗転した。
激しい頭痛とともに意識を失い、気がつくと病院のベッドに横たわっていた。
医師の口から告げられた言葉は、「脳出血」。そして、「右半身麻痺」という厳しい現実だった。
それまで当たり前に動いていた右半身は、まるで私の体から切り離されたかのように、全く動かなくなってしまった。
それは、私の人生を大きく変える、運命の岐路だった。

閉ざされた右半身

右半身麻痺は、私から多くのものを奪った。
歩くこと、字を書くこと、服を着ること、食事をすること…
それまで容易にできていたことが、全て困難になった。
リハビリは、過酷な道のりだった。
思うように動かない右半身に、何度も絶望した。
痛みと疲労に耐えながら、毎日、リハビリ室で汗を流した。
「もう、元の体には戻れないのか…」
そんな不安が、常に私の心につきまとっていた。
しかし、それでも諦めなかったのは、家族の支えがあったからだ。

心の闇へ

身体の障害に加えて、心の病も私を苦しめた。
右半身麻痺という現実を受け入れられず、次第に心が沈んでいった。
何をするにも気力が湧かず、一日中、ベッドの上で過ごすようになった。
医師からは「うつ病」と診断された。
心の中に、まるで底なし沼のような、深い闇が広がっていくのを感じた。
その闇の中で、私は孤独に苛まれ、出口の見えない迷路を彷徨っていた。
生きる意味さえ見失い、ただ時間が過ぎるのを待つ毎日だった。

幻聴と妄想の支配

うつ病の治療を続けていたある日、私は奇妙な体験をするようになった。
誰もいないはずなのに、誰かの声が聞こえたり、実際には存在しないものが見えたりするようになったのだ。
最初は気のせいだと思っていたが、その症状は日に日にひどくなっていった。
病院で再検査した結果、「統合失調症」と診断された。
幻聴や妄想に支配される毎日は、私を混乱の渦に巻き込んだ。
現実と虚構の区別がつかなくなり、私は、ますます心を閉ざしていった。

家族の光

そんな絶望の淵にいた私を、救ってくれたのは、妻と息子の存在だった。
妻は、私がどんな状態であろうと、いつも優しく私を支え、励ましてくれた。
息子は、私が苦しんでいる時でも、笑顔を絶やさず、私に希望を与えてくれた。
二人は、私が心の闇に迷い込んだ時、いつも私の手を引き、光の方向へと導いてくれた。
「お父さん、大丈夫だよ」
その言葉が、私の心の支えとなり、再び生きる力を与えてくれた。
家族の愛は、どんな困難も乗り越えることができる、最強の光だった。

迷路からの脱出

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