FX戦略検討~ローソク足の分析その1
たけパパです。
少し時間が空いてしまいましたが、今回の記事では少し話題を変えて、
・実体の長さの分布
・ヒゲの長さの分布
・出来高の分布
について分析してみたのでご紹介します。
記事の記載内容には十分注意しておりますが、誤記や認識間違い等あるかもしれませんのでご容赦ください。また、投資助言や勧誘にあたるものではありません。本記事の内容に基づいた投資結果については、一切の責任は負わないものとします。投資は自己の判断のもと、自己責任でお願い致します。
実体の長さの分布
これまでも多くの分析がされていますが、実体の長さがどのような分布をしているのか改めて調べてみましょう。実体の長さなので、ローソク足1本毎の値動きの分布と言い換えることもできます。
EURUSD、1時間足の1年分のデータから、実体の長さの分布をヒストグラムにしてみました。
上図のとおり、チャートの動きが基本的にランダムウォークであることから、値動きは短いものほど頻度が多い、パレート分布になっています。正規分布のように、典型的な長さを中心にして分布するわけではないことが分かりますね。
グラフには平均値と標準偏差(平均+1σ、2σ、3σ)のおおよその位置も描いています。
正規分布であれば平均値が最頻値になりますが、平均値や標準偏差の持つ意味合いは正規分布とは異なります。
ただ、平均や標準偏差に意味が全くないわけではなく、
・正規分布と同じようにほとんどの場合で平均+3σ以内に入る、といったことは言えそうですね。
(ただし、ものすごく大きな値が発生する確率は正規分布よりずっと大きいです。)
パレート分布についてはこちらのサイト様などが参考になります。
ヒゲの長さの分布
実体についてはパレート分布となりますが、ヒゲの長さはどのような分布をしているのでしょうか。
上髭、下髭のヒストグラムを描いたのが下の結果です。
少しバラツキはありますが、上髭・下髭の長さについても、短いものほど頻度が多いパレート分布になっています。
チャートの動きが基本的にランダムウォークであることから、ヒゲの長さについてもパレート分布になることが説明できそうです。
これはEURUSDの1時間足に限った分析ですが、分布自体はどのようなチャートでも同じようになるのではと思います。
ヒゲの平均の分布
上髭・下髭の平均の分布についても見てみましょう。
上髭・下髭それぞれ単独の分布とはことなり、あるピークを持って裾野が伸びるような分布となっています。分散は単独の場合より小さくなっています。
これについては、難解であまり理解できていませんが、こちらの資料に記載がありました。
https://yunavi.lsv.jp/mathnavi/file/Matsuda_R041119.pdf
p48に、「べき分布は安定分布ではないため、平均の分布はべき分布とはならない」旨の記載があります。平均の分布がどんな分布・式に従うのかは理解が追い付いていないのですが、ここではひとまず、上の図のような形になるというように覚えておきます。
出来高の分布
最後に出来高(Tick Volume)の分布です。出来高も、上髭・下髭平均と同じようにピークを持った分布になることが分かります。Tickの動きがパレート分布に従うとして、Tick Volumeは一定期間の値動きの回数の和を取っているので、上記のとおりべき分布とはならないことが説明できそうですね。
平均値が最頻値ではないことがグラフから分かりますが、実用上は、平均+1σより大きい出来高は頻度が少ない、+2σより大きいケースはさらに少ない・・・というように、正規分布の考え方と似た捉え方はできそうです。
まとめ
今回は少し話題を変えて、ローソク足の分析として実体の長さ・ヒゲの長さ・出来高の分布について調べてみました。
いずれも正規分布とは異なる分布になっており、平均値や標準偏差の持つ意味合いは正規分布とは異なることが分かりました。ただ、実用上は平均+1σより大きい値は頻度が少ない、+2σより大きいケースはさらに少ない・・・というように、正規分布の考え方と似た捉え方はできそうです。
ここから直ちにトレード戦略が出てくるわけではありませんが、自分が相手にしている現象をしっかりと理解しておくことが、あとあと役に立つのではないかと思っています。
今回の記事は以上です。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。