人生の最期
老人ホームにいる、98歳の祖母に会いに行きました。
もうここ5年くらいは施設に入ってて、コロナもあったから面会も全然できなくて、会うのはかなり久しぶり。
正直、おばあちゃんは私の生活の一部になっちゃってたから、生きてくれているだけでよかったし、会いたいなぁとか思うこともこれまでそんなになかった。
それでも、今回バスと電車を乗り継いで会いに行った理由は。
もう、おばあちゃんが天に召される日がそろそろ近いから。
夫のおじいちゃんも長生きだったんだけど、長寿の人って食欲がすごくある。
おばあちゃんも、90過ぎてもめちゃくちゃご飯食べてた。それが、ここ数ヶ月は自力で食事が取れなくなりかなり衰弱してきたらしい。
こうなると、そこからは速いんだって。
だから、まだ意識のあるうちに面会をしておいた方がいい、と看護師さんからお話があったのだ。
数年ぶりに見るおばあちゃんは、骨と皮だけになってしまっていたけど(元々太ってた)
耳はよく聞こえていたし、話しかければゆっくり返事をしてくれた。「はい」とか「そうですか」としか言ってくれなかったけど。もう、私が誰かは分からないみたいだった。
認知症とかじゃなく、もうだいぶ意識もぼんやりしてるんだと思う。
胃ろうをするか?って話もあったけど、もう高齢だから自然に任せようという話にまとまった。
だから、あとは静かにその時が来るのを待つだけ。
うちのおばあちゃん、すごいなーと思うのは、98歳だけどほとんど病気らしい病気してないの。あと、孫の私が羨ましくなるほど美肌(私はもうアラフォーよ)。シミ皺全然ない。
母親に聞いてみたら、
「おばあちゃんて昔からちゃんと化粧品使ってケアしてたからね。」
だって。
そんなことも全然知らなかった。おばあちゃんの人生を私は全然知らない。
子供8人も産んで大変だったんだろうなと思ってたし、おじいちゃんはすごく気難しい人だったから、色んな苦労はあったんだと思う。今話題になっている宗教もやってたよ。高額献金はして無かったみたいだけど。よくお祈りをしてたのだけははっきり覚えている。
おばあちゃん、私が施設の部屋に入る時、独り言を呟きながら笑ってたの。
それ見て、あぁいよいよ危ないなと一瞬思ったけど、
大きな病気もせず、何か楽しい夢を見ながら「いい人生だったなぁ」って思いながら植物が自然に枯れるように逝けたら
めちゃくちゃ幸せだよね。
現実と妄想の区別がつかなくなってもこの際どうでもいいなって思った。
私のこと思い出してくれなくても別にいいから、そういう風に天寿を全うしてくれたらいいよね。