見出し画像

農業を推進するにあたってまずやるべき事

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202112/24nourin.html

農地転用許可申請の手続きに携わらせていただく事が多いです。その中でも農業との共生をはかる、営農型発電設備、ソーラーシェアリングと呼ばれる、ソーラーパネル化で農業をやる手法はカーボンニュートラルを目指すにあたっても相性がそこそこいい農業形態です。ソーラーシェアリングの始まりは2013年3月31日に農林水産省が発出した通知「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」により、太陽光パネル下で農業を行う指針を打ち出し、それを受けて本来建築物は農地に建ててはいけないという建築基準法上の例外規定として、国交省が2014年に「農地に支柱を立てて設置する太陽光発電設備の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」にて、

1.特定の者が使用する営農を継続する農地に設けるものであること。 
2.支柱及び太陽光発電設備からなる空間には壁を設けず、かつ、太陽光発 電設備のパネルの角度、間隔等からみて農作物の生育に適した日照量を保
つための設計となっていること。

2つの条件を満たせば、太陽光発電設備を建築物としてみなさないという決まりになった。

こんな感じで規制緩和はされつつあるが、法人が農業に参入するにあたってはまだ法律が追いついてない感は否めない。

例えば、観光農園一つやるにしたって、ソーラーパネル下では特定の者が農業を営む事というルールから外れてしまう事から認められないとか、防災用に通常のビニールハウスよりも強固な素材を使った施設だと建築物とみなされてしまってたてられなかったり、トイレ一つにしても、工事現場にもあるような汲み取り式の仮設トイレは認められていても、糞尿を肥料として循環させるようなバイオトイレは建築物になってしまうなど規定にないことはなかなか実施を認められないのが実態です。営利を目的とする法人が農業をおこなって行くには施設にそれなりのしつらえが大事になってくるものだ。
特に耕作放棄地、荒廃農地なんていうのは接道なんてあったものではなく、建築基準法上の接道なんて満たしてないから建築物に該当するものを建てる事で、火災などが起きた際に消防車が入れないため災害対応をスムーズにできないと言った理由から立てる事が出来ないと言った理屈はわからなくもないが、ドローン技術の発達で「消火剤投下モジュール」を搭載したものなども開発されているため荒廃農地のような場所なら十分対応できるし、そう言った最新テックのモデルケースとしても使っていけるのではないかと思う。
そう言ったさまざまな可能性を全て法律の網で潰してしまっているのが農業の現状で、効率化を図るアグリテックなんてのは農業をやる人が増えてこそ効果が望めますよね。ロボテックで無人で農業をやらせるにしても、海外ほど広大でなく、個人農家だらけの日本にはロボテックに対するコストに見合ったリターンも望みにくい。また農業の高齢化が進む中後取りを進めたいところだが、農業に希望を持てない若者たちが継ぐのは難しく、どんどん耕作放棄地は広がって行く一方です。外国人の雇用を増やす政策も薄給でキツいという根本のイメージを拭い去らないと農業人口は増えることはない。この解決策としてはまず法人が農業参入しやすいよう各方面の法整備をしていくことだと思う。水資源が豊かな日本は農作物の質は高いものが期待できるため、もっと法人に頼り営利的な側面を強化して行く事で農業復興ができるのではないだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?