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地元にコミットする産業構造
イオンに負けて開眼 スーパーモールラッキーの新戦略:日本経済新聞
今やどこに行ってもイオン系列の施設がある。マックスバリューのようなスーパーやイオンモールみたいな巨大商業施設。私が住んでいる茅ヶ崎市にもクラウン産業株式会社が運営する、「クラウンスーパー」という地元では有名だったスーパーがあって、市内では浜須賀、若松町、香川とあとどこかに1店舗、藤沢市にも一時期出店していたが、2017年に破産。私がお世話になっていた浜須賀、若松町の跡地には直ぐにマックスバリューが居抜きで入ってきた。若松町店はコンビニと同じ24時間営業(浜須賀店は住民の反対だかで、23時まで営業。治安が悪くなるからとか。)で空いている。茅ヶ崎にはイオンモール、イオンスタイルと2つの商業施設もあってか、違和感なくイオン系列は浸透している。若松町店の店内入って直ぐのところには茅ヶ崎市内の農家が生産した野菜や果物も売っていて、市内生産者へのアピールもしている。ネームバリュー、流通や価格で勝負をしたらもはや地元スーパーでは勝つことが困難だろう。
じゃあどこで勝負するの?で大手とは違う角度でアプローチして成功しているのが、秋田県にある株式会社マルシメが運営する地域密着型「スーパーモールラッキー」というローカル感丸出しのネーミングセンスがまたそそるスーパーだ。このスーパーの付加価値戦略は店内にフードコートのように椅子とテーブルを置き、地元の人がただ雑談できる場所を提供しているらしい。ここで気の合う地元民通しが集まり、話が盛り上がり、帰る頃にはここで買い物を済ませて帰ると言ったライフサイクルの一部にこのスーパーに集まるという行動を取り入れる事で賑わいを醸し出し購入者を増やしていくという戦略をとっているようだ。そのために会員限定に無料送迎バズまだしているようだ。また地元の契約農家に店内の売り場を貸す「ファーマーズマーケット」にて、地元の農産物をメインに売り出して行く戦略もとっている。また地元特有で面白いのが、スーパーでなく「地域のハブ」になるというのをテーマに、「マルシメネットワーク」を地元の工務店やガス販売店と組み、地域住民がスーパーモールラッキーに相談した課題を協力して解決する。地域のことは地域の事業者で解決するという輪が出来きているのだ。世の中はDXでどこに行っても仕事ができるから、地域に拠点を置こうみたいな事で、人や企業を呼び込んで地方創生を図るみたいな流れがあるけど、その土地のことはその土地の人や事業者で解決できるようにするビジネスモデルこそ、地方創生の理想的なかたちだと思う。DXはやっぱり手段でしかないんだなと改めて感じました。