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地球愛って何だろう?Ver.1 紺田みずほ

あなたは、地球愛という言葉をご存じでしょうか?いろいろニュアンスが違う使い方もあるようですが、ここでは一番わかりやすく、「地球全体を愛する」という意味で使います。もちろん、地球上に乗っている全ての人々を愛することも含みます。私は、地球上のみんなが地球愛を意識すれば、信じられないほど多くの難問が解決に向かうはずだと考えています。環境問題、民族対立、宗教対立、国境紛争、貧困等、地球愛が十分であれば防げる問題が現状の世界では多いです。地球愛が十分なら地球環境問題にももっと真剣に取り組むはずですし、地球上にはいろいろな民族や宗教や国家があることを認め合いお互いを愛し合えれば対立や紛争は消えて行きますし、貧困者の存在を無視せずに地球上の富を分かち合えれば貧困も軽減されるはずです。

 なぜ地球愛が十分に意識されないのか?理由はいろいろあるでしょうが、一番の理由は、人間は生き物で、欲望に支配されて行動することが多いからです。例えば、親友の彼女が好きでたまらなくなってしまったら、地球愛はもちろん、仕事も投げ出して、平和に尊敬し合っていたはずの友人に戦いを挑んでしまう人だっているでしょう。平和で退屈な日常を放り出して、理性に従わず欲望に支配されて生きることを選択する場合があるのです。明日に世界の終わりが来ても、今宵に彼女との恋を遂げることができるなら、その方が良いと思う心も理解できるのが生き物としての人間の心でしょう。

 しかし、欲望に流されてしまうのが人間だからと諦めて終わりにしたくありません。人間は様々な工夫をして、欲望の暴走を抑え込んで来ました。例えば、衣服の着用などです。人間社会で衣服の着用がなかったら、性的欲望が抑えられず現状より数多くの暴行事件が起こるはずです。下劣な欲望の多くを衣服の着用で止められるのです。地球愛の着用、つまり地球愛をみんなで意識するようになることは、世界中の暴力を無くす意味では、衣服の着用に負けない効果が期待できるのではないでしょうか?ここでは、2024年10月現在のイスラエル情勢を見てみます。

 イスラエル情勢について

 2023年10月にパレスチナ側のハマスの攻撃で火が付いたイスラエル側との軍事衝突で、2024年10月までの1年間でパレスチナ側の死者は2万人~4万人、イスラエル側の死者は約1200人と伝えられている。確かに火を付けたのはハマスの側なのだが、ハマスが怒ったのはパレスチナの人々が10年以上も非人道的な扱いをイスラエルから受けていたこともあり、それは事実なので、ハマスが一方的に悪いわけではありません。イスラエル側にも自衛権があるのは理解するとしても、相手を10倍以上も殺してもなお攻撃を止めないのは過剰防衛と言えるでしょう。

 もともとイスラエルは1000年もパレスチナ人が住んでいた土地を奪い取って力ずくで建国したので、パレスチナ人は心の中では土地を返して欲しいと思っています。イスラエル側は領土を返還する気はなく、心の中では、パレスチナ難民は消えて欲しいと思っています。イスラエルの領土への双方の欲望がむき出しになり、暴力の応酬が続いています。

 このむき出しの欲望に対して衣服の働きをするのが、地球愛だと思います。地球上に一緒に暮らす人間として、私たちはパレスチナ人全員が居なくなることも、イスラエル人全員が居なくなることも望みません。地球愛を意識すれば誰でもそのようなことは望まないはずです。このかけがえのない地球上で、双方に折れ合って穏やかに共存して欲しいというのが、地球愛を意識する人間としての立場です。双方が欲望のとりこになり、戦闘が続く今すぐには効かない薬かも知れない地球愛ですが、双方が幸せになるための答えは、地球愛の中にしか見つからない気がします。地球は一つであり、その上で共存するしかないからです。双方の権力者にも地球愛が意識され、世界の歴史の流れの中で地球愛が重んじられるようになり、権力者自身が歴史の流れの中でどのように評価されるか自分で考えるようになれば、権力者の選択も変わり、世界は現在とは違った姿を見せ、戦争の起こりにくい世の中になるのではないでしょうか?まずは地球愛をみんなが知ることがスタートでしょう。

 イスラエルとパレスチナの問題以外でも、地球愛を意識することは、最初の段落にも書いたように、環境問題、民族対立、宗教対立、国境紛争、貧困に至るまで、幅広い問題に効果があると思います。なお、地球愛という言葉は使わないものの、地球愛にあふれた歌なら昔からあります。1980年の八神純子の「Mr.ブルー ~私の地球~」や2012年の桑田佳祐の「100万年の幸せ!!」などが挙げられます。


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