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憧れの海外生活〜4度目の正直〜

いつからだろう。海外というワードに対し夢を抱き始めたのは。

初めての海外旅行は、高校生の時。
シンガポールとマレーシアへの2泊3間の修学旅行。

拙い英語しか話せなくて戸惑ったり、想像以上に栄えているシンガポールの街並みに圧倒したり、マレーシア料理の味が舌に合わなかったり。

感じたことのない気持ちの対処に追われながらも、初の海外生活をひたすら楽しんだ。

帰りの飛行機では、またいつか異国の地に足を運びたいという欲に駆られた。

次の海外生活は、カナダへの1ヶ月の短期留学。
大学2年生の夏休み。
場所は、バンクーバー島の南部の小さな町、花の都 ”ビクトリア”。

カナダでは、英語を使ったコミュニケーションの楽しさに気づいた。
渡航前に、オンライン英会話で基礎の基礎を話す練習をした甲斐があった。
外国人の友達もたくさんできた。

最も印象に残っているのは、カナダ人の考え方やライフスタイルが日本人のそれらとはとてもかけ離れていること。

バックグラウンドが異なる、あらゆる国籍の人と話したい。

これがモチベーションの源泉になり帰国後も英語学習を継続した。
それと同時に、学生の間に叶えたい新しい夢ができた。

もっと色んな国に行きたい、そして長期間、海外での生活を堪能したい。



帰国してから、数週間後。
ヨーロッパへのバックパック旅のお誘いが、大学の友達から舞い降りた。

思ってもない偶然だった。
1ヶ月という短い期間だけど、ヨーロッパというまだ踏み入れたことのない地で生活ができる。

二つ返事で友達の提案を承諾し、旅の仲間を集め、資金集めのためにバイトに明け暮れた。

夢の生活のために、学校の単位が二の次になるほど、自分の脳内はバックパック旅のことでいっぱいになった。



しかし、次の年の春先。

コロナウイルスのため海外渡航が夢のまた夢となった。
手元に残ったのは、必死に集めた旅の資金、そして海外渡航に対しての欲望だ。

「このままでは憧れの海外生活をせずに学生生活が終わってしまう。」


そこである選択肢が自分の中に生まれた。

1年間休学をして海外で長期間生活をしよう。

隔離の期間が短い、英語の勉強ができる、何かしらのビザで長期間滞在が可能

この3つを条件に、パソコンとにらっめこをしながらリサーチに明け暮れる日々が続いた。

オランダ、シンガポール

自分の検索条件にヒットした国を見つけた瞬間、安心した気持ちで埋め尽くされた。

それからも、エージェントの方たちとオンライン面談をしたり、現地の人から現状や情報を収集したり、さらなるリサーチをしたり。

海外で長期間の生活をするという夢の実現のために、最大限の努力をした。


しかしどういうわけか、当時は弱まりつつあったコロナの猛威が息を吹き返すかのように、感染者を増大させた。

オランダではコロナが再び大流行しロックダウンがまた始まり、シンガポールでは隔離の期間が2週間から3週間に伸び、隔離のために10万円以上のお金が必要になった。

練り上げたプランが総崩れしてくのを目の当たりにして何も言葉が出なかった。


だが目の前の現実に絶望していたのも束の間、ある日Twitterで、ニセコ留学というワードに出会った。


「日本で留学!?」


最初は誰もが抱く疑問を抱いたが、日本で英語を勉強できるなら、日本で海外での擬似生活をできるならば、そしてその環境を長期間手に入れることができるならば。

自分の理想の条件とわずかに違えど、海外に簡単に行けないこの状況を打破してくれるのはこれしかないと思い、ニセコ留学に参加することにした。


この選択は正解だった。


期間は約5ヶ月。自分の想像の10倍は英語を話す日々。

この期間で英語力に自信を持つことができた。英語で自分の考えを伝えるのに躊躇いを感じなくなった。

毎日、あらゆる国籍の人と様々な会話をした。
カナダ、スコットランド、イングランド、イタリア、ブラジル、中国。

中でも最も魅力的に感じたのがオーストラリアだった。

単純にカッコいいアクセント、日本と全く異なるライフスタイル、多様性が好きな国民性。

ニセコ生活の終盤には、「オーストラリアで旅をしたい、あわよくば生活をしたい」。

こんな気持ちを強く抱いていた。


5ヶ月後。2022年8月。

ただの夢となりかけていた学生の間の海外渡航が、バックパック旅という形で現実になった。

しかも自分の全ての理想が詰まった国、オーストラリアで。

ヨーロッパでのバックパック旅、オランダでのワーホリ、シンガポールでのインターン。

4度目の正直。

だからこそ今回のオーストラリア旅行に対しては、ただの観光旅行にしたくないと思った。

オーストラリアの歴史の本を買って、文化的な背景を研究した。

ケアンズ、パース、メルボルン、ゴールドコースト、各都市、長期間の滞在を計画した。

観光地も事前に調べた。

オーストラリアのスラングもYouTubeで勉強した。


将来自分が住みたいと思える場所はどこか?

これの答えを見つけることが、今回のオーストラリア旅の目的だ。

この目的の達成のために、なるべく様々な人と話す、現地の生活に馴染んでみる、そしてあらゆる情報にアンテナを貼る。


時々不安になることもあるけど、楽しみな気持ちの方が勝っている。

4度目の正直で叶った、念願の海外渡航。
学生生活で最後になるかもしれない、長期間の海外旅行。


最後に一言だけ。

夢の海外滞在、思いっきり楽しもう!

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