09．inochiのペイフォワードでつくる未来の循環型社会：超ECO祭2024 訪問記 09
同志社大学 商学部 瓜生原葉子（以下敬称略）研究室（以下瓜生原ゼミ）は、2024年11月09、10日にイオンモールKYOTOで「超ECO祭2024」を催した。なお、私は10日に参加した（[1]）。
inochi WAKAZO プロジェクト（以下WAKAZO）は⼀般社団法人inochi未来プロジェクトの学生支部で、「誰かのいのちのために自分のいのちを大切にする未来社会」を目指す、医学生を中心としたプロジェクトである（[2]，[3]）。
「超ECO祭2024」のブースの1つである「inochiのペイフォワードでつくる未来の循環型社会」で、WAKAZOは「inochiのペイフォワード」を紹介した。
「ペイフォワード」とは日本語で恩送りのことである。
WAKAZOは「いのち輝く未来社会」を実現していくために何が必要なのかを考えた時、共に支え合う共助の精神がいのち輝く未来社会の礎になるのではと考えた。そして、WAKAZOは誰かの命を思い、行動することを、私たちは、「inochiのペイフォワード」と名づけた。
WAKAZOが提案する未来の医療は、お互いがお互いを助け合う循環型の社会を作ることである（図09．01，3，[4]）。
「inochiのペイフォワード」の一環として、WAKAZOは「Life Data Donation」と「LAST WORDS」と言う2つのプロジェクトを紹介した（図09．02，3，[5]）。
「Life Data Donation」は、個人が持っているヘルスケア データを社会に寄付し、他者の命を守ることを目指すプロジェクトである。具体的には献血のような仕組みで、自分のヘルスケア データを提供し、大学や研究機関が研究し、そのことで誰かの命が救われるという新しい「いのちの循環」を生み出すことを目指すものである。
「LAST WORDS」は、人々が「死ぬ前に残したい言葉」を集め、自分の死生観を見つめ直す場をデザインするプロジェクトで、残したい対象は指定しておらず、自身の言葉を集めるものである。参加者自身のLAST WORDSを考えてもらい、死を通じて生について深く考え、自分の命について考えるワークショップなどを定期的に開催している。そして、顔が見える状態で他の人とLAST WORDSを共有することで、他者の命を感じられる機会を作っている（図09．03）。
「inochiのペイフォワードでつくる未来の循環型社会」でも、WAKAZOは掲示板に参加者の「LAST WORDS」を展示した（図09．04）。そして、私は「禄（陸の誤字）でもなかったが、最高の人生だったよ！」（図09．05）という言葉を、WAKAZOに伝えた。
私は生まれて以来自閉スペクトラム症（発達障害の一種で、その中の旧アスペルガー症候群）に苦しめられてきたが、2012年に診断によりこのことが分かったので、前向きに生きられるようになった。それ故、上記の言葉をWAKAZOに伝えることができた。大袈裟な言い方になるが、この言葉は私の魂の叫びでもある。
私はWAKAZOの活躍を大いに期待する。なお、歳のせいか、私は「LAST WORDS」を見て、思わず涙が出てしまった…。
参考文献
[1] 学校法人 同志社 同志社大学 商学部 瓜生原葉子研究室 医療のエコ活動研究会．“超ECO祭2024”．同志社大学 商学部 瓜生原葉子研究室 医療のエコ活動 ホームページ．https://www.medieco.net/%E8%B6%85eco%E7%A5%AD2024，（参照2025年01月01日）．
[2] 一般社団法人 inochi未来プロジェクト．“About us”．inochi WAKAZO プロジェクト ホームページ．https://inochi-wakazo.org/about/，（参照2025年01月01日）．
[3] 一般社団法人 inochi未来プロジェクト．“WAKAZO ホームページ”．https://wakazo-expo.com/，（参照2025年01月01日）．
[4] 学校法人 同志社 同志社大学 商学部 瓜生原葉子研究室 医療のエコ活動研究会．“ブース紹介”．同志社大学 商学部 瓜生原葉子研究室 医療のエコ活動 ホームページ．超ECO祭2024．https://www.medieco.net/s-projects-side-by-side，（参照2025年01月01日）．
[5] 一般社団法人 inochi未来プロジェクト．“Projects”．WAKAZO ホームページ．https://wakazo-expo.com/projects/，（参照2025年01月01日）．