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3-4 ゲームで楽しく学べる!量子コンピュータ体験(量子系物質科学研究チーム):理化学研究所 神戸地区 一般公開2023 R-CCS わくわく「富岳」 その05

2023年11月03日、私は理化学研究所 神戸地区(以下神戸地区) 計算科学研究センター(RIKEN Center for Computational Science:R-CCS)を訪れ、一般客として理化学研究所 神戸地区 一般公開2023 わくわく「富岳」(以下「わくわく富岳」,[1][2])に参加した。なお、神戸地区 一般公開は、神戸医療産業都市 一般公開2023の一環でもある([3])。

「3-4 ゲームで楽しく学べる!量子コンピュータ体験(量子系物質科学研究チーム)」で、量子系物質科学研究チーム(以下同チーム)は、量子パズル アクション ゲーム「QuantAttack(クアントアタック)」を紹介した。このゲームは、ブロックを入れ換えて消すアクション パズル ゲームである。ブロックを消すルールは量子コンピュータの理論に基づいており、プレイしながら量子コンピュータの理論の基本を学ぶことができる。ゲーム内にはチュートリアルのほか、1人プレイ モード、コンピュータとの対戦モードといったモードがあり、さまざまな角度から量子コンピュータの原理に親しむことができる(図05.01,図05.02,[4][5][6])。

図05.01.ポスター「ゲームで楽しく学べる!量子コンピュータ体験」。
図05.02.向かって左から、ポスター「「QuantAttack」の遊び方」と「「QuantAttack」の秘密」。

また、同チームは、量子コンピュータ「叡(えい)」の仕組みと量子ビットを紹介した(図05.03,[7][8])。

図05.03.向かって左から、「量子コンピュータのしくみ」と「量子ビットって、なに?」。

そして、「叡(えい)」の内部システム構造(図05.04)を紹介し、64量子ビット集積回路チップ(図05.05)を展示した([9])。

図05.04.ポスター「超伝導量子コンピュータの内部システム構造」。
図05.05.64量子ビット集積回路チップ。

なお、2021年04月14日、理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 計算量子物性研究チームの前川禎通上級研究員と柚木清司チームリーダー(計算科学研究センター 同チーム チームリーダー、開拓研究本部 柚木計算物性物理研究室 主任研究員)、中国科学院大学カブリ理論科学研究所の藤本純治研究員、グライフスヴァルト大学の江島聡研究員(同柚木計算物性物理研究室客員研究員)とホルガー・フェスケ教授らの国際共同研究グループは、同じ物質において、注入するスピンのスピン分極方向をこれまでと異なる方向に選ぶことで、電流の渦が誘起されることを明らかにしたことを発表した。電流の渦は回転による角運動量を持つことから、この現象は注入したスピンのスピン角運動量が電子の回転角運動量に変換されたと理解できる。また、電流の渦は磁界を伴うことから、この現象は電磁波の新しい発信技術としても利用可能である([10])。

量子コンピュータ初号機「叡(えい)」が切り開く未来を見たくなってくる。 



参考文献

[1] 国立研究開発法人 理化学研究所 神戸事業所.“理化学研究所 一般公開 in 神戸 2023 ホームページ”.https://www.kobe.riken.jp/event/openhouse/23/#outline,(参照2024年05月01日).

[2] 国立研究開発法人 理化学研究所 神戸事業所.“わくわく「富岳」 南エリア”.理化学研究所 一般公開 in 神戸 ホームページ.R-CCS わくわく「富岳」.https://www.kobe.riken.jp/event/openhouse/23/ccs_ja.html,(参照2024年05月01日).

[3] 公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構.“神戸医療産業都市(KBIC) 2023 一般公開 ホームページ”.https://www.fbri-kobe.org/kbic/ippankoukai/2023/,(参照2024年05月01日).

[4] TIS株式会社.“「QuantAttack」 ホームページ”.https://qniapp.github.io/quantattack/,(参照2024年05月01日).

[5] 国立大学法人 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB).“【プレスリリース】TISと大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB)、 量子コンピュータの理論を自然に学ぶことができるゲーム 「QuantAttack(クアントアタック)」を開発し、無料公開”.QIQB ホームページ.News.2023年04月19日.https://qiqb.osaka-u.ac.jp/20230419pr/,(参照2024年05月01日).

[6] 国立研究開発法人 理化学研究所 計算科学研究センター 量子系物質科学研究チーム(Computational Materials Science Research Team).“2023年度一般公開にてチーム展示を行いました”.CMS研究チーム ホームページ.ニュース.2023年11月03日.https://www.r-ccs.riken.jp/labs/cms/2023/11/03/2023%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e4%b8%80%e8%88%ac%e5%85%ac%e9%96%8b%e3%81%ab%e3%81%a6%e3%83%81%e3%83%bc%e3%83%a0%e5%b1%95%e7%a4%ba%e3%82%92%e8%a1%8c%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/,(参照2024年05月01日).

[7] 国立研究開発法人 理化学研究所.“国産量子コンピュータ初号機「叡(えい)」ロゴマークを決定-量子コンピュータのさらなる発展とそれのもたらす未来への希望を表現-”.理化学研究所 ホームページ.広報活動.お知らせ.お知らせ 2023.12月.2023年12月14日.https://www.riken.jp/pr/news/2023/20231214_1/index.html,(参照2024年05月01日).

[8] 株式会社QunaSys.“1-1.量子ビット”.Welcome to Quantum Native Dojo! ホームページ.第1章 量子情報の基礎.https://dojo.qulacs.org/ja/latest/notebooks/1.1_qubit_representation.html,(参照2024年05月02日).

[9] 国立研究開発法人 理化学研究所.“量子コンピュータ開発に挑む若手研究者たち”.理化学研究所 ホームページ.広報活動.クローズアップ科学道.クローズアップ科学道 2023.9月.2023年09月04日.https://www.riken.jp/pr/closeup/2023/20230904_1/index.html,(参照2024年05月02日).

[10] 国立研究開発法人 理化学研究所.“スピン流で電流の渦を作る-新しいスピン流−電流変換現象を数値シミュレーションにより発見-”.理化学研究所 ホームページ.研究成果(プレスリリース).研究成果(プレスリリース)2021.2021年04月14日.https://www.riken.jp/press/2021/20210414_2/index.html,(参照2024年05月02日).

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