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07.バイオロギングで体験!動物と共に生きる未来:「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」見聞録07

2024年06月29日、私は「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」(以下同イベント)に一般客として参加した([1])。

 

「バイオロギングで体験!動物と共に生きる未来」で、2024年01月16日、大阪大学 大学院 情報科学研究科 大学院生の谷垣慶(博士前期課程)、前川卓也准教授、名古屋大学大学院環境学研究科の依田憲教授らの共同研究グループは、野生動物に取り付けておくだけで、その希少な行動を低消費電力に自動発見し、映像撮影するバイオロギング デバイスを世界で初めて開発し、野生の海鳥であるオオミズナギドリやウミネコの効率的な飛行や採餌に関わるであろう希少行動を自動的に撮影したことを発表したことを情報科学研究科 マルチメディア工学専攻は伝えた。

動物に搭載するカメラを備えた既存のバイオロギング デバイスでは、バッテリ重量の制約上、常に映像を撮影し続けることは困難であり、多くの動物の詳細な行動は謎に包まれたままである。例えば、500gの海鳥に対しては、行動を阻害しないために体重の5%ほどのデバイスしか装着できず、その結果2時間ほどの映像記録しかできない。これでは、野生動物の行動の全貌を捉えることは難しく、特に稀にしか見せない行動は発見できないだろう。

今回、研究グループは、消費電力の小さいセンサで動物の希少行動を自動で発見して撮影する人工知能を搭載したバイオロギング デバイスを開発した。海鳥の希少行動を捉える実験では、飛行開始直後に頭を激しく振って体に付着した水分等を除くことで以降の飛行効率を向上させる行動、および、海中の様子を何度も伺ってから効率的に魚を捕らえる行動の映像が初めて捉えられた。興味深いことに、頭振り行動は他種の海鳥も行うことが確認され、種横断的に同じ行動で飛行効率を保っている可能性が示唆された。本技術により、効率的な動物の生態解明が実現されることが期待される(図07.01,図07.02,[2])。

図07.01.「バイオロギングで体験!動物と共に生きる未来」。
図07.02.バイオロギング デバイス。


また、マルチメディア工学専攻は、本研究を題材にしたゲームを紹介した(図07.03,図07.04)。

図07.03.「バイオロギングでゲーム体験!オオミズナギドリになろう!!」。
図07.04.ゲームとバイオロギング デバイス付のオオミズナギドリのぬいぐるみ。


ゲームの成績は散々とはいえ、オオミズナギドリの行動を疑似体験できたことは収穫であった。

このバイオロギング デバイスを用いる動物に関する研究が進むことで、野生動物の生態や行動が詳しく知られ、ひいては、野生動物の保護や生態系の保全に繋がることを私は期待する。




参考文献

[1] 国立大学法人 大阪大学 共創機構.“大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』”.大阪大学 共創機構 ホームページ.NEWS&TOPICS.2024年06月07日.https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/news/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%89%B5dayexpocity-2024%E3%80%8E%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%81%E3%81%8F%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%81%E3%81%8F%E6%9C%AA%E6%9D%A5/,(参照2024年07月03日).

[2] 国立大学法人 大阪大学.“野生動物の珍しい行動を自動で発見・撮影するAIカメラ 動物に装着しておくだけで珍しい行動を自動で発見して映像記録するバイオロギングデバイス”.Research at Osaka University:ResOU ホームページ.自然科学系.2024年01月16日.https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240116_3,(参照2024年07月07日).

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