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第2章 毒の博物館 2-3 動物の毒のいろいろ―有毒哺乳類・鳥類編:「特別展「毒」」見聞録 その09

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した([1])。

同展「第2章 毒の博物館 2-4 動物の毒のいろいろ―有毒哺乳類・鳥類編」([2],[3]のp.52-53)では、有毒哺乳類であるカモノハシと有毒鳥類であるズグロモリモズが展示された。

有毒哺乳類には、カモノハシ、スロー ロリス、ヨーロッパモグラ、トガリネズミ、および、ソレノドンがいる([4])。

中でも、カモノハシの雄は後ろ足の踵部分に鋭い毒針を持っており、敵に猛毒のキックを見舞うことがある(図09.01,[5])。

トガリネズミとカモノハシの毒はタンパク質分解酵素の1種で、神経に作用する毒物である。今後の研究で、新たな鎮痛剤などの開発に発展する可能性がある([6])。

図09.01.カモノハシ。

有毒鳥類の1種であるであるズグロモリモズは、筋肉や肝臓の他、特に皮膚と羽毛に高濃度のホモバトラコトキシン(バトラコトキシン類の1種)を含む(図09.02,3のp.52,4)。

図09.02.ズグロモリモズ。

ズグロモリモズはジョウカイモドキ科の1種(図09.03)を食べることで、その毒を摂取・蓄積する([7])。

図09.03.ジョウカイモドキ科の1種 Choresine sp.。
本標本は実際にズグロモリモズが生息地で捕食している種とは異なるが、ボルネオ島産の近縁種である。
国立科学博物館蔵。

「第2章 毒の博物館 2-3 動物の毒のいろいろ―有毒哺乳類・鳥類編」から、こう思った。「毒を持つ哺乳類や鳥類とは、意外だねぇ」。



参考文献

[1] 独立行政法人 国立科学博物館,株式会社 読売新聞社,株式会社 フジテレビジョン.“特別展「毒」 ホームページ”.https://www.dokuten.jp/,(参照2023年05月14日).

[2] 独立行政法人 国立科学博物館,株式会社 読売新聞社,株式会社 フジテレビジョン.“第2章 毒の博物館”.特別展「毒」 ホームページ.展示構成.https://www.dokuten.jp/exhibition02.html,(参照2023年05月14日).

[3] 特別展「毒」公式図録,180 p.

[4] 株式会社Gakken.“【実は「毒」を持つ危険生物!】 “意外”な生き物”.こそだてまっぷ ホームページ.そだち&まなび.科学・プログラミング.2023年06月02日.https://kosodatemap.gakken.jp/learning/science/46937/,(参照2023年06月14日).

[5] 株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック.“カモノハシ”.ナショナル ジオグラフィック トップページ.Webナショジオ.動物大図鑑.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428820/,(参照2023年06月14日).

[6] 国立大学法人 筑波大学.“#004:化学者の珍獣・毒物ハンティング”.筑波大学 研究情報ポータル COTRE ホームページ.筑波大学の研究トピック.TSUKUBA FUTURE.https://ura.sec.tsukuba.ac.jp/archives/162,(参照2023年06月14日).

[7] kusuguru株式会社.“羽に毒を持つ鳥は、好物の虫から「最強の毒」を吸収していた!”.ナゾロジー ホームページ.動物.2021年01月27日.https://nazology.net/archives/64714,(参照2023年06月14日).

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