先発ダイマックスのすゝめ
どうも、grandです。
ダブルバトルを主に行っているプレイヤーです。これからはnoteに記事を投稿することにしました。以前の記事はそのまま残しますが、時間があれば順次こちらに移そうと考えています。
さて、剣盾の対戦において、最も主要かつ醍醐味となっている要素がダイマックスです。ダイマックスという仕様についての賛否はともかく、VGC2020から今に至るまで対戦を楽しんでいる人は皆このダイマックスの使い方について少なからず考察していると思います。
今回はダブルバトルにおけるダイマックスについて僕なりの考えをまとめたいと思います。その上で、僕が主に行う先発(初手)ダイマックスについて考察しようと思います。
大した実力のない自分の考察には多くの誤りや不足があると思いますが、この記事を読んだ上で批判や指摘等どんなことでも良いのでご意見いただきたいと思います。
1.ダイマックスの分類
ダブルバトルにおけるダイマックス(以下DMとも)の方法は、構築の戦法や選出、試合の状況によって決まるDMのタイミングから以下のように分類出来る。混乱を避けるためこの記事では以下の通り分類の名称を定義する。また、この分類に当てはまると思われる記事をいくつか掲載する。
先発ダイマックス型…DM(させるつもりの)ポケモンを先発に選出する戦法
・初手ダイマックス型…基本的に初手でDMする戦法。余程苦手な相手でない限りはDMをするため考えることが少なく分かりやすい。パワーのある並びであったり強力なDM技を有していることが多い。(例:多くのラプラス構築、ドラパホロウビート系)
・先発エース型…相手の選出を見てから初手でDMするか、DM権やエースを裏に温存するかを決める戦法。圧力をかけられる並びからDMするしないに関わらず強い動きが出来る。(例:エレキランド)
後発ダイマックス型…DMポケモンを後発に選出する戦法
・後発エース型…相手のポケモンを削る、デバフをかける、S操作等で裏のDMエースを安全かつ通りやすい盤面で着地させる戦法。明確な勝ち筋が存在するものの、それまでの過程はサイクル系や壁による対面系のように多岐にわたる。(例:多くのトリル構築、壁+後発ギャラ、バンギサマヨバナコー)
・打開ダイマックス型…相手にDMを強要させ、それを凌ぎDMが切れたタイミングでエースを着地させDMし全抜きを狙う戦法。的確に相手のDM技を受ける立ち回りの正確さが求められるが、終盤にこちらのDMエースを一方的に通すことが出来るので止められにくい。(例:一部のセキタンザン構築)
これらの分類に対し一概にどれが最も強いとか勝ちやすいと言ったものはないし、ここでも言及しない。どの型であっても優秀な成績を修めている構築やプレイヤーは多数存在するし、これらの強弱はその時の環境やプレイヤーの立ち回りの好みに依るものが大きいと考えている。
その中で、僕は後発ダイマックス型を好まず、先発ダイマックス型を主に使用している。後発ダイマックス型をあまり使用しない理由は以下の通りである。
・後発エース型は場作りが完全に行われないままエースを着地してしまう(させられてしまう)
・打開ダイマックス型は相手のあらゆるDMの選択肢に対し対応する事が容易ではなく、手遅れの状態でエースを出すことになってしまう
これらの問題は立ち回りの練度に起因することがほとんどであるのは間違いない。元々実力もなく、1シーズンで高々数百戦しかしない僕にとっては経験不足・練習不足と言われてしまえばそれまでだが、それでも分かりやすい立ち回りと勝ち筋を用意しておくのは僕の好みに合うため、今回は先発ダイマックスについての考察を進めることにする。
2.先発ダイマックスの長所・短所
先発ダイマックス型を考察していくにあたり、まずはこの型を使用する際の長所と短所について挙げる。全ての先発ダイマックス型がこれに当てはまるわけではないが、これを考慮した上で先発ダイマックスをするかどうかを判断すべきであろう。
〈長所〉
①DMするポケモンを試合中に決定する必要がない
…試合中の立ち回りの選択が簡略化され負担が少なくなる事を意味している。これについての利点は後述する。
②初手からパワーのある並びになり、相手の動きを窮屈にさせやすい
…DM技という強力な威力・効果が飛び交う現環境で、受けのためだけの弱気な立ち回りは勝敗に大きく関わる。試合の序盤から相手にそのような行動や思考を誘う事は試合を有利に運ぶ上でとても有効である。
③試合展開や相手のポケモンに対しどのように倒すのかのプランが立てやすい
…①と同様に立ち回りの安定や思考の簡略化が可能である事を意味している。これについても後で詳述する。
④相手の先発ダイマックスと殴り合える
…強力なDM技を受ける最も簡単な方法はこちらも同じタイミングでDMをする事である。相手の圧力のある初手の並びに対し殴り負ける事なく戦うためには、こちらも十分にパワーのある初手で応戦する事は有効な戦い方の一つである。また、勝ち筋が強力かつ明確な構築であったり、構築相性が良い場合には、先発ダイマックス型は相手の初手でのDMを誘発させる事が重要である(これについても後述する)。
〈短所〉
①初手対面が圧倒的に不利で交代等の対応を避けられない場合があり弱い行動をとってしまう
…初手の対面で不利を取ると相手の行動が制限なく行われてしまうため厳しい状況になる事は言うまでもないが、先発でのDMプランに特化した並びはDMしない場合弱い行動になりやすく通常よりも立ち回りが窮屈になってしまう。
②先発ダイマックスへの特別な対策を取られやすい(例:脱出ボタン・後攻の尻尾等のトリック)
…トリックによる妨害等によって、こちらのDMが十分に役割を果たせないまま退場したり性能を著しく落としてしまう事がある。これは初手対面から相手に大きな負担を与えて戦うプランである先発ダイマックス型の致命的な弱点と言える。
③デバフや壁、守る、交代等の数的有利を取らせない動きに対し対応が容易ではない
…これらの行動によってこちらのDMが十分に役割を果たせない場合、相手の後発のDMによる反撃を許してしまう。ただし、これを考慮しても有利になれるようなパワーのある並びや強力なDM技がある場合はこの限りではない。
3.先発ダイマックスに必要な条件・性能
上の弱点を考慮し、それらに対応するために必要な条件や性能は以下の通りである。
これらの項目を全て満たす事は殆ど不可能であるが、多ければ多いほど対応範囲が広く強力である事は間違いないだろう。
①初手の搦手を防ぐための防御手段の用意
…主に②,③の弱点に対応するため、この指系持ちやサイコメイカーの用意、悪タイプエースの採用、その他防御手段を用意することで、DMによる序盤のアドバンテージを十分に確保できる。ただし、これらを満たすと一般的に初手のパワーが落ちてしまう事は考慮すべきである。
②デバフ等での受けを許さず、相手を一方的に殴れるもしくはDMを強要させるエース・並びの採用(例:ドラパホロウビート系)
…①,③の弱点に対し、相手の受けの行動を許さないほどの高火力、高圧力になり得る並びは相手に大きな負担を与える。特にクリアボディ等によってデバフを無効に出来るアタッカーは、安易なデバフによる対処を受けつけないため更に有利に動く事が出来る。また、それを嫌って相手の初手ないし序盤でのDMを誘発させる事で終盤での詰めにDMを温存されずにすみ、こちらの想定通りの試合進行をさせる事が出来る。そのため先発ダイマックス型の大きなプランの一つとして相手のDMの序盤での消費、そしてこちらの圧力のある初手の並びと対面させる事を目指すことが多い。
③DM技の追加効果が強力で、1発打つだけで十分仕事をしたと言えるようなポケモンの採用(例:フシギバナ、ラプラス)
…先発ダイマックスの目的としては相手の残数を減らすだけでなく、強力な追加効果を持つDM技を打っておく事で試合後半の攻防を有利に進めるようにしておく事も挙げられる。特にスリップダメージ系は、相手視点ではDMをする事でダメージを軽減出来ることから相手にDMを誘発させやすく、その点でも強力であると言えるだろう。
④DMしない選択も強力であり、相手にDMのケアを薄くさせるようなポケモンの採用(例:レジエレキ、ランドロス、トゲキッス)
…これらのポケモンは相手の選出を見てから後発DMのプランに切り替えられることが多く(先攻エース型)、柔軟な立ち回りが可能である。ただし、この条件を満たすポケモンはとても限られている。また先発でのDMに特化しないことから序盤での大幅なプラン変更を余儀なくされる事も多いため、思考の固定化・簡略化にならない場合もある。
以上が先発ダイマックスの欠点から考えられる先発ダイマックスに必要な要素である。DMエースには簡単に倒されない耐久力やその環境下での十分な素早さが要求される事が多いが、上の条件にはそれが含まれていない事を確認して欲しい。もちろん、これらの要素は直接的・間接的に対応範囲や立ち回りの柔軟さに繋がるため軽視してはならない要素であることは間違いない。
しかし一方で、先発ダイマックスを行う上で最も重要なのはDMエースの活躍機会ではなく、中盤以降の試合を有利に進めるための「場作り」であることを忘れてはならない。例えば、僕が以前作成した下の構築では、珠ドラパルトをDMエースとして採用した初手ダイマックス型の構築となっている。
しかし、この構築は決してドラパルトで全抜きする戦い方をしているのではない。ここでのドラパルトの主な役割としては以下の通りである。
・ダイホロウ・ダイジェットによる鉢巻バンギラスの補助
・ダイストリーム・ダイジェットによる眼鏡ミロカロスの補助
・ダイストリーム・ダイドラグーンによるチョッキナットレイの補助
・ミミッキュのスイッチトリル展開を妨害するポケモンの駆除
このように、ドラパルトは自身ではなく他のポケモンの行動に対する障害を取り除く「サポート」として扱う事が多かった。そのため、たとえドラパルトがDM技を1〜2回しか打つことが出来なくても十分仕事をしたと言える場面があるということである。先発ダイマックスにおけるDMポケモンの役割は相手を倒す事だけではないことを留意して欲しい。
4.先発ダイマックスの注意点
ここでは先発ダイマックスを行う上で他に注意すべき点をいくつか挙げる。ポケモン対戦においては当然注意しなければならない事がほとんどではあるが、先発ダイマックス型を使用する際は特に注意が必要になる。
①使用する先発の並びでは勝てない並びを把握する
…これは当たり前の事ではあるが、先発ダイマックスが通るかどうかの判断を誤ることは初手で負けに大きく近づく事を理解する必要がある。先攻エース型の場合は初手でのDMを避けDM権を残す立ち回りが出来るものの、それが可能なポケモンの多くがデバフ等での影響を大きく受けるため結果として先発ダイマとしての性能が落ちる事があることを考えておかなければならない。
②別の選出やDMエースを用意する
…基本選出で対応出来ない相手に対し、別の初手DMエースを用意する、あるいは後発ダイマックスのプランに切り替えそのための選出を用意する事は先発ダイマックス構築には必須である。これも当然の事だと思われがちだが、一方でこのような別選出はほとんどの場合基本選出と比べ大きくパワーや対応範囲が劣ることを留意する必要がある。そのため構築段階で別選出時の立ち回りを十分に考察しておき、最低でも仮想敵と五分で戦えるようにしておかなければならない(そうでなければパワーと対応範囲を落としてまでその選出をする意味がなくなる)。
③終盤の詰め方を想定する
…先発ダイマックス型は、構築難度や対応のされやすさと引き換えに、初手のパワーと選出や序盤の行動の決定の容易さを得る事が出来ている。しかし、序盤の行動を固定化出来る事と何も考えず勝つことが出来る事が全く違うのは言うまでもない。序盤の行動決定の容易さというアドバンテージを十分に活かし、序盤から最終盤の詰め方を予めいくつか想定する事が重要であり、またそれが可能である事が先発ダイマ型の一番の利点と言えるだろう。先の展開をある程度予測が可能な戦い方や立ち回りが出来る構築は先発ダイマックス型として優れたものであり、逆にそうでないパワー押し付けのみの構築は簡単に崩されやすいことを理解しておくべきである。
あとがき
ここまでの閲覧ありがとうございました。
僕が普段先発ダイマックス型の構築を作ったり、立ち回りを考える上で気を付けていることを文章にしてまとめてみました。もちろん、僕は今回の内容を必ず満たすような構築作成・プレイングが出来ているわけではありません。それが僕自身大した実力も結果もない原因であるのは明白です。
しかし、今回の内容は今まで作られてきた完成度の高い構築や結果を残している方々の立ち回りを見聞きする限りほぼ間違いなく共通しており、僕を含めこれからの構築や立ち回りへの考え方の一つとして心に留めておくべき内容だと考えています。この内容がこれからの考察、構築作成、立ち回りの研究の一助になれば幸いです。
繰り返しになりますが、僕の長く拙い文章をここまで読んでくださりありがとうございました。
内容についての意見・感想・質問・批判・指摘等ありましたら是非とも今後の参考にさせて頂きたいので僕(@take_grand)のDMまで連絡お願いします。
special thanks
ポケモン太郎さん
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