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Anycaがサービス終了に至った理由

カーシェア市場は個人間カーシェアが開始された2年後の2017年には約29億円、翌年の2018年には36億円と拡大し、さらに2030年にはその9倍の260億円に達すると予測され、シェアリングエコノミーの中でも最も成長する分野とされています。

しかし、そんな成長市場にもかかわらず人気のカーシェアアプリAnycaは2024年末でサービス終了

その理由は、Anycaではユーザー会員数が直近3年間で約2倍と急増しましたが車を貸し出すオーナー登録が伸びなかったことにあります。
つまり車を借りたい人はたくさんいても、車を貸してくれる人が少なかったのです。

このため、Anycaでは借りたい人と貸したい人をマッチングするサービスの提供が充分できない状態が恒常化しその結果、想定していた収益にまで伸びず運営自体が終了になったわけですね。

ではなぜ、貸し手のオーナーが増えなかったのでしょうか?

その理由は高額なプラットフォーム手数料が大きな要因ですAnycaでは車を貸し出したオーナーの売上の15%から35%が手数料として引かれるためオーナーの収益を大きく圧迫していました。

具体例で説明すると、アルファードの個人間カーシェアの料金は平均1日7,900円で一般のレンタカー店のシーズン料金の約1/3程度ですのでユーザー会員数がどんどん増えた理由が分かりますね。

利用するユーザーは1日自動車保険をAnycaに必ず支払う仕組みでしたが保険料は2,000円~3,800円ですのでユーザーからすれば保険料を足してもレンタカーと比較すれば半額程度のため充分割安ですね。

しかし問題はオーナー側に高額な手数料が生じる点でした。

たとえばもっとも充実した補償内容の3,800円にした場合オーナーが負担する手数料はシェア売上の35%したがって1日7,900円でシェア料金を設定すると、Anycaの手数料は2,766円オーナーに支払われる額は5,135円...

つまり月8回の貸し出しでは合計22,128円も手数料が取られてしまいます。この場合、手数料がなければ月63,200円という高収益ですが実際には月41,072円しか受け取ることはできず収益性はとても大きく低下します。

これがユーザーの登録数は右肩上がりでも普及拡大の要となる貸し出す側のオーナー登録が大きく伸び悩んだ理由と考えられます。
確かに、解説したような収益性の低さでは「愛車をわざわざ貸したくない」というオーナー側の気持ちもよく分かりますね

そこで、以前より当ビジネスでおススメして来たのがジモティーを活用した個人間カーシェアです。

詳しい過去記事はこちら
https://note.com/take_a_kick/n/n8cda5290cdb8

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