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G1 2024年東京優駿:中間考察

皆様こんにちは。
バークレーでございます。
今週はいよいよ競馬の祭典日本ダービーがやってまいります。優駿牝馬と同様、私は東京優駿という呼び方の方が好きですw さて今回の東京優駿ですが、世代のレベルとしては実はそこまで抜けているわけではなく、総合指数もあまり良くありません。波乱の結果となるのか、それとも順当に決着がつくのか。ダービーだからこそいつも以上にこだわって考察をして、過去最高の記事をお送りできればと思っています。挨拶に時間を取られているのはもったいないので、早速考察を始めていきましょう!

G1 東京優駿:予想基本方針

G1 東京優駿:東京芝2400m左回り
【コース形状考察】

東京競馬場芝2400m左回り:コース形状

こちらがダービーが行われる東京芝2400mコースとなります。コース形状としては基本的に先週オークスと同じということになりますが、ダービーからは「Cコース」へと替わります。その部分から見ていくことにしましょう。スタートは最終直線坂を上り切ったあたりからとなります。スタートから1角までの距離は「Aコースで350m」です。ということはCコースではさらにスタートの位置が前に移動することとなります。Aコース時の東京競馬場1周の距離は2083.1m、オークスが行われたBコースでは2101.9m、ダービーが行われるCコースでは2120.8mとなっています。内ラチを外側に移動させることで1周の距離が長くなります。しかしゴール盤の位置は動かせませんので、代わりにスタートの位置を前に移動させていくわけです。AコースとCコースとの1周差は37.7mとなっていますのでそれだけスタート位置が前にずれ、1角までは350m-37.7mで312.3mということになります。

■東京優駿Cコースの場合■
後ほどラップタイムに関しては詳細な分析を述べていきますが、スタートから1ハロンの平均タイムは12.59秒となっています。次の2ハロン目が10.86秒となっていますので、おおよそダービーは10.86秒で次の200mを進むことになりますね。そう考えればあくまでも逃げ馬のペースではありますが2ハロン目の200mは1秒間で18.41m進む計算となります。
■優駿牝馬Bコースの場合■
こちらのスタートから1ハロン経過の平均タイムは12.49秒。オークスにおける2ハロン目の平均ラップは10.98秒、ダービーと同じように考えると1秒間で18.21秒進む計算となります。
上記2レースを比較した時、以下のようなことが分かります。
東京優駿…1ハロン到達時12.59秒、1角まで残り112.3m→6.1秒で通過
『12.59+6.1=18.69秒で1角到達』
優駿牝馬…1ハロン到達時12.49秒、1角まで残り131.3m→7.21秒で通過
『12.49+7.21=19.78秒で1角到達』
このように見ていくと、オークスとダービーでは1角に到達する時間が「1.01秒」も差があるということが分かります。競馬において1秒の差はものすごい距離です。十数mもの差があります。ここから何が分かってくるのでしょうか。素直に考えるならば「内側の枠の方が走りやすい」ということになりますでしょうか。過去14年分というまだまだビックデータではないのですが着内42頭で枠順成績を内と外に分けて調べてみます。そうすると?
1~4枠…着内23頭/全42頭中(54.8%)
5~8枠…着内19頭/全42頭中(45.2%)

こういう風に見るとわずかに内枠の方が成績が良くなっています。はい、わかっています。「おいおい!そこまで大きな差でもねぇじゃねえか!印象操作すんなよ」こんな声が聞こえてきそうですね。しかしよく考えてみてください。ダービーですから18頭立てのレースになることが多いことを考えると、全出走馬を母体にすると外枠の方が頭数が多いはずですよね。そうなると少しまた差が出てきます。
1~4枠…着内23頭/全130頭中(17.70%)
5~8枠…着内19頭/全159頭中(11.95%)

2400m、2.4㌔走ってなお0.1秒にも満たないわずかな差で決着するのが競馬です。だからこそこの差は見過ごせないと思うわけです。しかも今週からはCコース替わりです。内ラチがさらに3mほど外に移動されます。馬1頭の前から見た幅は70㎝強、3mというと馬4頭分くらいと言えるでしょうか。それくらい外側に移動するわけですね。その分内の芝がキレイな状態であるとも言えます。というわけでダービーはやや真ん中よりも内側がほんの少し有利になると頭の中に入れておきましょう。

さて、もう少しコース形状から考えていきたいと思うのですが、それは次の断面図を見ながらの方が分かり易いと思います。
【断面図】

東京競馬場芝2400m左回り:断面図

こちらが東京競馬場の断面図となります。こちらを見ていただくとお分かりかと思いますが、東京競馬場というのは道中坂などはあるものの、そこまで強烈な上下があるわけではありません。いわゆるレースの距離によっては息が入りずらいコースであると言えます。しかし今回は2400mという距離。牝馬と違って牡馬は2400mという距離をすでに経験したことのある馬がいますが、それでも距離が未知数である馬が多いのも事実。2400mを持たせるためにはやはり折り合い面とペース配分がカギとなってきます。そこまで強烈な上下がなく、そして2000mまでは経験している馬が多くいるということは言い換えると「道中動きやすくなる」ということを意味します。ここで本当はラップ考察で紹介するラップの視覚化を見ていただくと、私が言わんとしていることがお分かりいただけるかと思います。

ダービー・オークス:ラップの違い

こちらをご覧ください。オークスのラップとダービーのラップタイムを見てみますと、ダービーは非常に各ハロンのラップにばらつきがあるということが分かると思います。平均値の差というのは後で考えることにしますが、この「ラップの自在性」というのがオークスとダービーの最大の違いではないかと思うのです。これはまさに「経験値」の差であると言えるでしょう。では「ラップの自在性」というのはどこに出てくるのでしょうか。それはまさに「騎手の心理や作戦」から出てきます。ダービーの方がより極端なラップを刻む、要するに明確に逃げ馬もしくは番手集団がペースをコントロールしてくるレースなのだということです。さて、ダービーがオークスと比べてラップに誤差が大きいのにはもう一つ理由があります。次の表をご覧ください。

G1東京優駿:ラップと逃げ馬情報

なかなか細かい表になってしまいました…。見えにくくてごめんなさい。こちらの表はダービー各ハロンのラップ、そして右側には各年の逃げ馬に騎乗した騎手と当日の人気、実際の着順を載せたものになります。こう見てみると、ダービーは「2桁人気の人気薄馬が逃げる」傾向にあることが分かります。14年分ではありますがその数10頭となっています。そして過去5番人気以内で逃げた馬は1頭しかおらず、その際は2着と好走していることも分かりました。ダービーはまだ3歳時のレースです。身体も本当の意味では出来上がっていない状態でほとんどの馬が未経験である2400mを走ります。したがってオークスでもそうでしたが、逃げ馬の成績は基本的には芳しくありません。そして逃げ馬が好走したパターンが3年分あります。どういう時にダービーで逃げ馬が好走するのか、年度ごとに調べてみたいと思います。
2013年ダービー
→データ上では勝浦騎手が逃げているという形になっていますが、途中で田原騎手がまくりを決めているので、1000→1200mの赤くなっているラップはその影響で流れただけ。その後勝浦騎手は前に壁を作ってペースが落ち着いたところで脚をため、再度直線に向かう前あたりからスパートをかけている。よって、基本はスローに落とし込んだ形が好走の理由となったと言える。
2017年ダービー
→こちらは横山典騎手が逃げる形を取った。正直これは典さんの作ったペース配分がうますぎる。逃げるも絶妙な位置で後ろの馬が前に行けないようにコントロールしペースを落としました。馬群は結局向こう正面で塊のようになりますが、極端に落とされたペースで多くの馬が掛かっている状態。ギリギリまでペースを落として最後横山典騎手「だけ」が最内を選択します。結局4着ではありましたが、あの騎乗がなければ掲示板にも残れなかったかもしれない馬。ダービーはこういう風に逃げればいいのだというお手本のような騎乗でした。
2018年ダービー
→この年は戸崎騎手の馬が逃げることとなります。この年の戸崎騎手の騎乗の際の姿勢は本当に素晴らしいですね…。馬への負担を少なく、そして絶妙に後続がついてこられるようにペースをコントロールしているのが分かります。そして注目すべきは後半のラップです。持続的にラップを刻んでいって後続の脚を削っています。その証拠にこの年の勝ち馬は34.3秒で、2着馬は34.7秒。ダービーの勝ち馬上がり平均は33.9秒ですので、どれだけ脚を削ったのかが分かります。こういうケースもダービーで逃げ馬が好走するパターンになるということでしょうか。

まとめます。
ダービーは長距離がゆえ、オークスと同じように道中緩む箇所が出てきます。どの馬にとってもペースに余裕が生まれてくるので騎手はペースをコントロールしやすい。そして基本的に2400mで明確に逃げた経験を持つ馬がいないため、人気薄の馬が押し出される形で逃げることが多くなるということも分かりました。さらに逃げて好走した馬の共通点は「スローに落とし込む」「後ろの馬の脚を削る逃げ方をする」のどちらかであるということも分かりました。現実的には前者が有力かなと思います。後者のような逃げ方をする馬や騎手は最近ではあまり見なくなってしまいました。パンサラッサタイプの馬自体がほとんどいませんからね。メイショウタバルも前走皐月賞で強烈な逃げをしましたが、あれば折り合うための逃げではありません。パンサラッサはあの逃げ方で折り合ってしまうわけですから。本当に稀有な存在です。

G1東京優駿:ラップと逃げ馬情報(再掲)

さて、もう一度ラップの表に戻って違う観点を考えていきましょう。毎回確認している基礎ラップに関することです。オークスの基礎ラップは12.0秒程度、一方ダービーの基礎ラップは少しだけ速い11.97秒ということになりました。そして最初の1ハロン以外の部分と基礎ラップを比較したものが表一番下の行に書かれている赤と青の数字です。この部分が「ダービーも道中明確に緩む部分がある」と述べた根拠となります。基礎ラップとの比較で考えてみると、ダービーの仕掛け所も「ゴール手前3ハロン」ということになりそうです。先ほど述べた通り、ダービー勝ち馬の上がり平均は33.85秒、2着が33.94秒、3着は34.27秒となっています。というかこれも表を見ていただいた方が手っ取り早いですね。

G1東京優駿過去レース:1着馬
G1東京優駿過去レース:2着馬
G1東京優駿過去レース:3着馬

1着と3着との最終タイム差は0.28秒程度。あくまで平均値ではありますが。1.5馬身くらい平均では差がついていることになるでしょうか。一方で上がりの平均タイム差は0.42秒あります。だからといって4角で3着馬の方が前で競馬していたとは言い切れないデータとなっています。それだけ終いの脚をしっかり使える馬が勝ち切るということを示しているのでしょう。今回も2400mという距離ゆえにいつもの能力比較はできませんが、東京で上がり33秒台を出せるレベルでないとダービー馬にはなれないのだろうと思います。今回の出走馬で考えると次のデータは重要視して良さそうです。
アーバンシック…東京33.2秒 2000m
エコロヴァルツ…東京33.1秒 1800m
ゴンバデカーブース…東京33.5秒 1600m
シックスペンス…中山33.3秒 1800m
ジャスティンミラノ…東京32.6秒 1800m
シュガークン…東京33.9秒 2400m
ジューンテイク…新潟33.1秒 1600m
ショウナンラプンタ…東京33.6秒 2400m
シンエンペラー…東京33.8秒(新馬戦) 1800m
ダノンエアズロック…東京32.7秒 1800m
ビザンチンドリーム…京都33.7秒 1800m
ミスタージーティー…京都33.7秒 2000m
レガレイラ…東京32.7秒 1800m

はい、ほとんどですねwww上がりという意味では例えば1600mのレースだと平均値を取れば次のようになります。

芝1600m能力比較用タイム

[1600m上がり比較]
ゴンバデカーブース「33.6秒」
ジューンテイク「33.47秒」
一応ジューンテイクの勝ち。

続いて1800mだとこのような相関表になります。

芝1800m能力比較用タイム

[1800m上がり比較]
エコロヴァルツ「33.8秒」
シックスペンス「32.55秒」
ジャスティンミラノ「32.6秒」

シンエンペラー「33.8秒」新馬戦
ダノンエアズロック「32.7秒」
ビザンチンドリーム「33.22秒」
この中ではシックスペンス・ジャスティンミラノ・ダノンエアズロックが抜けた上がりの力を持っている。

では2000mだとどうなるでしょう。

芝2000m能力比較用タイム

[2000m上がり比較]
アーバンシック「33.2秒」
ミスタージーティー「33.34秒」
ここでは一応アーバンシックの勝ち。

2400mは相関表を考える意味がありますのでここでは割愛をします。しかしショウナンラプンタとシュガークンはともに33秒台の脚を使って着内に入っていますので、ここでも上がりという観点だけで考えるならば有力視はできそうかと思います。ただここではどうしても青葉賞組というのが引っ掛かってしまいます。昨年はスキルヴィングが本当に残念な結果になってしまいましたが、もしかしたら青葉賞組から勝ち馬が出るかもしれないほどの力をもっていました。ここでちょっとローテに関して考察を加えてみましょう。話があっちこっちに逸れていますが、先ほどの上がり部分にはしっかり帰ってきますのでご安心ください。

過去10年ダービー着内馬の前走&前々走

実は昨年3着ハーツコンチェルトは青葉賞2着馬だったようですね。この時の上がりは勝ち馬スキルヴィングと同じ34.1秒で最速でした。ハーツコンチェルトの時計は144.0秒でした。上がりタイムという観点だけで言えばシュガークンもショウナンラプンタもこの2頭を上回っていますが、今年の最終的なタイムに関していうならば今年は144.2秒が勝ちタイムとなっているのでわずかではありますが0.2秒ほどハーツコンチェルトに比べると遅く、スキルヴィングとは0.3秒ほど離されています。過去青葉賞からの出走でダービーで勝負になった馬を見てみると2014年はちょっと特殊なものなので置いておいても青葉賞が143秒台の決着になった年のみとなっています。ダービーは昨年こそ145秒台の決着になっていますが、世代の力が強いと言われた一昨年や3年前を見るとダービー馬は141~142秒台で決着をしています。まさに今年の世代レベルが昨年並みなのであれば青葉賞組でも十分に絡むことができる可能性があるし、世代のレベルが高いと届かないという感じになるでしょうか。正直ここが本当に判断が難しい部分だと思います。

ジャスティンミラノはコースレコードで皐月賞を勝利しました。コースレコードが117.8秒のところ117.1秒で駆け抜けたのですから、これは飛んでもないタイムだと素直に認めます。ただ時計が出やすい展開だったというのも事実ではないかとほんのちょびっとだけ懐疑的に見ている自分もいます。メイショウタバルがあれだけのペースで逃げて、マイラー路線に進んだジャンタルマンタルが早めの抜け出しを図っていき、最後にジャスティンミラノとコスモキュランダが差していって1着2着となりました。これでもかというほど時計が出やすい展開だったことは否めません。それでもあのタイムで走った事実がある以上レベルが高いのかなという感じはします。ただタイムだけで考えたら先の2頭以外にも「ジャンタルマンタル・アーバンシック・シンエンペラー・レガレイラ・エコロヴァルツ」までの7頭がコースレコードもしくはレコードタイなのです。今まで過去何十年も行われてきた皐月賞の中でこの7頭が抜き出ているかと言われるとどうしてもそうは思えません。おそらく世代上位は上位3頭、今回出走する馬で考えるならばジャスティンミラノとコスモキュランダの2頭が抜けていたと言えます。そしてそのコスモキュランダはモレイラ騎手からの乗り替わり。追い出すタイミングもコース取りも完璧な騎乗をしてあの着順であると考えれば、鞍上は相当プレッシャーでしょう。となると、世代のレベルは「ジャスティンミラノだけが抜けている」と言えなくはないでしょうか。世代レベルが団子の状態なのであればシュガークンもショウナンラプンタも好走はあり得ます。

ダービーは上がり3ハロン勝負になります。
今回は純粋に2400mの能力比較ができませんので、各距離で33秒台の上がりを記録したことがある馬をピックアップして、距離毎に比較したところ、次の馬たちに関しては要注意と出ました。
シックスペンス
ジャスティンミラノ
ダノンエアズロック
シュガークン
ショウナンラプンタ

上がりを使って飛んでくる馬はこの5頭が中心と見るべきでしょう。

G1 東京優駿:逃げ馬考察

【逃げ馬考察】
ここまですでに7200字…。やっと逃げ馬考察までたどり着きました…。今回は能力比較がありませんので少し長くなってしまいましたね。では次に逃げ馬考察を行っていきたいと思います。まずは直近5走内で逃げたことのある馬をピックアップしていきましょう。
■逃げ馬候補■
エコロヴァルツ
・ゴンバデカーブース
サトノエピック
・サンライズアース
シュガークン
・ダノンエアズロック
メイショウタバル

何と今回は直近5走で逃げたことのある馬が7頭もいました。少し数が多いということ、そして回数が多い馬でも2回ほどとなっているところから、今回は最初からテン速さ比較で判断をしていきたいと思います。まぁおそらく第一印象と結果は変わらないと思いますが…。

G1東京優駿登録馬:テン速さ比較

やはり第一印象と結果が同じになりました。おそらく皆様も同じだったのではないかと思います。テン速さ平均で考えるとメイショウタバルがトップとなりました。過去最速はもちろん前走皐月賞で記録したものになります。ただ緩いペースになった時のタイムも全体で2位。おそらくこの馬が今回も逃げてくると考えて良いでしょう。ただ、どこまで前が流れて「しまう」か。これが今回もポイントになるのではないかと考えます。前走皐月賞レース後、今回も騎乗予定の鞍上浜中騎手は次のようにコメントしています。

2024年皐月賞レース後コメント

やはり折り合いを欠いてしまったというのが前走ペースを作った原因だったということは間違いありません。さらに今回は東京競馬場というのもポイントになってきます。地下馬道を通って観客の前に出てきた時、スイッチが入ってしまう可能性も十分にあります。もしかしたら逃げ馬としては再び速くなってしまう可能性もあると思います。ただ、前走での走りを知っている他の騎手たちならば、そのペースに付き合うことは正直ないはず。ポイントは「番手がどういうペースで進むか」ということになるでしょう。番手最有力に挙がるのは、私はまず「シュガークン」だと思います。2走前大寒桜賞では35.8秒で前3ハロンを進んでからは一気のペースダウン。緩めに緩めて自分のペースに落とし込みました。今回メイショウタバルが前に行きすぎてしまったとしても、それに付き合いたいと思う騎手はほとんどいないはず。かといって2番目にテンの平均が速いシンエンペラーは過去逃げたことがありません。前に壁を作って進みたいタイプのはず。もちろん並びの関係もありますが、シュガークンが前に出られる可能性は十分にあります。3番目のテン平均をもつサンライズジパングも過去逃げたことはありませんし、前走ちょっと前が流れる中位置を取りに行って9着となっていますからここは無理はしてこないはず。ゴンバデカーブースも逃げたのは新馬戦でのこと。競馬を教える意味合いが強かったでしょう。そうなると番手はシュガークンということになりますでしょうか。

下手したら離れた番手に武豊騎手。これは正直脅威です。
競馬界の二大時計は、デジタル時計のルメール騎手、そしてアナログ時計の武豊騎手の2人だと思っています。アナログ時計というのは決して悪く言っているわけでもなく劣っているという意味の表現でもありません。あくまでも感覚的に特徴をとらえた表現だと思ってください。両名とも素晴らしい騎手だと思っています。話を戻します。結果として武豊騎手が離れた番手に位置したならば、番手以降は大きくペースを緩める形になるのではないでしょうか。その隊列予想に関しては、次のラップ考察で述べたいと思います。

G1 東京優駿:ラップ考察

【ラップ考察】
それでは考察部分最後に、ラップ考察を行います。まずはいつもの通りラップの視覚化からしていきますが、これはすでに見てしまいましたね。一応再度確認をしておきましょう。

ダービー・オークス:ラップの違い(再掲)

これだけ見ても、ダービーとオークスの各平均ラップの違いは分かりにくいと思います。個別のラップの乱高下が激しいダービーの平均を取ることに意味があるのかは分かりませんが、傾向をつかむヒントになれば良いかなと思います。

ダービー・オークス:ラップの違い➋

数値をこのように並べて見ると、やはりかなり2つのラップは近いのだということが分かります。しかしダービーの方が2ハロン目が流れるというのはやはり間違いなさそうです。さて、これを踏まえて今回の隊列予想を行いたいと思います。

G1東京優駿:隊列予想(枠順発表前)

枠順が発表される前のものですので、あくまで粗い予想とお考えください。
メイショウタバルはやはりテンションが高くなってしまって34.9~35.0秒あくらいで進むと予想します。番手とは離れて0.8~0.9秒ほど遅い感じ。どちらかと言えば前1000mあたりでの差というイメージではあります。まぁその辺の細かな設定は最終見解にて徹底的に考えていきますのでお待ちください。好走のゾーンは3~5列目あたりということになるでしょうか。うん、やはり今回も「上がりガチ勝負」となりそうですね。

G1 東京優駿:バークレー指数上位馬

【バークレー指数上位馬】
上がり優秀馬
1位 ジューンテイク(1.1)
2位 レガレイラ(0.8)
3位 以下の4頭が該当(0.7)
エコロヴァルツ・コスモキュランダ
ショウナンラプンタ・メイショウタバル

上がりトップに立ったのはジューンテイクとなりました。
過去9戦でキャリアは多い方ですが、そのうち7回上がり3位以内、そして4回上がり最速を記録しています。33秒台の上がりも複数回記録しているところを見ると、安定して終いの脚が使えるタイプだということが分かります。トモとしてはキレ寄りで、前走京都新聞杯の時も最後の最後で抜き出る競馬をしています。しかもこの馬の良いところは「好位から競馬をして上がりの脚を使える」というところでしょうか。前走でも3番手追走から好位につけての競馬でした。ただ、一方で前走は終始内ラチ沿いを進んでの勝利となりました。そう考えると枠順次第で外を回されるようなことになると少し陣営としては嫌なのではないかと推測します。
2位は再びルメール騎手が鞍上に戻る唯一の牝馬レガレイラとなります。
桜花賞二桁順位のチェルヴィニアを優勝に導いた手腕は怪我明けも健在でした。素晴らしい騎乗だったと思います。あのステレンボッシュに勝利したわけですから。チェルヴィニアもステレンボッシュも両方知っているからこその騎乗だったと言えます。そして今回は牝馬ながら皐月賞に出走して6着に敗れたレガレイラに騎乗します。「ルメール騎手が選んだ馬」これが今回も注目されそうですね。過去4戦全てで上がり最速。スタートには不安があるので後ろからの競馬にどうしてもなってしまう可能性がありますが、それでもそういうリスクがあるならば、2400mへの距離延長はプラスに働くことになるでしょう。皐月賞と比べると断然今回の方がまだ前はゆったりですし、道中の緩みで無理せず位置を上げることも可能です。競馬は長距離になればなるほど騎手の技術が生きてきます。今回も注目の1頭ではあります。気になる点があるとするならば、やはりアイビーSです。今回も出走するダノンエアズロックに0.2秒差をつけられての敗北。あの時はルメール騎手も勝ち馬を賞賛していました。そのダノンエアズロックがプリンシパルSで勝利してダービーの切符を勝ち取ってきました。再戦となりますが、どうルメール騎手が立ち回ってくるのか見ものです。
3位にはなんと4頭も該当してしまいました…。
がんばって紹介していきます。まずはエコロヴァルツからです。
デビュー2戦目からずっと乗ってきた武豊騎手がシュガークンに騎乗するため、今回は岩田康騎手が鞍上の予定となっています。上がり最速3回と終いの脚は使えると思いますが、そこまで持続力があるタイプではありません。かつ今までしてきた競馬は非常に極端なものになっていて、好位で競馬をするのか終いの脚を使っての競馬になるのか、このどちらかとなっています。上がりの脚を使ってG1に出走するレベルの馬たちを圧倒できるかと言われれば、そこまで突き抜けた脚を持っているわけではないので、馬に任せて脚を弾けさせるタイプの騎手よりも、立ち回りが上手でガシガシ追うタイプの騎手を選んだのでしょうか。行き脚から考えてそこまで前で競馬ができるとは思えないのですが、やはりあの岩田康騎手が鞍上ですから、イン突きを基本は狙ってくるのかな。そういう意味ではちょっとCコース替わり初週というのは不利に働くかなと思います。
続いてコスモキュランダを紹介します。
皐月賞2着馬が出てきました。その差はわずか。もしもさらに400m距離が長かったらと考えるともしかするかもと思わせる走りを見せてくれていたと思います。鞍上はMデムーロ騎手に乗り替わりますが、そもそも前々走でディープ記念を勝利しているコンビです。この時はデムスペいわゆるまくりを決め手の勝利となりました。京都2歳Sでシンエンペラーに0.6秒差で敗北していましたが、見事にこのレースでリベンジを果たしました。そして皐月賞でも先着。成長著しい馬の1頭です。キャリア8戦という多さは少し気になりますが、距離が延びても十分対応ができると思うので、今回も期待の1頭です。
次はショウナンラプンタです。
青葉賞2着馬が出てきました。青葉賞での33.6秒という上がりは非常に優秀。なんといってもダービーと同じ舞台で記録したタイムですから。シュガークンとの差もほんのわずかです。この馬は数少ない2400mを複数回経験している馬ですから長距離適性も上位と言えるでしょう。鞍上は鮫島駿騎手。G1は未勝利ですが、いつもトライアルで結果を出して本番では騎乗させてもらえないということが多いのでこの舞台で一発を狙っているでしょう。今年はG1初勝利が本当に多い。次は俺だと言い聞かせているところでしょう。青葉賞のようにある程度脚を溜めての勝利となるのかどうか。そこがポイントになるでしょう。青葉賞の時は15番という位置からの競馬でしたのでどうしても前につけるのは難しかったようですが、内枠なんかを引いたら無理なく好位につけて、直線にかけてくるはず。枠に注目です。
最後にメイショウタバルです。
今回の展開を握っている馬が登場です。この馬の折り合いがつくようであれば、力は持っています。馬場は渋った方が良いのだろうと思いますが、お父さんばりのやんちゃな部分が顔を出してしまうと、前走のような結果にもなりかねません。前にはいきたいと思っているはずです。控えても上がり勝負になれば分が悪い。前に行って初めて良さが出ます。私は滅多に返し馬で印を変えたり買い目を変えたりすることはありませんが、この馬を入れるかどうかだけは返し馬を見てから決めたいと思っています。それくらい折り合いが大切。

コース適性優秀馬
1位 ダノンエアズロック(0.9)
2位 ゴンバデカーブース(0.8)
3位 以下の3頭が該当(0.6)
サトノエピック・ジャスティンミラノ
シュガークン

コース適性トップはダノンエアズロックでした。
先ほど紹介を軽くしました。キャリア4戦のうち、東京で3回出走していて3勝しているという東京巧者。まさにダービー向きの馬であると言えるでしょう。プリンシパルSの開催が5/4でしたので、ローテの間隔はかなり狭い。その疲労がどうなのかというところでしょうか。後は騎手ですね。モレイラ騎手が前走で勝利に導いていますが、乗れるかどうかは不明。陣営の騎手選択も結果に大きく影響を与えるでしょう。ただ、私はこの馬はもう少し後に成長力を見せるのではと期待しています。モーリス産駒ですしね。高額馬はなかなか走らないというジンクスもありますが、今までのレースぶりを見ると期待してしまいます。
2位はゴンバデカーブースです。
皐月賞は本当に期待していたのですが、わずかに4着と敗れました。この騎手も前走はモレイラ騎手。オークス週にブラジルにて騎乗して、斤量違反をおかしてしまったということで、厳しい処分がなされるのだろうと思います。それがいつの時期からなのか。本当に気になるところです。私はサウジアラビアRCの映像を見る限りでは力としては世代トップレベルのものを持っていると思っています。ただNHKマイルCからのローテというのは良い思い出が私には全くありません。いきなりの4ハロン延長がどう影響を与えるのか、冷静に考えなければなりません。
3位には3頭が絡みました。
まずはサトノエピックから紹介します。
ダート馬ですからね…。本当に出るのでしょうか。一応賞金順で考えると抽選対象にはなっているようです。そして私が不気味に感じているのがこの馬がハナを主張してきた時です。逃げた時はかなりスローで進んでいるのでさすがにハナは切れないかなとは思いますが、ダ2100mをこなしている馬なので長距離適性は十分。騎手次第ではアッと驚く逃げをしてくる可能性もあるかと思います。あの期待馬が集まったユニコーンSで2着という結果を出した馬ですからね。
続いてジャスティンミラノです。
説明するまでもなく皐月賞馬。驚異のタイムでクラシック1戦目を制しました。皐月賞を見ても今までの馬柱を見ても、今回の馬体を見ても確実に世代の中では一つ抜き出ていると思います。共同通信杯でも見せた32.6秒という強烈な脚。しかも5番手追走からの突き抜けでした。しかしそうはいっても前37.6秒という緩いペース。皐月賞ではもう少し後ろからの競馬になるだろうと思っていたらまさかの皐月賞でも5番手追走。この時点で私の皐月賞は終わりましたwww そしてそのままコースレコードで優勝。Xにも書きましたが、筋肉量が豊富なタイプなので、2400mという距離がどうかなという感じではありますが、あのドウデュースもキン肉マンでしたからね。今のところ死角はなさそう。唯一あるとするならばステレンボッシュのように全騎手にマークされるということくらいでしょうか。
最後にシュガークンを紹介します。
青葉賞組だからといって消すわけにはいかない。そう先ほど書きました。そしてメイショウタバルと並んで今回のレース展開を決める可能性がある1頭であるとも書きました。まさに鍵を握っていますね。非常に粘り強いタイプの走りをする馬で、確実に好位からの競馬はできそう。番手でスローの展開に持ち込んで、スパートをかけるタイミングを工夫して上がり33秒台ギリギリのところを記録できれば、着内は十分にあると思います。まさに体内時計を持っていると言える武豊騎手ですから、一発あってもおかしくないです。

距離適性優秀馬
1位 コスモキュランダ(0.9)
2位 以下の3頭が該当(0.7)
サトノエピック・シュガークン
シンエンペラー

距離において最も適性が高いのはコスモキュランダでした。
ここで唯一紹介していない2位シンエンペラーを紹介していきます。
皐月賞では素晴らしい馬体で展開からも本命としましたが、5着と涙を飲みました。高速馬場になるのはこの馬にとってはそこまでプラスではありませんでしたね…。ただそれでも5着と一定の結果を残したのは評価に値します。本当によく頑張ってくれました。そして今回です。少なくとも凱旋門勝利馬を兄に持つわけですから、普通に考えれば距離が延びても問題はなさそうです。そして距離が延長となって皐月賞よりもゆったりとしたペースで進むのもシンエンペラーにとってはプラスに働くと言えます。唯一の不安材料はやはり「上がり勝負」「高速決着」になった時に最後の決め手を持っていないということです。気性的にもまさ幼さを持っているでしょうから道中で掛かってしまったり、物見してしまう可能性すらあります。2400mという距離を坂井騎手がどれだけ集中させられるか、今回はそれに掛かっていると言えます。

総合指数優秀馬
1位 シンエンペラー(10.162)
2位 ジャスティンミラノ(9.826)
3位 シュガークン(9.586)
4位 コスモキュランダ(9.566)
5位 ショウナンラプンタ(9.461)

総合指数トップはシンエンペラーとなりました。
ここでは全ての馬をすでに紹介していますので、昨年のダービー指数を紹介しておきます。

2023年ダービー総合指数
1位 ファントムシーフ(10.720)8着
2位 スキルヴィング(9.873)
ご冥福をお祈りします。私は君を忘れません。
3位 ハーツコンチェルト(9.467)3着
4位 ソールオリエンス(9.332)2着
5位 タスティエーラ(9.156)1着

昨年はこのような結果でした。しかし今年の指数の出し方と昨年では指数の係数を修正しているので、今年の方が総合指数は高くでます。今年に換算すると…ハーツコンチェルト9.967、ソールオリエンス10.032、タスティエーラ9.756となります。そう考えれば今年の指数を見る限り、上位2頭だけが昨年レベルということになるでしょうか。そういう意味では世代レベルは良いとまでは言えないのかもしれません。ただこれからの成長力もありますからね。ベラジオオペラが大阪杯で優勝したのもまさに成長力です。あまり悲観的に考えずに応援していきましょう。

G1 東京優駿:中間考察該当馬

★中間考察該当馬★
本命候補
シックスペンス
・ジャスティンミラノ
シンエンペラー

相手候補
シュガークン
・ショウナンラプンタ⓫
ダノンエアズロック
・コスモキュランダ
レガレイラ

今回の中間考察該当馬は上記のような形で行きたいと思います。

今回も予想を読んでいただき、ありがとうございました。この記事を書き始めてからすでに12時間ほど経過しています。私は月曜休みなのですが、まさにこの記事のために休日をすべて費やしています。最近残念ながら心無い言葉をかけてくる方も増えてきてしまっていますが、それでも多くの方に応援していただいているのが支えとなっています。今回も考えに考え抜きました。しかし、戦いはまだまだこれから。本番までも考え続けます。ぜひ動画や最終見解も楽しみにしていてください。よろしくお願いします!記事を読んでくださった全ての方に幸あれ♪

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バークレー教授
予想には一切妥協しません!独自の指数データを日々改善させて的中率をあげていきます!