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自宅で多重録音して演奏動画を作る方法


多重録音とは

多重録音とはドラム、ベース、ギター、キーボード、ボーカルなどのマルチなパートをそれぞれ録音しておき、最後に同時にすべてを再生することで、あたかも複数人構成のバンド演奏が目の前でライブ演奏しているような音声を作り出す行為です。最低限の費用でこれを実現する方法がMTRを使う方法と、オーディオI/Fを使う方法があります。

MTR(Multi Track Recorder)を使う方法


TASCAM DP-006

少し前までは音楽の多重録音とかを趣味でやるならMTR(マルチトラックレコーダー)という機器の一択でした。これは読んで字のごとく録音を複数回行って、最終的にはすべてのトラックを同時再生してマスタートラックにミックスダウンするという、いわゆる個人用スタジオ録音機器といったものです。

そういったMTRの一つであるTASCAM DP-006は、4トラックの多重録音ができるコンパクトな機器です。どういうことができるのかというと、まずはドラムの打ち込み、そしてギターやピアノなどの楽器の録音です。録音も生音を内蔵マイクで拾うやり方と楽器をケーブルでつないだライン録音が選べます。

オーディオI/FとDAWソフトを使う


もう一つの方法は、PCやMacにオーディオI/Fを付けて楽器やマイクの音をPCに取り込み編集する方法です。私はこの用途にはYAMAHAのAG03というオーディオI/Fを使っています。オーディオI/Fはアナログな外部の音源の音をPCにUSB等で接続して繋げる機器です。

そしてこれが重要なポイントですが、オーディオI/Fを買うと漏れなくその時点で流行っているDAWソフトの機能限定版がオマケでついてくるので、これを使ってMTRと同様にしてマルチトラックレコーディングを行うことでPC上で多重録音ができるようになります。

DAWソフトには組み込みのソフトMIDI音源がついてきます。別な言い方をするとたいがいの楽器を打ち込みで演奏させることができます。私はまずドラムパートを打ち込みで作成し、別トラックに楽器の演奏を録音して多重録音を行っています。DAWソフトの場合も、オーディオファイルへの書き出しといったメニューでWAVファイルなどへの変換が行えます。

動画編集ソフトで演奏動画を作る


DAWソフトのAbleton Live

究極の技は、AG03等のオーディオI/Fのループバックという機能を使ってPC内でDAWソフトで作った多重録音の音源を鳴らして、オーディオI/F経由で楽器を演奏した状態を、動画作成ソフトでカメラ映像、PC内で鳴っている伴奏を使って動画を撮影する、これでYouTubeとかアップできる演奏動画が作れます。

このようなループバック機能のないオーディオI/Fでも問題ありません。その場合は、伴奏の音声をMTRのトラックにインポートした音声を再生しながら別トラックに接続した楽器を演奏した音声をMTRの外部出力端子(ヘッドフォン端子やオーディオ出力端子)からオーディオI/Fに接続すればいいのです。この方法の場合、PC上ではカメラ映像と音声(オーディオI/Fを選択)を使った動画撮影を行えば同様な演奏動画が作成できます。

まとめ

今はとても便利な時代になったので、ちょっと前なら音楽スタジオでも借りて大がかりな録音、撮影機器でも使わないとできなかった多重録音が、自宅でPCとオーディオI/Fがあればできるようになりました。ちょっとした演奏動画もバックの伴奏が入るだけでぐっと引き立ちます。みなさんもぜひ一人多重録音・録画の世界を楽しんでください。