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40年の『物語』を完結しよう!

WWEネットワークでのPLEが日本で制限がかかりAbemaでの視聴を促されてから葛藤もありながら遂に課金して『ロイヤルランブル2024』を観た。
正直に言えば昨年までのWWEネットワークでの 9.99$(1500円弱)視聴の方が現地実況で気持ちよく観れたとは思うのだが。。。一方で AbemaでのRAWとSmacksDown配信については字幕(及びテロップ)と日本語実況のバランスは過去最高水準でありそういうものだと納得した方が健全である。
それ以上に今回4000円の課金を踏み切らせたのは。。。プロレスファン以外も最近頻繁に流れてる?PS4/5ビデオゲーム『WWE 2K24』CMでの『ストーリーを終わらせる』という殺し文句であった。

これは2年前WWEに電撃復帰したコーディ・ローズ(Abemaではローデスとしているが個人的に私はダスティはローデス、コーディはローズと認識)の決め台詞である。IC王者までは現在のドミニク・ミステリオ以上に順調だったコーディだったがWWEを去る直前は兄ゴールダストとのコンビでスターダストというキワモノとして足踏みが続いた。今も昔も、日本もアメリカも結局は海外修行や団体移籍を行う事がスランプからの近道だという事を証明したのがコーディのこの2年であり、いよいよ『アメリカンドリーム』
ダスティ・ローデスの息子さんがWWEの頂点に立つという『物語』が2年コーディのランブル2連覇&ローマン指名で完結しようとしている。でも本当に完結する『物語』はアメリカンナイトメアストーリーなのか?
もちろんこの『物語』だけで充分なくらい今のコーディは素晴らしい。
しかしWWEにとってレッスルマニア40で終わるのはもっともっと大きな大河ドラマの終焉であると今日PLE生配信を観て確信した。

今から5年前の2019年。。。女子部門が初めてメイン(シャーロッテvsロンダvsベッキー)を飾ったレッスルマニア35が行われたニューヨークでは直前にROH主催ながら実質新日本プロレスのMSG侵略が行われた。今にして思えば世界配信対戦の頂点ともいえその後プロレス界は『コロナ禍』という予期せぬ危機に見舞われた。所謂『無観客』の試合映像に私もそれまで何年も続けていたWWEネットイワークを有観客に戻るまで1年以上辞めてしまった。冒頭のAbemaへのWWEサービス移行に至ったWWEの買収(おそらく5年前なら笑い話だったUFCと親会社が一緒になる嘘のような現実)は世界的で起きたそういう事の残念な最終結果でもある。しかし流石はWWE!世界のエンターテイメントである。まさに私がWWEネットワークを解約した 2020年のMITB直後に『コロナ禍』を逆手にとった大戦略に舵をきった。無観客時代でブーイングが起こらない事を良い事にその最先端に立たされていたローマン・レインズをプロレス界にはもはや過去の亡霊となった『NWA』スタイルの負けそうで負けない長期保持タイプのヒール世界王者に仕上げてしまった。そうなのだ!コーディのアメリカンナイトメアストーリーはここ数年で最も感情移入できる『物語』であるが、その裏でWWEにとっては『nWo』ショック以来の危機を乗り切ったローマン・レインズの4年近いこの時代では奇跡に近い長期政権も完結すべき『物語』なのである。

そして更に村上春樹小説『1Q84』の舞台 1984年とはプロレス界。。。特にアメリカンプロレスにとっては今に続く巨編大河『物語』が始まった年でもある。この年の1月に前年日本のIWGPで優勝したハルク・ホーガンが王者となりWWF(当時)はニューヨークMSG主戦場から舞台を世界進出へと走り出した。翌年1985年の春に開催された『レッスルマニア』は今年2024年で遂に40年記念大会を迎える。こういう場合2年前の新日本プロレスのように50周年の方が歴史的な意味を持つし実際もし10年続くならばその時はもの凄いお祭りになると思う。しかし私はレッスルマニアの歴史とは

 ・少年ファン開拓期
 ・大人になった彼らへの姿勢期

の10年を2回繰り返した今回40年大会にこそ意味があったと思う。
大雑把に分類すれば前半10年はわかりやすく言えばハルク・ホーガンからジョン・シーナに引き継がれ、後半10年はザ・ロック(もちろんストーン・コールドの存在あってだが)からローマン・レインズに引き継がれた周期であり、それをコントロールしてきたのはもちろんビッグボスたるヴィンス・マクマホンである。そしてそれは同世代故に反旗を翻された不安定な最初の20年を、盤石の権力で安全にやり直したかった次の20年で完結する筈の『物語』であった。実際にWM13と33(2回目の13)という不吉な数字回のメインはアンダーテイカーが締めている。。。
アメリカドラマ『LOST』ファイナルシーズン第1話『LAX』ではオーシャニック815便が墜落せずロサンゼルス空港に無事到着する並行世界を描いているが、おそらくヴィンスにとって2回目の20年を安全運転で無事に到達すべきがレッスルマニアXLだったと思う。ただもしそれが実現していたらヴィンスは更に極めた3回目を繰り返したのだとも思える。その象徴こそがオースティン・セオリーだったのだろうか?もちろんレッスルマニアは来年も再来年ももっと大規模で開催されるのであろうが。。。この40年に渡るヴィンスの40年こそが今回完結される最大の『物語』である。

最後に今回Abemaに4000円課金して改めて。。。やはり自分にとって大切なジャンルは少額ながらも課金する事で支えていかなければないと思っていた方が良い。悪口の意図では無く正直今の私には現在の日本のプロレスにかつて求めていた何か?は感じられない。ただ逆言えばWWEが未だに世界レベルで所謂メジャーなプロレスを続けていなければもうプロレスは観ていないと思う。今は大配信時代でプロレス以外のコンテンツは充分にその隙間を埋めてくれるとは思うが、今日ロイヤルランブル生配信を観てやはりここにしかない何かを改めて感じられた。WWEネットワークは次世代メディアが誕生するまで永久に続くものと思っていたが10年すら日本では機能しなかった事を考えるとゾッとする。自分の大切なジャンルを守るのは自分である。
レッスルマニアXLで40年の『物語』の完結を見届けてまた次の『物語』に是非旨踊らせたい。





















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