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『K』無き時代の『J』と『Q』と『A』

まだ輪郭すら見えない時代の渦の中を彷徨うのも意外と心地よい。
レッスルマニアのもう一段階前のイリミネーションチェンバー目前の『ロック問答』は久々に虚実入り混じった何とも言えない空間だった。くどいようだが昨年までのWWEは40年続いた『ヴィンスサーガ』の最終章だった。それはゲーム・オブ・スローンズで言えば玉座に座る者が一時的に空白になった時代でもある。『K(キング)』に現時点で最も相応しい?存在がロック様であり、今週 SmackDownではある意味猪木的でもあった。

流石に王位に就く前のジョフリーと言う気は無いが、現統一WWE王者コーディ・ローズが現時点でWWEの『J(≒皇子)』としてまずは一年王座を守り続けてきた。これだけはもうどうしようも無い事だがロック様との対面はやはり猪木と棚橋くらいの貫禄差が現時点ではまだある。ただそれは当然である。ロック様が対峙すべき本当の相手はコーディではない。正直ロック様はスーツ姿でドウェイン・ジョンソンを名乗った方がヴィンスの次の玉座に相応しい佇まいである。しかしロック様の前に立ちふさがるべきHHH=ポール・レベックのフォーマル姿に対し『役員』ロックとしては現時点ではこれが正しいとも考えさせられた。

HHHが本当にそれを望んでいるか?はどうでも良いのだが。。。『Q(クイーン)』シャーロッテ・フレアーがロイヤルランブルを制し復帰した今、こちらは勝手にHHHの思想的なものを考えてニヤリとしてしまう。それはロック様を頂点とし裏『J』のローマン・レインズを中心とする所謂『一族』に対して、HHHの崇拝?するNWA系名家の復活である。ローズ家とフレアー家が『ヴィンスサーガ』の40年が終わった途端に亡霊のようにWWEを支配する景色こそHHH的思想?の王道復古と言えるものであり、それこそが『K』=玉座を巡るロック様vsHHHの New Era と言えよう。

昨年レッスルマニア40のエンディングを私はマルチバース的なMCUの最新作的と評したが、前述迄の世界観はまるでスカイウオーカー家と暗黒皇帝家によるスターウォーズ的な血脈物語に見えてしまう。映画ライター高橋ヨシキさんが『結局皇帝の勝ちかよ!』と評していたように、結局レイがスカイウォーカーをタイタニック名場面ばりに襲名したところで皇帝の血脈が勝利しどんなに愛くるしくてもベイビーヨーダなグローグーが活躍するSW的世界観がまだ名前のないWWEレッスルマニア新サーガの景色でもある。

そんな中ストーリー的には大満足とはいかなかったもののこの血脈世界を最終的にひっくり返してくれた『コブラ会』的世界観をSW的世界観のWWEで今年演じてくれるのが『A(エース)』ジョン・シーナの存在である。一族でもNWAの亡霊でもない名も無き存在だったシーナが『ピースメイカー』を経てのコーディ戦が実現すればまさに『J』vs『A』である。そしてこれはある意味では形を変えたHHHvsヴィンスのイデオロギー対決とも言える。

更にはおそらくこれもWM41で実現するであろうローマン・レインズvsセス・ローリンズもやや強引な見方ではあるがロック様vsヴィンスによる『J』vs『A』と言えなくもない。シーナとセスはヴィンスがホーガン、ナッシュ替わる安全運転LAXの20年にチョイスした血縁に縛られない『A』である。更に更にややこしく考えればコーディvsシーナとローマンvsセスは試合同士での競い合いとして観るべきものである。更に更に更に女子イリミネーションチェンバー戦でリア・リプリーの相手が誰になるのか?は昨年曖昧になった『Q』の座を争う重要な試合でもある。それとも本来『Q』の大本命ステファニー・マクマーンは何時姿を現すのか?

なんとなくまとまりきらない中での締めとして。。。冒頭の『ロック問答』はジョン・シーナ引退ロードと並行した新日本の棚橋選手による『ストーリー潰し』への対策とも見て取れた。要はコーディvsシーナが実現する前に棚橋選手のIWGP挑戦を先に行う事で二番煎じ印象を残すのを封じた?ともとれるのだが如何に。しかし棚橋引退ロードもそんな単純なストーリーとも思えない。なるほど問いかけは『本当に海野翔太だけが悪かったのか』である。海野選手はG1優勝し後藤選手からIWGPを奪いドームでは棚橋引退試合に王者として逆指名する義務がある!?シーナvs棚橋の日米『A』対決についても一年通して勝手に妄想してゆきたい。












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