五輪組織委元理事、なぜ逮捕?
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)と大会スポンサーのAOKIホールディングス(HD)の資金授受を巡り、東京地検特捜部の捜査が本格化していましたが、ついに受託収賄で高橋氏が、贈賄で青木氏を含む3名が逮捕されました。
もう、うんざりですよね。
コロナ禍で無観客でも「誰かの笑顔のために」と正々堂々と戦った選手の舞台に汚点をつけたのです。
逮捕された高橋氏は「スポーツビジネスの第一人者」「電通のプレゼンスを高めた大物」として世界にその名前が知られている実力者です。
贈賄の青木氏も1代で「スーツのアオキ」をここまで大きくしたビジネス界でも注目されている人です。
そんな影響力のある2人のオリンピックという世界を舞台にしたイベントでの汚職ですから事実であれば世界の恥の発信をしたようなものですね。
祭典の裏で疑惑絶えず
実は今までにこんな世界戦で汚職で摘発される事件が増えているのです。
筋書きのないドラマの裏で、筋書きによる資金が流れているなんて笑えません。
今日はそんな恥ずかしいトップの贈収賄について
*捜査で分かったことは?
*受託収賄罪とは?
*疑惑は国内外で
とみていきながら
スポーツビジネスの公平さや透明性の確保といった信頼回復が急務
というスポーツマンシップを運営側に求められている現状をみていきたいと思います。
*捜査で分かったことは?
受託収賄容疑で逮捕された高橋元理事が、五輪組織委の理事に就任したのは2014年6月です。そして資金のやりとりは、17年10月ごろに始まったと言われています。
2017年に高橋氏の会社とAOKIホールディングス(AOKIHD)の間でコンサルタント契約が締結しました。
そして22年3月までの間にAOKIHD側から五十数回にわたって計5100万円を受領したそうです。17~18年にはそれとは別に約2億3千万円が渡ったとされています。
高橋元理事は民間人ではなく、法令上
「みなし公務員」
とされ、職務に関し賄賂を受け取れば刑法の収賄罪に問われるのです。
今回のケースでも東京オリンピックの最終的な大会経費の総額が1兆4238億円になったことが報告されました。かなりの部分が国民の税金から運用されているのです。
それを動かすことのできる理事とは特別な立場にあります。
特捜部が着目するのは、高橋氏が電通で専務を務め、組織委内でも発言力が大きかった点です。
国内外に太いネットワークを持っていて、その影響力が現実の決定に左右していたことに加えて、AOKIHDが五輪事業に参入して業容を拡大する時期と重なっていたことも、資金が賄賂という見方を強めた要因とみられます。
17年6月ごろに青木前会長側にスポンサー就任を持ちかけて、スポンサー就任の1カ月前の18年9月には公式ライセンス商品の早期販売などの要望を青木前会長側から聞いたことも判明しています。
今後の焦点は、便宜が図られたか?を証明する事になります。
*受託収賄罪とは?
元理事の逮捕容疑となった「受託収賄」は、具体的な依頼を必要としない「単純収賄」よりも悪質とされ、法定刑は贈収賄の法定刑の中で最も重い7年以下の懲役と規定されています。
しかし一方で贈収賄に関しては、構成要件の1つである依頼の多くは密室で行われて、証拠はどうしても容疑者らの供述が中心となるために、客観的な証拠の少なさから、立証のハードルは高くなるのです。
近年、特捜部が国会議員を摘発してきた統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件や鶏卵汚職事件でも適用されたのは単純収賄罪で起訴されています。過去10年で私立大支援事業を巡る文部科学省汚職事件の1件のみ受託収賄での起訴でした。
今回、検察側が受託収賄を選んだのは、関係者の供述だけでなく、AOKIHD側と高橋元理事側とのやりとりに「請託」を示すメールや文書などの物証が残っていたからとみられています。
公訴時効は受託収賄罪が5年贈賄罪は3年。17年10月以降の事件で起訴出来ると判断したのです。
贈賄罪に問われた青木氏は時効成立分を除く19年9月以降の提供資金2800万円に絞って立件したとみられています。
*疑惑は国内外で
実は海外でも近年スポーツをめぐって贈収賄の摘発が続いています。
例えば15年にサッカーワールドカップを巡り、国際サッカー連盟(FIFA)副会長ら関係者30人が摘発される汚職事件が発生しています。
又、16年のリオ五輪招致を巡っても、IOC委員に賄賂を渡したとして、ブラジルの連邦裁判所は組織委会長だった被告に贈賄やマネーロンダリング疑惑などで禁錮30年11月の判決を下しているのです。
こんなことが続けば、本当に選手が可愛そうですね。
オリンピックの商業化は1984年7月、ロサンゼルスの空から噴射装置を背負った「ロケット人間」がスタジアムに降り立ったロサンジェルス5輪から始まったといわれています
スポーツビジネスの公平さや透明性の確保といった信頼回復が急務
ですね。
見ていて面白いだけではなく、心からスポーツ観戦を楽しみ憧れて、オリンピックに出てきたいと思うことでスポーツの進化は続いてきたと思います。
近代5輪の前の「オリンピア祭典競技」は、戦争があっても中止して競技を競い合った平和の祭典でした。
しかし、最後は祖国が優勝者に支払う報奨金は跳ね上がり、褒章欲しさに、不正を働くもの、審判を買収するものが出て、オリュンピア大祭は腐敗したのです。
五輪関係者が大会に関わる報酬や手数料を受け取ってはならないとする国際オリンピック委員会倫理規定にも抵触する可能性があり、30年の札幌5輪の誘致にも影響がでるかもしれません。
正々堂々と勝負する、オリンピックの精神を見習うのは選手だけではないようです。
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