500キロ先に手触り伝える 大林組,遠隔でも熟練工の技
数年前にユニバーサルスタジオへ子供といった時、4Dで体験するアトラクションがあって立体映像にステレオ音響と風や水しぶきまで飛んできて、臨場感たっぷりでした
時代を経て今はメタバースが広がり始めた時代に、リアルを感じれる技術の価値が上がってきたと思います。
今注目されているのが、「触る」感覚についてです。
ネットに第3の感覚
を現実社会で役立てるために今日は
*ハプティクスとは
*視覚・聴覚の次に来る触覚
*様々な業界で広がるハプティクス
とみていきながら
「見る」「聴く」が中心だったデジタルに「触る」が加わる事で、幅広い分野で革新が生まれる
というデジタル技術が重要性を増す中で、デジタルを使い身近で使い勝手の良いものに変える技術としてハプティクスを使える可能性をみたいと思います。
*ハプティクスとは
今、手触りや衝撃といった触覚をデジタルで再現する技術「ハプティクス」の開発が相次いでいます。
建設会社大手の大林組は離れた場所に置いた2台の装置で力の感覚を共有し、現場にいなくても熟練工が左官作業ができる技術を開発しました。
ハプティクスとは
振動や超音波などで衝撃や弾力感といった触覚を再現する技術のことです。
人が操作するコテを模したハンドル装置(マスター)と、現地で動作するコテを設置したAvatarロボット(スレーブ)で構成されています。
マスター側は、スレーブから送信された映像を視覚で確認しつつ、ハンドル部分ではコテの力触覚が再現されるため、実際に壁にコテを当てたかのような感触を感じながら作業ができます。
スレーブ側は、マスターで動かしたハンドルの角度や力の入れ具合をリアルタイムに再現できるのです。
これで世界中の建設現場や危険環境下の人的作業を技能労働者が移動することなく遠隔実施できるようになりました。
他にも熟れたミカンを潰さずにつかみ取ることや、PCRテストで綿棒を鼻に入れる作業などが遠隔操作で出来る技術が開発されていて、農業や医療の現場でも利用拡大を目指しています。
*視覚・聴覚の次に来る触覚
感覚をデジタル化して伝える技術は、主に視覚と聴覚の分野で進められてきました。
その理由は、人間の情報能力の8割以上は視覚から得られていて、映像メーカーなどが研究開発をけん引してきました。
そして、情報能力の1割前後は聴覚から得られていて、音響メーカーが研究開発を同様に進めてきました。
おかげで開発が進んでいき、3D映画やドルビーサラウンドなど広く普及してきています。
そうなると次に「触ってみたい欲求」が高まってきています。
しかし、触覚の難しい課題は
「硬い・柔らかい」「すべすべ・ざらざら」など
多種多様に対応しないといけないこと
「重い・軽い」や「押されている・引っ張られる」
は関節の位置や筋肉の伸縮で感じるなど
複数の感覚の組み合わせで感じると
ハードルが高いのです。
しかし実用化したものでは、プレイ中の振動や衝撃を再現するために、PS5のコントローラーにハプティクス技術が使われていて、ショットガンに撃たれた感覚を振動で再現しています。
高い壁を技術で克服しつつあるのです。
*様々な業界で広がるハプティクス
メタバースに活用をにらみ米メタや中テンセントなど大手も参入しています。
それは、ハプティクス世界市場は26年46億ドルと21年に比べて8割成長すると見込まれているからです。
そして他業種で多くの会社が取り組んでいます。
製造関連では
東洋鋼鈑×モーションリプ
が取り組んでいます。
ロール状の鋼鈑に付着した金属片やほこりなどの異物をのふき取り作業をリモート化しました。
高速回転する鋼鈑に砥石などを押し付けなければいけなくて危険を伴う作業で、熟練の技をリスクなく実現出来たのです。
建築
大林組×慶應義塾大学
左官作業でコテを壁に押し当てている感覚を数値化して
再現しました。
精度は1㎜単位で再現されるので、表面上の仕上がりもそん色なく実施することが可能になりました。
医療・福祉
1.帝人×慶應義塾大学
動かして欲しい筋肉を振動で知らせる触感スーツ開発しました。
介護の分野での利用が見込まれていています。
2.米ジョンズ×ホブキンス大学
触覚を備えた義肢を研究しています。
医療の現場では、ハプティクスの恩恵は多くて、義肢への感覚をより実際の手足に近付けることが出来ますし、医師が遠隔治療する際にも有効です。
モビリティー
ホシデン×英ウルトラリーブ
空中でボタンを触った感覚を得られる車載ディスプレーを提供しています。22年にはホシデンから本格的に出荷を始めます。
ウルトラリーブの技術は数百のスピーカーから僅かに時間差をつけた超音波を発して、空中の狙った場所に風の様な抵抗感を感じる場所を作り出すことが出来るのです。
ウルトラリーブには中国IT大手のテンセントが出資を決めています。
物流
ゼラロボティックス
ピッキングロボットに触覚の強さや方向を感じ取る皮膚感覚を与える小型センサー端末を使用します。
物流ロボットに応用して高度化を目指して行くそうです。
コミュニケーション
NTT
振動を使って遠隔でハイタッチできる装置を開発しました。
演劇やミュージカルにおける「触覚を通じたインタラクティブ体験」で、最近人気の2.5次元ミュージカルでは「ハイタッチ」のような舞台と客席の「つながり」が重視しているそうです
メタバース
米メタ(旧フェイスブック)
仮想空間で触覚を体験できるグローブを開発中だそうです。
エンターテーメントとハプティクスとは相性が良くて、今後もメタバースの中でリアルを感じるためにニーズが高まると思われます。
現実でどんどん研究が進んでします。
これはまさに
コロナ禍でデジタル技術の重要性が広まった!
視聴覚中心の感覚のデジタル化に触るが加わる事で幅広い分野で革新が生まれる
が進んでいる事になります。
コロナで非接触という意味が大きくなる中で、接触する感覚を維持する大切さに触れた気がしました。
おすすめKindle 本
触れることの科学 なぜ感じるのか どう感じるのか
触れる事は実はとても人間にとって大切な感覚で、好きな人触られると幸せになったり、マッサージも手の温かさが効果を倍増したりと体に直接作用します。
触れる事って面白そうと思う方是非一読下さい
フィリピンの情報サイトを運営しています。
幅広く情報発信しています。ご覧くださいませ
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