アメリカの大平原が生む「トルネード」の脅威
アメリカで先日10日夜から11日にかけて数十の竜巻が発生して、複数の州にまたがって甚大な被害をもたらしました。
中部に広がる大平原では、寒気と暖気が遮るものなく衝突するため、積乱雲が発達しやすいのです。
強大な「トルネード」による被害が毎年のように起きていて、深刻な脅威となっていますが、今回の竜巻は最大級の大きさでした。
しかし、竜巻のメカニズムの複雑さや局地的で短時間な現象であるため分析は苦難に満ちています。
その分からないことが多い竜巻トルネードですが
*アメリカの大平原で発生する巨大竜巻
*竜巻発生の仕組み
*竜巻発生を感じた時の対応
と分析をしながら
謎の多い竜巻は予測が難しいから兆候があれば早めの非難を!
という当たり前で一番大切なことを心に刻みたいと思います。
*アメリカの大平原で発生する巨大竜巻
今回の竜巻は、温帯低気圧が米国の中部から北東へ移動し、寒冷前線の前面にスーパーセルと呼ばれる巨大な積乱雲が発生したことで起きました。
このところアメリカ南部では記録的な暑さが続いており、ここに低気圧に伴う寒気がぶつかって大気が不安定になったことが竜巻発生の原因とみられいます。
今回はケンタッキー州で2つから4つの竜巻が発生して、100人以上が死亡したおそれがあります。
推測されるこの竜巻は、最大直径4キロで風速130mに達しており、4時間で350キロ移動したとの事です。
一般的な積乱雲は1時間程度で弱体化するのに対して、今回のようなスーパーセルは数時間にわたって継続するため、竜巻が複数発生したり強大になったりしやすいのです。
スーパーセル(supercell)とは、回転する継続した上昇気流域(メソサイクロン)を伴った非常に激しい嵐(雷雲群)のことです。 マスメディアなどでは「超巨大積乱雲」と呼ばれる事もあります。
今回被害が出たアメリカ中部は、竜巻による被害が毎年のように発生することから「竜巻街道」と呼ばれています。
西部のロッキー山脈と東部のアパラチア山脈との間に大平原が広がり、寒気と暖気が遮るものなく衝突することで巨大な積乱雲を生むことが多いのです。
2020年速報値では1075個の竜巻が発生しました。
1950年は201個でしたが、ドップラーレーダーの普及で多くの竜巻を観測することが可能になったのです。
*竜巻発生の仕組み
竜巻が発生する原因は、空気が暖められることで急速に発達した積乱雲の影響であることは間違いありません。
しかし、いまだに解明されていない部分もあるため、発生を予想するのが難しいといわれています。
気象庁では、竜巻の発生原因について、気象要因別・月別に分類し、その傾向を伝えつつ注意を促しています。
竜巻のできる仕組みをみてみると
渦巻きには縮まると回転のスピードが速まる性質があります。
例えば、フィギュアスケートの選手が、回転している間に手足を水平に伸ばして広げると回転のスピードが遅くなり、手足を体に寄せて縮めると回転のスピードが速まるのは、この性質のためです。
それと同じように、地面付近にあった弱い渦巻きが、積乱雲の強い上昇気流によって上下に引き伸ばされると、幅が細く縮められて回転のスピードが速まります。このような仕組みで、とても強くなった渦巻きが竜巻です
世界中で最も竜巻が多く発生する国はアメリカです。
毎年のように1000個超の竜巻が発生しています。アメリカの中西部において北極からの寒気団とカリブ海からの暖気団が衝突し、大気が不安定な状態になることが多く、積乱雲が発達しやすい状況であるためと考えられています。
*竜巻発生を感じた時の対応
竜巻が発生する兆候としては
① 雷がなる
② 冷たい風が吹く
③ 黒い雲が接近
という現象が起きます。
竜巻が近づくサイン としては
「ものやゴミなどが巻き上げられながら飛んでいる」、
「土 煙が近づいてくる」
「耳鳴りがする」
「ろうと雲が見える」
「ゴーッという音がする」
などで、竜巻がすぐ近くに迫っているサインですから、もはや事態緊 急です
直ぐに
1.頑丈な建物へ避難してください!
2.窓ガラスを閉めて、ガラスが割れても飛び散らないようにカーテンや雨戸を閉める事も大切です。
3.割れたガラスや飛んでくるもので怪我をしないように、部屋の中央で待機することで安全を高めます。
竜巻に出会ってから逃げ場所を探すようでは大変です。
竜巻は非常に発達した積乱雲に 伴って発生することがわかっていますので、積乱雲が近づくサインに気づいたら、すぐに頑 丈な建物の中に避難しましょう。
ともかく命があってのものだねですから、
日本では発生件数が少ないとはいえ、謎の多い竜巻は予測が難しいから兆候があれば早めの非難をお勧めします。
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