少子化・デジタル化で変わる塾の再編時代
段々娘の受験が近づいてきて、焦る娘になんと声を書けたらいいのか分からずただ祈る日々を過ごしています。
という割には口うるさく文句を言っているかも?ですが(苦笑&反省)
先日イギリスの投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズが、日本の「家庭教師のトライ」を買収しました。
しかも、今回の買収を機に業界再編が一段と加速する可能性もあるとも言われているのです。
日本は少子化で教育の業界はまさに先の見えない嵐の中を突き進んでいるのかもしれませんね。
そこで今日は
*家庭教師のトライが英ファンドCVCに買収の実態
*増える倒産、伸び悩む市場の現状と未来をみてみる
*トライがトライしていたデジタル化が強みに
とみていき
投資ファンドには今が好機に映っている。
子供1人への投資が増える中で、業界で過当競争下でトレンドのデジタル化が進み、資金投資が増える可能性があるから
という見立てに対して、投げかけたい疑問が
中小の学習塾の経営破綻の中、デジタル化で一人勝ちが本来の教育の姿か問われる
です。
是非ブログを読み終わっても一緒に考えることが出来ればいいなぁと思っています。
*家庭教師のトライが英ファンドCVCに買収の実態
実は今回の買収額は、なんど1100億円でした。
企業が稼ぐ力と言われている指標でEBITDAといわれる利払い・税引き・償却前利益が80億円強だったそうです。
稼ぐ力に対して、買収額は13倍を超えたのは、なぜでしょうか?
売上高が同規模で東進ハイスクールを手がけるナガセのEBITDAに対する時価総額は6.2倍です。
評価が分かれてあのは、
エドテックと言われる教育のIT化がトライは非情に進んでいると高評価だったから
です。
*増える倒産、伸び悩む市場の現状と未来をみてみる
では、教育を巡る環境をみてみましょう。
少子化の景況で、教育関連の市場は頭打ちになっています。
10歳から19歳の年齢のボリュームは右肩下がりです。
2015年は総人口比9.2%で11,675千人いたティーンが2065年には人口比7.4%でほぼ半分の6,556千人に減少すると予測がたっています。
ただ、民間調査会社の矢野経済研究所によると、21年度の学習塾・予備校市場規模は9690億円の見通しです。
子供は少ないけど掛けるお金は増えてて市場規模はまだ劇的に減ってはいません。
なんとかここ数年、横ばいを保っています。
一方、倒産はどうなっているか?と言えばこれはずっと増えています。
少子化で市場が小さくなっていることに加えて、今回の様にIT化がカギを握る時にどうしてお金のパワーがものをいうことが多いからでした。
個人塾がビッグデータにアクセスして生徒の特性を分析して指導なんてできないですよね。
アプリで見逃し授業をどこでも復習も無理なんです。
どうしてもここは弱人強食の世界になっています。
デジタル革新=技術×資本(専属開発チーム×開発費)
を覆すのは大変そうですね。未来は強い者が勝つ市場に向くかもしれません。
*トライがトライしていたデジタル化が強みに
そんな業界で「家庭教師のトライ」がまさに
トライしていたのがIT化の推進
です。
15年にはオンラインで授業を配信して、生徒はスマホで質問できるサービスを開始しています。
19年スタートアップのギリアと資本提携しました。
ギリアとは数学などの回答が明確な論理系教科だけでなく、国語や社会を含めた主要教科の学力を、AIを使って約10分で診断するサービスを開発しています。
デジタル化に関して競合他社は表のとおりです。
競合他社では
「駿台予備校」は今春、オンライン専門の講座を開講しました。
AI教材を手掛けるスタートアップのアタマプラスと共同で、オンライン模試も開発しています。
他業界からの参入は
リクルートで学習アプリ「スタディサプリ」を個人だけでなく、法人にも提供を始めました。
又、オンライン対応に悩む学校向けに拡販して、3月には会員数は約157万人と1年で約2倍に急増したそうです。
9月には学習塾向けのサービスも始めて、すでに240教室への導入が決まっています。。
話を戻して、トライは
アナログな教育界でデジタル化AI化を進めて差別化
が評価されました。
そして今
投資ファンドは今の状況を好機として捉えています。
市場は頭打ちでも、子供1人当たりにかける教育資金は増えていますから市場はまだ力があります。
そこで各塾がAI化に向けて資金を提供しつつ、企業数が多い過当競争の中で再編の中心となれば、各塾の市場を飲み込むことで収益機会につながるからです。
と、結論づけた時、違和感を感じました。
普通のM&Aだとい感じたからです。
人を教えるって、ビジネスライクになりすぎていいのかな?赤字なら教えず撤退なのかな?
金八先生の名台詞なら
「俺たちは腐ったミカンを育てているじゃない、人間を育てているんだ!」
赤字だから教育は撤退しても言い訳はないのです。
効率重視のM&Aではなく、皆の質が高まるM&Aかどうかとちゃんと評価しないとだめですね。そんなことを感じています。
#家庭教師のトライ #教育再編 #デジタル化 #投資ファンド
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