ロレックス狙う「転売ヤー」

永遠のブランドと言えば、シャネルとかエルメスとかたくさん出てきますが、

時計と言えばやっぱり「ロレックス」ですよね。

ロレックスの誕生は1905年です。
ハンス・ウィルスドルフという青年が、ロンドンに時計会社"ウィルスドルフ&デイビス社"を設立したことが、すべての始まりでした。

当時はまだ懐中時計の時代だったにもかかわらず、将来性を完全に予想し、1907年、事務所をスイスのラ・ショー・ド・フォンに移転し、本格的に腕時計の製造を開始したそうです。

1910年には腕時計としては初のクロノメーターの認定を受けて、

1926年 防水機構
1931年 自動巻き
1945年 カレンダー

を装備して、その地位を気づいていったそうです。

しかし最近は、急激な需要過多で転売行為も起きて、その実勢販売価格が高騰しています。
その背景を

*時計マニアの聖地へ
*スイス時計、中国に流れ込む
*「招かれざる客」たち

とみていきながら

「異常な状況」がブランドを毀損しないか、恐れているのはロレックス自身だろう。

というロレックスの憂鬱に迫ってみたいと思います。

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*時計マニアの聖地へ

ロレックスの顧客といえば、年配で落ち着いた会社の社長ってイメージですよね。
実際に高級腕時計をするのは、生活に余裕のある40代男性が顧客のボリュームゾーンでした。

しかし、今は20代の若者がまめに正規販売店に通っているそうです。
日経新聞の記者が、ロレックスのお店に通う理由を聞いたら

なぜって、高く売れるからですよ。他の物だったら100万円も出さないし出せないです

と軽い口調でこう答えたそうです。

転売屋ではないと否定しましたが、実際には転売することで利ザヤは稼いでいてると答えています。

今、そんなロレックスが異常に高いんです。

東京の中野にあるジャックロードというお店は、独自ルートで並行輸入した新品が並んでいるそうです。

記者が俳優ポール・ニューマンが愛用した「デイトナ」というモデルを見つけると、販売価格3280万円だったそうです。

本人が着用した品は米国のオークションで約20億円で落札されていたらしい。

本体だけでなく部品ですら数十万円台で売られていて、「ベゼル」と呼ぶ風防まわりのリング状パーツ、文字盤、ブレスレットがアンティークな雰囲気を出すために購入されるそうです。


都内に住む40歳代の男性会社員が、人気モデルの「サブマリーナー」を20年ほど前に20万で購入したそうですが、ほとんど使わなかったので、査定に出すと95万円だったそうです。

最も人気が高いステンレススチール製の「コスモグラフ デイトナ」は2022年1月7日時点の実勢価格が509万円で、メーカー希望小売価格(約160万円)の3倍強に根が吊り上がっています。

11年末から21年末にかけての10年間で4.4倍に値上がりしており、同期間の日経平均株価の上昇率(3.4倍)を上回る。値がついたのには驚きだったそうです

*スイス時計、中国に流れ込む

わずか2週間で、実勢価格が80万円近く上がったこともあったそうですが

理由は「とにかく日本市場にモノがないということだと思います。アジアでの販売強化エリアが日本から中国に代わり、日本への供給量が減ったという話も耳にします」と店舗の方が説明しています。

ロレックスの供給量は不明ですが、スイス時計協会によると
2020年のスイス時計の年間輸出額は中国が10年前に比べ2倍以上の約24億スイスフラン(約3000億円)で、全体の14%を占めるそうです。

日本は5割伸びて約12億スイスフラン(4位)ですが、中国の勢いには及びません。

新型コロナウイルス禍で国内の富裕層は高級時計にいっそう目を向けるようになりました」と口をそろえます。

大手証券のアナリストは「リセールバリューが高く、売ったらお金にもなるので経営者が経費として購入し節税するケースも考えられます」と指摘しています。

しかし、販売店は、この異常な高値はバブル崩壊やリーマン・ショックの際の土地や株のように、ロレックス相場がいつか急落するとみています。

中古時計店では金額が大きいので、長く在庫として持つリスクを嫌って1割程度の利益で販売することが多く、手に入れる苦労を合わせると、美味しい商売とは言えないとの事でした。

*「招かれざる客」たち

今までのお客様以外の層が増えたことの弊害も起きています。

目立つようになったのが転売ヤーです。

ロレックスの時計を正規販売店で購入すると、保証書に購入日が印字されるので、購入したばかりの時計を売りに来ていたら、転売ヤーである可能性が高いですね。

犯罪も後を絶たなくて

21年7月に渋谷区の中古時計店でロレックスなど101点が盗まれました。
捕まった犯人はSNS(交流サイト)で闇バイトに応募して、報酬を受け取って時計は指示役に渡したと供述しています。
12月には栃木県佐野市の時計宝石店に4人が押し入り、ロレックス19点を奪って逃走したそうです。

良いブランドは良い顧客に守られているものです。

「異常な状況」がブランドを毀損しないか、恐れているのはロレックス自身だろう。

と新聞の最後の締めに共感しました。

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