就学児のいるワーママへ 幼保一元化について
日経新聞に「幼保一元化が進まない」ことについて記事がありました。
うちは今子供はもう中学生なので、夫婦ともにご飯の用意さえ気をつけておけば普通に働けますが、2011年に日本へ引っ越してきた時は3歳と5歳の子供と日本語の話せないフィリピン人嫁をおいて、どう働くか?苦労しました。
近所の幼稚園は当時延長保育がなかったので、歩いて30分の延長保育がある幼稚園に通わせました。
子育てに苦労する未就学児のいるワーママの何か情報になればと
今日は
*保育園・幼稚園・こども園のちがいについて
*世界各国では幼保一元化が当たり前
*なぜ日本は進まないのか?
について書いていこうと思います。
1. 保育園・幼稚園・こども園のちがいについて
0歳から5歳の子供を預けるときに、親には3つの選択肢があります。
保育所・幼稚園・こども園 の3パターンです。
メリット・デメリットも含めて書いていきます。
保育所
管轄省庁:厚生労働省
位置づけ:保育目的の児童福祉施設
ママの困ったこと
1. 入園は誰でもOKでない
2. 希望者が多くて受かるのが奇跡
3. お昼寝用の寝具や着替えなどが必要で手間
ママの嬉しかったこと
1. 保育時間が長いから安心して働ける
2. 夏休み・冬休みがないので安定して働ける
3. 0歳から受入れてくれる。
幼稚園
管轄省庁:文部科学省
位置づけ:学校教育法に基づく学校
ママの困ったこと
1. 預かり時間短い(1日4時間)
2. 延長保育ない所もある
3. 保護者が参加する行事が多くて負担が大きい
ママの嬉しかったこと
1. 専門職の教員が受け持ってくれている
2. 学校生活を意識したクラス制や集団生活形態である
3. 園と家庭で過ごす時間のバランスが良いと思う。
こども園
管轄省庁: 内閣府
位置づけ:園により異なる
ママの困ったこと
1. 入園の優先順位が親の就労状況で変わる
2. 保育園よりも保護者参加型イベントが多くなる
ママの嬉しかったこと
1. 幼稚園の準学校感、保育園の保育時間の長さ両方ある
2. 年齢層が広く異年齢教育に力を入れる施設も多い
にまとめられました。
この特徴を踏まえて、それぞれの家庭で自分たちに合うものを選べればいいですね。
2. 世界各国では幼保一元化が当たり前
一方で世界に目を向けてみると、子供の教育に関する部署は一元化されているところが多いです。
OECDの24の加盟国の中でも一元化していないのは日本と韓国ぐらいという方もいらっしゃいます。
では国別の状況を抜粋してみます。
イギリス
所管を教育省に統一。保育所などを教育体制に組み込む
スウェーデン
就学前学校に統合し1996年、所管を社会省から教育省に移行
ニュージーランド
所管を1986年教育省に統一。幼保の類型は残すが共通カリキュラムに基づく
シンガポール
幼保の共同統括機関を設立。4-6歳はどちらも教育省作成のカリキュラムに基づく
となっています。
一番いいたいことは「諸外国でちゃんと一元化しているところは、長期的な展望に基づいて実現している」ことです。
教育って1-2年で成果が出るものではないので、長い目でじっくり育てる体制が必要なんだと思います。
3. なぜ日本は進まないのか?
日本がこの一元化が進まない原因はなんだと思いますか?
日経新聞には、厳しい言葉で
縦割り行政・既得権益が原因
と書いてありました。大人の都合なのです。
そしてこんなことも紹介されていました。
首都圏の認可保育園の園長は
「別に今の制度で困っていない」
と様々な改革に消極的だそうです。自治体が園児を募集したり保育料を徴収してくれる認可保育や認定こども園では、競争原理は働きにくくて、経営側は「楽」だそうです。
90年代初頭に経済危機を克服するために、すべての人が学べる生涯学習制度によって、スウェーデンは知識産業を支える社会を目指して一元化を成し遂げたそうです。
国際競争力が下がってきているといわれる日本で、刹那的に今のことだけみていると、おもわぬしっぺ返しをくらいそうで怖いですね。
外国から学ぶことも多いなと思いました。
お勧めオーディブル
様々な教育改革で多くの経営者も排出した、元千代田区麹町中学校のカリスマ校長 工藤勇一さんのオーディブルです。ながら聞きが出来るのですがついつい聞き入ってしまうほどのロジックです。
こどものためにもかしこい親を目指したいですね。
音声配信の内容の要約になります。
良ければ音声配信もお聞きください
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