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新免疫細胞で転移がん攻撃 

コロナで毎日死者が増えていると、報道が繰り広げられていますよね。

第6派の死因は従来の肺炎ではなくて、基礎疾患が悪化していることなんです。

コロナで他の疾患の治療が出来ず、特に日本人の死因NO1をずっと挙げられている「がん」については、心配です。

2019年の日本人の死因をみてみると

1位 悪性新生物(腫瘍) 27.3%
2位 心疾患(高血圧性を除く) 15.0%
3位 老衰 8.8%

と、やっぱりがん治療は日本人にとって、大きな問題であります。

そのがんの9割は固形がんと言われるがんで、1割が形のない白血病などの血液がんでした。
そして今、固形がん治療に遺伝子を改変した免疫治療が進んできているそうです。

今日はガン治療の最前線を

*がん治療の現状をみてみる
*CAR-T治療がもたらす新たな可能性
*市場成長、課題はコスト

とみていきながら

欧米で生まれる新薬が多い中で、国内開発が安定供給への道

だということを見ていきます。

*がん治療の現状をみてみる

がんという病気ですが、世界で毎年2千万人が新たにがんを患い、その半数が亡くなっています。
世界の全死亡者数が約5千万人になるので、6分の1が、がんで亡くなっているのです。
そして医療が進み長寿化することに合わせて、がんを患う患者も増える傾向になることが予想されているます。

アメリカ調査会社BCCによると、がん治療薬の市場世界規模は26年には3137億ドル(約36兆円)になると見込まれていて、21年比で77%の増加を予想しています。 

治療薬は大半が肺がんや大腸がんなど固定がん向けですが、手術出来ない場所のある転移がんは放射線や治療薬での完治が難しいことは問題なんです。

そこで注目されているのが、血液がんで治療効果の出ている「CAT-T治療」です。

*CAR-T治療がもたらす新たな可能性

ここで「CAR-T治療」についてみていきます。

CAR-T治療とは、

患者の血液から免疫細胞にCAR(キメラ抗原受容体)と呼ばれる、体の中に侵入してきた異物である抗原を特異的に認識する抗体由来の部分と、

がん抗原を認識するTCR細胞受容体の細胞内タンパク質に存在する機能を

結合させて人工的に作製された、「がん抗原を特異的に認識できる受容体」を持つ遺伝子を体内に戻す治療法です。

この治療法は「血液がん」には有効です。

この治療法をスタートアップ企業がが改良を加えて23年には製造販売の承認申請予定で、がん治療が大きく進む可能性があるのです。

世界各社の開発取り組みをみていきましょう。

◉中国 カースジェン・セラビューティックス

CAR-T細胞に胃がんや肝臓がん、食堂がんなどにくっつく「タンパク質」を作る遺伝子を追加で組み込み、転移しやすい「がん」を追いかけて攻撃しやすいタイプを新開発しました。

承認に関しては中国では第一相治療を完了して、アメリカでも第一相治療を進めています。

23年に製造販売の承認申請予定だそうです。

◉アメリカ ポセイダ・セラビューティックス

投与したCAR-T細胞が体内で増えやすい技術を開発しました。体内での効果が持続しやすくなりました。

承認に関して、前立線がんで第一相治療を実施中で、予想以上の効果がみられています。

23年には治療を終える予定で、他の固形がん向けの治療も開発中だそうです。

◉日本 武田薬品工業

18人の固形がん患者の治療で第一相治療を2020年に実施を始めました。23年に完了予定だそうです。

◉日本 ノイルイシューン・バイオテック

 体内にもともといる免疫細胞を集めて作ったCAR-T細胞と一緒にがんを叩く技術を開発しました。

これは情報伝達を担うたんぱく質を出して免疫細胞を呼び寄せてがん治療効果を高めるCAR-T細胞だそうです。

40人の肺がん患者に第一相治療をこのほど始めました。

◉日本 ブライトパス・バイオ

信州大学と共同で軟骨部肉腫や固形がんに対して、医師主導で第一相治療を開始するそうです。

その後第二相治療を行う予定で25-26年の条件付きで早期承認申請を厚生省に申請する計画だそうです。

*市場成長、課題はコスト

この技術革新により、

CAR-T治療が26年に現在の5倍の76億ドルに成長

を予測されています。

成長の理由は現在CAR-T治療が一部のリンパ腫や白血病に留まっていますが、ここが拡大すると見込まれているからです。

承認する国も増える予定です。

中国が6月にCAR-T治療の製剤「イエスカルタ」を初承認しています。

いいことばかりに見えるこの治療法の最大の課題は

コストが非常に高いこと

です。

治療薬「キリムア」は国内使用1回3000万円と高額なことが日本のTVでも放送されました。

患者からの遺伝子をがんの特性に合わせて遺伝子操作するためにどうしても高額になるとのことです。

これでは承認されてもごく一部の人の治療にしか使えないことになりそうです。

かつては欧米で承認済みの新薬が日本で使えないドラッグラグが問題視されたが仕組みを整え2010年代には解消した経緯があります。

ひとつひとつ問題解決してきたように、コストの問題を解決できる様に武田などの国内企業に躍進をお願いしたいと願っています。

現在多くの治療薬が欧米で開発されていて、治療薬を輸入している貿易赤字は年間3兆円になると追われています。

欧米で生まれる新薬!国内開発が安定供給への道

コロナでも治療薬が海外頼りで苦しんだ中で、国内で一番の死因であるがんに国内治療薬を安価に安定的に提供できるようになることを願います。

#がん治療 #CAR -T #免疫細胞 #固形がん

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