離れていても勝手に充電
携帯電話は3年ぐらい使うと急にバッテリーの持ちが悪くなりますよね。
私も日常から節電モードにしながらも夜はバッテリー残量との闘いです、、、
充電器をカバンの奥に入れて持ち歩いていると、カバンにやたら物を入れて持ち歩く癖の私なので、時折ケーブルが折れて断線したりしてしまいます。
そんな中無線充電の記事が日経新聞に掲載されていました。
ソフトバンク規制緩和受け開発、スマホなど電池切れなく
と嬉しい見出しです。
そこで今日は
無線充電の仕組み
世界で進む無線充電
規制緩和で進む技術
人体の影響など懸念も
とみていきながら
フル充電機能のキーは安全技術が成功のカギに
というこれからは5Gだのメタだの、やたら電波が飛び回る未来の懸念についても考えたいと思います。
*無線充電の仕組み
高速充電で便利にはなったのですが、次は電波を使い離れた機器を充電できる無線給電が実用段階に入りました。
アメリカのベンチャー企業がゲーム機やスマートフォン向けですでに先行しているのです。
日本でも規制が緩和されるのに合わせてソフトバンクが携帯電話の基地局を活用した技術開発を始める予定なんですよね。
離れていても勝手に充電されるため、将来は充電切れの心配がなくなると予測されています。デジタル機器の利便性が飛躍的に高まり、新たな機器やサービス開発も進みそうです。
では基本に返って無線充電の仕組みを説明します。
① 充電パッドの中には「送電用コイル」が入っています。電気を流すとこのコイルが反応して磁界(磁束)が発生して空気中に放出されます。
ちなみに、電気が空気中に流れるのではなく、磁界が発生するので危険はありません。
② 充電パッドに「受電用コイル」が入ったスマホを近づけます。スマホの中のコイルは空気中の磁界に反応して電力に変換します。
③ このとき誘導電流が発生し、その電力をバッテリーに蓄える仕組みです。
イギリスの電気工学者フレミングが発見した「磁場内で動く導線に発生する起電力の向き、また磁場が電流に及ぼす力の向きを指示する法則」がありましたよね。
現状での無線充電のメリットは
・ケーブルがなくても置くだけで充電できる
・ケーブルがないので異なる機種にも充電できる
・複数台を充電できる充電器もある
現状でのデメリットは
・充電が遅い
・充電する位置がシビア
・ワイヤレス充電器のタイプによってはスマートフォンのサイズが影響する
・ケースやアクセサリーが充電の邪魔になる
です。
*世界で進む無線充電
世界ではこのイノベーションがどんどん進化しています。
米無線給電スタートアップの①パワーキャストでは
アイフォン「Qi(チー)」方式を提供して世界にインパクトを与えました。
現在は、専用装置から電力を飛ばして任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のコントローラーを充電できる「ワイヤレス・チャージング・グリップ」を米アマゾン・ドット・コムのサイトで販売しています。
世界45カ国以上で規制当局からの承認が続いている
②米国オシアは
米ウォルマートの倉庫のトラックの搬入管理などで採用されています。
将来的に、店舗では天井に置いた送信機から電子ショッピングカートや電子値札を充電する利用も想定しているのです。
半導体商社の丸文と組んで、日本での事業を展開する計画があって動き出しています。
中国の③小米(シャオミ)はスマホメーカですが、数メートル先のスマホを充電する技術を発表しています。
*規制緩和で進む技術
一方、国土が狭い日本では、電波を発する機器は技術基準適合証明(技適)などで厳しく管理されています。
規制当局は無線給電に慎重な姿勢を貫いてきました。
例えば、スイッチのコントローラーを無線で充電するパワーキャストの製品も日本では使えないのです。
それでも総務省は2022年中にもまず屋内に限り、920メガ(メガは100万)ヘルツ近辺の電波を使って免許届け出制で無線給電を認める計画です。
24年ごろに屋外用にも拡大し、30年ごろには大電力の給電も可能にするなど段階的に規制を緩和していく方針を打ち出しています。
第1弾となる屋内の産業用途では、
④ パナソニックがカード型の受信装置を開発しています。
第2弾の規制緩和をにらみ、⑤ソフトバンクは情報通信研究機構(NICT)の支援を受けて、京都大学や金沢工業大学と協業しながら携帯の基地局から電力を飛ばす技術開発を始めます。
具体的には半径10メートルの範囲で基地局設備から電力を飛ばす実験を進めるそうです。
イヤホンや防犯タグ、スマートウオッチなどの小型機器は携帯電波のエリア内にいれば電池交換が不要になるという便利な開発を進めています。
同社は国内に約20万の基地局を持っており、通信会社としてのインフラを使って電気を届けるという新事業となる可能性があるそうです。
また、今後主流になるであろう電気自動車(EV)では駐車するだけで充電できる技術も確立されていて、実用化への開発が進んでいます。
無線給電の世界市場は26年に134億ドル(約1兆5000億円)と21年(45億ドル)の3倍に拡大する見込みです。
*人体の影響など懸念も
現在の無線充電技術で人体への影響は、ボタン電池の充電程度なら携帯電話の電波とさほど変わらないと言われています。
総務省などのホームページでも、電波は、エックス線などの電離放射線と違い、物質の原子をはぎとる電離作用を引き起こしません、と記載されています。
ただ電気による作用として2つのことがあるのです。
1 刺激作用
低周波(100kHz(キロヘルツ)以下)のきわめて強い電波を浴びることにより体内に電流が流れ、“ビリビリ”“チクチク”と感じる、刺激作用のことが知られています。
2 熱作用
高周波(100kHz(キロヘルツ)以上)のきわめて強い電波を浴びると体温が上がります。この原理を応用したのが電子レンジです。
どちらも現状は大きな被害を出すものではありません。
つまり携帯電話基地局や放送局などから発射される弱い電波を長期間浴びた時の健康影響(非熱作用)については、現在のところ、熱作用による影響以外に根拠を示すことのできる影響は見つかっていません。
しかし、より多くのものを離れて充電する時に、電力の強さによっては懸念が出てきます。
人間の脳が働くときには、ニューロン(神経細胞)の樹状突起(じゅじょうとっき)から細胞体をへて、軸索(じくさく)を通り、次の樹状突起へとインパルス(電気信号)が流れます。
強力な電気や磁気を長期に渡って浴びる環境は今は無くて、影響ははっきりわかっていないと思います。
フル充電機能のキーは安全技術が成功のカギに
何事も安全でなければ長続きしないものです。未開の領域だけに反射などを使って人体を電磁波が直撃しない迂回技術などにも注目が集まります。
ごめんなさい、バッテリー切れです、、、が死語になる日がいつ来るのか?楽しみです。
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