送電損失ゼロ「超電導送電」実用へ
環境問題は毎日新聞に掲載されていて、なんか本当に深刻なんだなぁって感じます。
日本は火力発電が75%ぐらいってやっぱりまずいよなぁってこの前のブログで感じていたけど、実は全く別の観点から省エネにアプローチが出来るって新聞に載っていました。
それは、超電導! 戦隊ヒーローではありません。
極低温で電線を冷やすと、金属の抵抗が無くなって電気がロスなく遅れるってやつです。
電線冷やすっていわれてもどうすんの??って思っていたら、テクノロジーは進んでいて、もう実用化が見えてきているそうです。
日経新聞には
JR系超電導を低コストで!脱炭素が後押し
とのサブタイトルが目に飛び込んできました。
そこで今日は
*国内外で進む超電導の開発
*超電導のしくみについて
*電車運行に必要な電力
*コストダウンで実用化にめど
とみていきながら
送電ロスを減らしてエネルギー利用効率が上がれば地球温暖化にも貢献
という意外な盲点だったエコ対策になることを調べたいです。
*国内外で進む超電導の開発
実は日本は超電導に関しては早くから取り組みがありました。
リニアモーターカーの開発などで研究されていたからなんですよね。
しかし今は中国などもかなり開発に力をいれているそうです。
そこで国内外で取り組んでいる企業と取り組み内容をみていきましょう。
鉄道総合技術研究所
宮崎県日向市で1.5キロの超電導送電線の実証開始しています。複数の鉄道会社が関心を寄せているそうです。
昭和電線ケーブルシステム
工場の冷却設備を生かした超電導送電を横浜市で実証済みです。実用化を目指しています。
住友電気工業
送電ケーブルの新規開発を一旦停止したそうです。線材供給に注力しているそうです。
中国・国家電網
上海市で1.2キロの超電導送電線を21年12月に稼働しました。スタートアップの素材を利用しています。
ドイツ・経済・気候保護省
ミュンヘン市内の地下に12キロの送電線を敷設する計画を開始しました、
実証実験段階も多く、いよいよ実用化が目前なんですね。
*超電導のしくみについて
超電導はどんなしくみで発生するのでしょうか?
超電導とは、特定の元素や化合物をある温度(臨界温度)以下に冷やすことで、電気抵抗がほとんどゼロになる現象です。
1911年オランダの物理学者カマリン・オンネスが水銀をマイナス269度にすると抵抗がほとんどなくなったことを発見しました。
この技術を利用した送電ケーブルを開発しているのです。
超電導は強力な磁場が発生することを利用して、医療現場ではMRI(磁気共鳴画像装置)で患者をチェックしたり。磁石の反発力を推進に使うリニアモーターカーなどが利用することが出来ます。
(日経新聞より引用)
*電車運行に必要な電力から節電すると
現在、送電線に使われている金属製の電力ケーブルでは、発電所から目的地に着くまでに、送電中に発生する熱などにより相当の電力が失われるとされています。
この送電線を超電導送電ケーブルに置き換えると、送電中に失われる電力量を抑えることができるのです。
電車でみると運航に必要な電圧1500ボルトの電流を数百アンペア流す事が出来るようになります。
電車運用の年間使用電力は170億キロワットですが、送電ロスは4%で約7億キロワットの電気が熱などに変わって失われています。
これは16万世帯の一般家庭電器使用量と同じなんです。
通常の送電よりもちろん冷却に費用がかかるります。
しかし超電導のもつ高電流密度によって、ケーブルサイズを一気にコンパクトに出来ます。
そのコンパクトな送電線1本を1㎞以上にすれば既存の設備を活用できるそうなので、送電ロスで失っていた費用をカバーできるそうです。
*コストダウンで実用化にめど
1987年には、当初のマイナス269度からマイナス196℃で超電導物質として使える酸化物が発見され、超電導の用途が広がり、現在では計測機器分野や医療分野などの様々な分野に応用されています。
その冷却ですが、最初は液体ヘリュームの超低温で対応していましたが、液体窒素で代用できるようになりました。コストはヘリュームに比べて1割以下のキロ当たり数百円ですから、ここでも実用化へ大きく前進しました。
将来的には、液体窒素などでの冷却の必要がない室温超電導の実用化が期待されています。
この超電導ケーブルの場合には送電時の電力ロスはほぼゼロになり、現在と同じ電力を供給するために、国内の原子力発電所数基分が不要になるとも言われています。
風力発電など再生可能エネルギーとの組み合わせも考えられていて、電圧が下がりにくい特性を利用して都内では電圧維持のために3キロごとに設置している変電所が不要になります。
変電所の維持コストは1か所年間2000万円です。
送電ロスを減らしてエネルギー利用効率が上がれば地球温暖化にも貢献できます。
石油が昔から枯渇すると言われ続けて、テクノロジーの進化でまだなくならないように、電力不足の危惧をテクノロジーでカバーできればいいなと思います。
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