見出し画像

海外事業立ち上げ、半年を振り返る

マレーシアで抹茶とかやればウケそうじゃね?

「マレーシアで日本食ってウケそうだよね。」
「そうですね、抹茶とかいけそうですね。よく知らないですけど。」

役員との他愛の無い会話から、まさか本当に事業化に向けて動くことになるとは思いもしなかった。
この会話が4月初頭、そして6月1日からのマレーシア駐在がその場で決定。

てかマレーシアってどこにあるんだ?アトラスオオカブトは確かマレーシア原産だったなというムシキングの知識しかなかった。

そんな状況で海外事業の立ち上げが始まった。
まずは現状を知らなければ何も始まらない。
Goooooooooogleまで見切ってマレーシアの文化、宗教、歴史、ビジネス、日系の情報、何から何までデスクトップ調査。

でもマレーシアの消費者がどんな食の嗜好で、何が流行かはわからない。
そこでTinder Goldに課金し、日本にいながらローカルの消費者に直接インタビューを実施した。性別と年齢を区切ってインサイトを掘っていく。
オフィスの自席でスワイプしていたらただのヤバいやつだから、個室をとって右スワイプをし続けた。

4月下旬に下見も兼ねてマレーシア出張。
もっとジャングルかと思ってました、ごめんなさい。
中心地はほぼ新宿。
日本では規制がどうのとまごまごしているのに、マレーシアではGrabというライドシェア兼フードデリバリーのスーパーアプリで便利に過ごせる。
スーパーマーケットやレストラン、ホーカー(屋台)を回ってインタビューをし、ローカルの方々と喋り、とにかくマレーシアを浴びた。

5月に入りラスト1ヶ月で半年間のPoC計画を練り、マレーシア飲食業界の持つ不の仮説立てもできた。
マレーシアは外食人気が高く、自炊率が低い。でも平均単価200円〜300円程度の店がほとんどで、構造的にトップラインが上がらない。
富めるものはますます富み、貧するものは貧しいまま。そんな世界に風穴を開けたいと思った。

さて、ついにきた6月1日の渡航日。出発直前の羽田空港で会社からびっくりなメッセージ。「家の契約が完了しておらず、家に入れません」
まさかのいきなりホームレス。
現地不動産企業とのちょっとした認識ズレで初期費用の着金が遅れていて〜的な理由だったらしいが、とにかく家がないのは困る。
ホテル探しからマレーシア生活は開始した。

俺ってバカなんだ・・。

竹本、マレーシア降臨。
さて、顧客を見つけなきゃ。それと大急ぎでプロダクトも作らなきゃ。
鶏と卵だけど、とりあえずサービス需要があるかは売ってみなければわからない。俺はもうマレーシアで何が人気なのか、生の声を持って知っている。
「よし!営業に行くぞ!」とホテルを出ようとした時に気づいた。

「あれ?リードなくね?」

ここでいうリードとは「マーケティングリード」のことで、広告などのマーケ活動からサービスに興味を持ってくれた見込み客を指す。
見込み客がいないから商談する相手もいない。
この時ばかりは自分がおバカすぎて笑ってしまった。日本にいる時からマレーシアで広告回しておけばよかったのに・・。

その日は仕方ないから片っ端から飛び込みをし、警察呼ぶぞと怒られ、走って逃げて、ホテルに帰った。
これはいかんとGoogleで「meta 広告 出し方」みたいに検索してやり方を調べ、Canvaでクリエイティブを作り、翌日からmeta広告を開始した。

結局4ヶ月間広告を回し、CPA967円という驚異的な数字を残した。これにより一気にマーケティング・セールスが効率化した。
半年間の目標顧客数を3ヶ月で達成し、何とかなった。

これからはどんな国でどんなサービスを作ろうと、事前にプレマーケは回しておく。当たり前すぎる教訓を得た。

プロダクトが、無い

顧客に商談する。こういうプロダクトです。こんなメリットがあります。
そんな話をしたら必ず聞かれる、「そのプロダクト、試しに見せてよ」。

「では次回商談を2週間後にやりましょう。その時お見せします!」
と引き返し、その2週間が初期プロダクトの製作期間。
大学サッカー時代の監督が試合中によく言っていた「どうにかして!」という抽象度の高めの指示が頭の中に鳴り響き、文字通りどうにかした。

ドタバタだったけど、事前に論点を詰め切っていて、あとはタスクに奔走するだけだったからひとりでもどうにかできた。
論点思考を植え付けてくださっている高松さんに大感謝。ありがとうございます。
全然ダメってまた叱咤激励を頂戴するだろうけど。

そしていくつかありがたい出会いがあり、他社さんでも仲間だと感じられる人々と協働できた。だからひとりでの海外立ち上げでもどうにかなっている。
必ず大きく恩返しをする。

仕事の喜びとは

この半年の成果が認められ、晴れて来年から正式に事業化することが決まった。
「異国の地でひとりでよく頑張ったな」と言ってもらえる。

確かに3日に1回ぐらい叫びたくなるような問題が発生した。
システム的な問題だけでなく、人に裏切られたり、危うく大きな損失を出しかけたり、日本の綺麗なオフィスでは経験できない困難ばかりだった。
でも困難はなんだかんだ、乗り切れる。
そこにひとりであることは、さして影響しない。

一方で、嬉しいこともたくさんあった。初めて受注できた時。初めてサービスがローンチできた時。重要な提携を決められた時。
しかし、この瞬間が一番辛いのだ。
最高に嬉しいタイミングで、隣に同じ熱量でハイタッチできる仲間がいない。
「やったな!明日からもっと頑張ろう!」と肩を組める仲間がいない。

仕事の喜びは、意志の通じ合った連帯だ。

これから

来年から勝負が始まる。

本気で、アジアで100億円のビジネスを作る。
その先に、僕らのサービスであらゆる機会格差をなくしていく。

今は初期メンバーを全力で採用しているところ。
事業責任者経験がある人、海外でローカルマネジメント経験がある人、論理的思考力に優れた人、失敗しても立ち上がれる強い足腰を持つ人。
いろんな仲間が欲しいけど、やっぱり素直でいい人で、嬉しい時にハイタッチできる人を仲間にしたいな。

事業の詳細はここで書けないけれど、完全なゼロイチの海外事業立ち上げに興味ある方、ぜひご連絡ください。
2月までは日本にいるので、ぜひお会いさせてください。


お読みいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

竹本将太
サポートいただけるとそのお金が僕の筋肉とエネルギーに変換されます。ありがとうございます!